軽量フイルムあれこれ...

被覆フイルム。 HLGによく使われている物だけでも色々ありますね。
代表的なオラライト、クラフトるうむで取り扱っているウエットフイルム、ミラクルフイルムなどなど..
これらの重量をきむらクラフト唯一の精密測定器! 0.1g刻みで計れるデジタルスケールで
1dm2当たりの重さを測定してみましたので、カバーリングの際の参考にして下さい。 

きむらクラフトで使用しているフイルム達。右からオラカバ、ミラクルフイルム、オラライト白
オラライトバイオレット(色つき)、下で丸まっているクラフトるうむウエットフイルム。


2003年春に発売されたTHJ(TOI FACTORY JAPAN)のフェザーコートです。
クリアしかありませんが、1500×630で1200円とお買い得です。


重量は0.4g弱で、リーフレットに書かれている0.36gは信用出来る数字でしょう。
使った感じは厚手のミラクルフィルムと言った感じです。 カバーリングには他の
軽量フイルムより若干高めの温度が必要ですが、収縮や伸びも少なく、とても貼りやすい
印象を受けました。 また、厚みが結構ありますので、補強としての役目も充分に
果たしてくれるでしょう。

ネットでいろいろと調べたところ、フェザーコートとミラクルフィルムは同種の物で、
一般的にはラミネートフィルムとして売られている物みたいです。

このフイルムの厚みはリーフレットでは0.032ミリと言う事になっています。
ちなみに、オラライトは0.012ミリ、オラカバが0.023ミリ、ミラクルフイルムは
0.025ミリとなっていて、フェザーコートの厚みが際だちます。


オラカバドライです。 
低温でも良く糊が粘り、張りやすいです。
丈夫ではありますが、1dm2あたり1.2g
あります。
対してこちらはきむらクラフト最軽量の
ミラクルフイルムです。 低温での張り付きは
抜群ですが、薄いので比較的弱いのと、
アイロンを高温にすると溶けてくる感じがします。
この状態では乳白色ですが、加熱すると
透明になってきます。
クラフトるうむのウエットフイルムです。
引っ張り強度は抜群で、熱にとても強く加熱してもほとんどと収縮しません。
その為、翼端などは細かく切れ込みを入れて処理する必要があります。
重さは0.5gです。 秤に乗せるのに苦労しました。
きむらクラフトで良く使われるオラライトの白です。
低温での着きと穏やかな収縮で使いやすいです。
計ってみると0.4gありました。
!!丸まっていますがオラライトのバイオレット
です。
オラライトの白よりも軽く表示されていますね。
私は色つきの方が重いと思っていましたが..
納得が行かないので、他の色のオラライトも計って
みました。 オラライトのイエローは0.5g。
オラライトのレッドはなんと0.7gもありました。
ばらつきなのか色による差なのか...

このフイルムの重さはHLGなどの軽量機にはとても重要です。 極端な例ですが、Virgilの主翼
生地完成75gにオラカバを貼ってしまうとすると主翼面積23.5dm2×2で47dm2。
1dm2あたり1.2gなので56.4g、主翼と合わせて131.4gになります。
同じ主翼をミラクルフイルムで被覆するとすると、フイルム重量は9.4g、主翼と合わせて84.4g。
その差47gです。この差は大きいですね。

もっとも、フイルム選びは重量だけでは決められません。 収縮の強さや強度なども加味しないと
いけませんね。 機体が求める最良の被覆材を選ばないといけませんね。

こんな実験もしてみました。
90°の角度でハサミで切れ込みを入れて、手で裂いて強度を確かめてみました。
一番強かったのは当然の事ながらオラカバで、
ついでオラライト、ミラクルフイルム、ちょっと意外ですが一番裂けやすかったのがクラフトるうむの
ウエットフイルムでした。 引っ張り強度は一番強いのに意外でした。
どのフイルムにも目があり、裂けやすい方向と裂けにくい方向がありました。
上の画像では上から下には裂けやすく、左から右には裂けにくいようです。

どのフイルムも一長一短ありますが、特性を良く掴んで自分の機体に良く合うフイルムを選ぶ
参考になれば幸いです。

きむらクラフトでは小型グライダーと小型電動飛行機ばかりですのでこの様なラインアップしか
出来ませんでしたが、機会があれば他のフイルムも試してみたいと思います。


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