50インラインユニット+ムサシノ400モーターでモグラを飛ばす 

1.概要、外観
プレスではなく削り出しによる外観はとても良いです。
手にした段階では仮組がされていて、モーターにビニオンギヤの
装着をすれば直ぐに組上がります。
ただ、説明書は簡素で挿絵が無く、ビニオンギヤの向きが解りづらい
です。 ビニオンギヤを上下逆に組んでしまうと、カウンターギヤに
ビニオンギヤのフランジが当たってしまい、回わりにくくなるばかりか、
ナイロン製のカウンターギヤの角をつぶしてしまう危険があります。


重量は30プラネタに比べると10グラム近く軽くて、軽量のモーター
グライダーには嬉しい事です。




取り付けはギヤユニットのフロントプレートにM3とM2.6の2種類の
ネジを切った穴があり、何れかを使うようになっています。
M3の方が19oピッチで、M2.6が16oピッチになっています。


今回はコスモテックの4.5:1プラネタギヤからの換装でしたが、
穴のピッチがほぼ同じな為に、モーターマウントの穴を少し広げる
(M2→M2.6)だけで取り付けられました。


手で回した感じは、カウンターシャフトを持っているせいか、若干の
ガタを感じます。 特にムサシノモーターの様にコギングが強いモーター
では、ガタガタ感が強く感じます。

今回、テストで3種類のペラを取っ替え引っ替え交換していますが、シャフトの
材質が柔らかいのか、Dカットしていない反対側に傷が付いて、シャフトから
ハブが抜けなくなる事がありました。 何回かに一度はサンドペーパーでバリ
を取ってあげる必要があります。


2.テストデータ

ペラサイズ(ダイヤ*ピッチ) セル数 回転数(rpm) 電流値 上昇力(m/min) ギヤユニット
9*5 6800 8.5A 129.7m 50プロ インライン
9*5 7200 10.6A 173.2m
9*5 10 8700 16.5A 319.2m
10*8 4600 15.2A 172.0m
10*8 5800 17.8A 225.8m
10*8 10 6700 20.2A
11*8 4300 13.6A 183.0m
11*8 5500 20.1A 250.6m
11*8 10 −−− −−−
11*8 10 5700 8.5A 257.1m プラネタ4.5:1

地上テストでは10*8+10セルと11*8+8セルで20Aを越えてしまいました。
モーターグライダーですのでモーターランは1分弱ですが20Aを越えるとさすがにモーターが
可哀想な感じがしてきました。

3.テスト機材
テストに使った機体は、スパン1780o、重量700グラム台のモーターグライダー(Floh)です。
この機体は最近、ムサシノ400モーター+コスモテックプラネタギヤに換装して飛ばしている物です。
スピコンはシュルツSlim−35beを使っています。 また今回はLoLo(高度記録装置)を搭載してます。


バッテリーはNicdの7セル、8セル、10セルの500ARで、それぞれ好調の物を用意しました。


4.感想
実際に飛ばした感じでは、7セルでは10インチ、11インチ共に満足した上昇力が得られません
でした。特に11インチの時は、モーターラン開始10秒程度でパワーダウンが始まってしまいます。
8セルでは両サイズとも満足の出来る数字が出ました。 11インチでは胸のすく様な上昇力が
得られました。 ただ、消費電力も多いらしく、150メートルのクライムを2回が限界で、3回目は
直ぐにカットしてしまいました。
最高に相性が良かったのは9*5のペラと10セルの組み合わせで、かなりの急角度で上昇
していきます。 さらにこの組み合わせでの消費電流は16A台で、モーター的にもおいしい所
に来ています。 

5.LoLoデータ

10*8 7セル


10*8 8セル(サーマルに入ってしまったため、縦軸スケールが違っています)


11*8 7セル


11*8 8セル


9*5 8セル


9*5 10セル

6.まとめ
このギヤユニットは先にも述べましたが代表的なプラネタギヤよりも10グラム弱軽量になって
いて、それと8セルのバッテリーの組み合わせでは、プラネタギヤ+10セルの場合に比べて
トータルで50グラムも軽くなる計算で、軽量な機体ではこの差は大きく響くと考えます。
また、9*5インチペラ+10セルでは予想以上の上昇力を示していて、上昇力重視の機体に
はもってこいのセッティングではないかと思います。

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