Intellect1200を使ってみる


ニッカド電池に変わって浮上してきたニッケル水素とリチウム
ポリマーの両電池。  市場に出回り始めた頃は、容量こそ
大きいものの取り出せる電流値に満足がいかないものがあ
りました。  最近は性能の向上もめざましく、満足のいく性能が
出せるようになってきました。 今回、その中でも評判の
Intellect1200の10セルと7セルを試してみました。


使用感は以前インラインギヤを試した時のデータが残っているので
モーターグライダーのFLOHを使いました。
ちなみに現在のこの機体は、ムサシノ400モーターに50プロダクト
のインラインギヤが装備されています。

ニッカドの10セル500ARでは、9*5の折りペラを8700rpm、
16.5Aで回し、毎分319メートルの上昇が出来ます。

まずは7セルから

このバッテリーに限ったことではありませんが、化学反応で電気を
生み出す関係で、温度と放電能力には密接な関係があります。
冬場のテストですので、充電前はポケットに入れて人肌に、充電
中はプチプチを巻いて保温するようにして温度を保たせました。


10セル、7セル共に、充電にはSwallowチャージャーアドバンスを
使用しました。

ペラサイズ 回転数(rpm) 電流値 上昇力(m/min)
500AR 11*8 4300 13.6A 183.0m
Intellct 5200 18.9A 220.0m

前回のテストで7セルで一番上昇力のあった11*8の折りペラとの
組み合わせで計って比較してみましたが、結果は歴然としたものが
ありました。  既にニッカドを超えていますね。


LoLoで計測したグラフです。
次に10セル

10セルも7セル同様に温度が下がらないように気をつけて充電
しました。 なんでもこの電池は50°に保つと一番力を発揮する
らしいです。
ペラサイズ 回転数(rpm) 電流値 上昇力(m/min)
500AR 9*5 8700 16.5A 319.2m
hecell 8200 14.6A 287.0m
Intellct 9300 19.7A
こちらも7セル同様に、500ARで一番上昇力のあった9*5の折り
ペラとの組み合わせで測定してみました。 なんだか、とんでもない
数値になっています。
同時にHecellの10セルもデータを取ってみましたが、差が歴然と
しています。

ちなみに、充電前に人肌加熱を行わないで充電時の発熱に任せた
場合は8600rpm 15.5Aと言う、それでも500ARと同等の数値
を示していました。

さぞかし鋭い上昇をするだろうと期待したのですが、230Wオーバー
のモーター出力にギヤユニットが持たず、まともな測定が出来ません
でした。 それほど、電池による向上が凄かった訳ですね。


壊れたのはギヤシャフトのピニオンギヤと当たるギヤです。
発熱で柔らかくなったギヤに、ブレーキでの急停止の力が加わって
壊れてしまったものと想像します。  テスト中に3このギヤシャフトを
オシャカにしてしまいました...
このギヤユニット、メーカーの推奨は150Wまで、30秒限定で200
Wが許されるものですので、明らかにオーバーロードです。

次世代バッテリーとしては、リチウムポリマー電池に押され気味な
ニッケル水素電池ですが、今回テストしたIntellect1200の放電
性能には目を見張るものがありました。 
10セルで200グラム台と重量面では負い目がありますが、ニッカド
並の充電時間は魅力的ですし、今回のテスト機のようなモーター
グライダーにはもってこいの電池だと感じました。

MH系やRG系の翼型を持ったグライダーなら、ヘタに軽くするより
ある程度の重量を保って速度を出した方が主翼の効率が良くなり
ます。  そんな機体は、リチウムポリマー電池を積んで軽くしてし
まうより、この電池を積んで重量を保った方が良く飛ぶと思います。
実験機のFLOHもラダー機ながら、MH32と言う高速寄りの翼型を
持っています。 
LoLoでのデータでも、7セル搭載時より10セル搭載時の方が良い
滑空をしています。 こんな機体によく似合う電池だと感じました。



このハイパーな性能は、インテレクトジャパンの為に選別され、
「for Japan market」と刻印されたセル特有のものだそうです。

お求めの際はご確認を.....


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