樹の診断名は「PDD-NOS(非定型自閉症)」と「精神発達遅延」です。
PDD-NOS(非定型自閉症)、または「広汎性発達障害」とも言われます。
「発達障害」という大きなくくりの中にある診断名のひとつで、他に
アスペルガー症候群、高機能自閉症など、知能に遅れの無いものや
LD(学習障害)やAD/HD(注意欠陥多動性障害)などがあります。
知能の遅れは、自閉症とは関係の無い、別の障害(精神発達遅延)で
すが、自閉症と併せ持つことが多いそうです。
(細かい説明は検索するとたくさん出てくるのでここでは省きます。)
あえて書きますが、「障害」なので、基本的に治りません。
ただし、ここは強調したいのですが、ちょっと遅いけど本人のペースで
必ず成長はします!絶対です!
他の子とはちょっと違った個性があります。
普通の育児マニュアル通りにはいきません。
少し変わった行動をします。
でも、その子なりの理由を持って行動しています。
子供の行動を見て、考えて、どうすればお互いに快適になれるのか、
毎日が手探りです。
でも理解が進めば、子供の行動が奇異に見えたりすることもなくなり、
なぜこんなことをするのか、その理由と対策が見えてきます。
飛躍的に成長するはずの2〜3歳頃は、親にとっては辛い時期です。
成長は遅れるか、かなりでこぼこな発達ですが、それでも3歳までは
明確に診断されないことがその理由のひとつです。
その場合の医師の言葉はどこも同じです。
「3歳までは成長に個人差があるので、今すぐに診断は出来ません。」
早期療育の重要性をもっと広く知ってほしい
でも、自閉症児への早期療育の高い成果が言われているのに、それで
は遅いと私は思います。
アメリカなどでは、生後まもなくから「自閉症の可能性のある赤ちゃん」を
判定し、親も同時に一番身近な療育者として教育していくようなシステム
も出てきたと聞きます。
そのおかげで、超早期療育をスタート出来ること、親にも障害への知識、
サポートの方法、必要な療育についての知識など早くからそういった心
構えを持たされることなど・・。とてもよい方法だと思います。
仮に自閉症ではなかった場合でも、親には自閉症に対する知識が残りま
すし、障害に対する差別も減ることが期待出来ます。
診断されるのが遅れることで、早期療育を受ける機会を逃すだけでなく、
周囲からの心無い言動(しつけがなってない、成長が遅い等)によるスト
レスで親が精神的に落ち込んでしまったり、育児放棄、虐待などの機会を
作ってしまいかねないことも憂慮される点です。
ただでさえ子供の行動に日々悩み、心身疲れきっている中、周囲の無理解
は、親を精神的に追い詰めます。
その時に必要なのが「診断名」だと、私は自分の経験からそう思います。
障害であれば、ひどい言葉をじかに聞く事は減ります。(ゼロではないです。
根本的に理解しない人もいます。)
それと診断名を持っていることで、いろんな面でサポートが受けられるように
なります。診断に沿った療育もスタート出来ます。
(知的障害がない場合には、それすら難しいことが多いと聞きます。知的遅れが重いほうが、
周囲から見て、まだわかりやすい(理解してもらいやすい)面もあるよ、と言われました)
発達障害者はたくさんいると言われてるわりには、あまり正しく理解されてい
ない現状を変えていくのは、今、発達障害児に関わっている者の役目なの
かもしれないと思っています。
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