補強バルサはどれだけ強い?


皆さんお馴染みのバルサにカーボンロービングなど堅く丈夫な素材を
組み合わせて補強をする方法。 一体どの位の補強になっているの
でしょうか? Kyranoの製作に際し、「こんな感じ」程度に実験した
物がありましたので公開いたします。

実験方法は3×5ミリのバルサにカーボンを貼り付けて、スカイウォークの
リブ間と同じ幅に置いた台に渡し、上から指で押して壊れ具合を見てみました。
1.補強無し

あっけなく、絵書いたような典型的な割れ方をしました。
2本試しましたが、一回目のは勢いが良すぎて破片が吹っ飛んで
しまいました。
バルサの材質によって随分違うとは思いましたが、実験で使ったバルサは
1cmもたわませると下面に断列が起こります。 主翼のスパーだとすると
上面スパーに当たる荷重の掛かり方です。
2.下面補強

画像では見えませんが、下面にカーボンが貼ってあります。
補強無しに比べて格段に堅くなっています。
更に押し込むと上面が圧縮されるようにつぶれて折れ曲がりました。
ですが、カーボン自体は見た目無傷で、分断はされませんでした。
Kyranoのスパーはこの方向で使っていますが、これは特製を考慮したと
言うよりはプランク材との接着面を考えての事でした。
3.上面補強

上面にカーボンを貼った物です。
これが一番堅くなりました。 それまでのテストピースは座ったまま押して
いましたが、これはそれだけではびくともせずに立ち上がって押す必要が
ありました。 割れた時の衝撃も結構な物で、下に飛び散ったバルサ片が
物語っています。
2本目は更に強く押したらカーボンが割れて、テストピースが飛び散って
しまいました。
上面補強はさすがに強いです。 補強としての理想から言えば、プランク材の
上からカーボンを貼ってあげれば最強になると思われます。
ただ、そうした場合はカーボンを貼った部分の厚みが表面に飛出してしまい
見た目及び空力(少し)に影響を及ぼすでしょう。

接着面の問題がなければ、スパーとプランク材との間でもかなりの強度が
出せますし、Kyranoの様にスパーの内側でもやっただけの効果は現れます。

ただし、主翼の強度として考えた場合は、2本のスパー及びウエブ材などに
よってスパー材単体としてではなく構造物として一体のスパーとして考えますので
若干ニュアンスの違う所があります。 
もっとも、リブ、スパー、ウエブ材がしっかり接着されている必要はありますが。

[戻る]