FRPポッドの製作 2




前回のポッド製作からしばらく時間が開き、時代もSALへと移行しています。
今までのポッドで作ったAlan−DLGもポッドの剛性に課題があったため、
従来のポッドを剛性が出るように改良して、新しい型をおこすことにしました。


オス型は従来の「ポッド2」をベースに改良を施しました。 
「ポッド2」はメカの搭載し易さを考えて上面と下面に平面の部分を設けて
ありました。 これにより、メカベッドの座りが良かったり、サーボホーンの
逃げに余裕があったりと便利だったのですが、この平面が剛性の低下に
繋がり、ブームの取り付け剛性の低下を招いていました。




新しい物では、上面と下面の平面をラウンドに変更し、必要の無い部分を
極力シェイプしました。 加えて、今回はキャノピータイプを採用したために
今までメカプレートのインストールに必要な通路が不要になり、後部の幅を
狭める事を可能にしました。


キャノピー部分の工作は、二度手間にはなりますが完成したオス型で一度
キャノピー部分だけの型を取ります。 その後にキャノピーラインを彫り込み
回りより一段低くなるように成型します。 角はあまり鋭利にすると、型が
欠けたりクロスが沿わなかったりします。

メス型作りはいつものとおり、2分割したオス型をアクリル板の上に置いて
行います。 今までは両面テープでオス型を固定していたのですが、隙間に
樹脂が染みこんだりして後が面倒だったので、2ミリのタッピングネジ数本で
固定します。
離型ワックスを数回「塗って拭きあげ」を繰り返した後、ボパールを水で薄め
た物を塗り、離型処理とします。


メス型はポリエステル樹脂を使用しました。 今回はゲルコートを使いません
でした。 フィレット部分や外周など、樹脂が付きにくそうな所にエロジールを
混ぜた樹脂を盛って半硬化後に全体に樹脂を乗せていきます。 積層はクロ
スを使用せず、サフェージングマットだけです。 今までの経験で型があまり
に丈夫ですと製品を取り出す時に型がひねれず大変苦労するので、耐久性
より使いやすさを重視したものです。

上の画像では型の分離後、不要部分の切り取りと型を合わせるためのネジ
穴の加工が終わった物です。

製品製作を及びメス型製作の時にしようした離型剤です。 ワックスはR&G
の物ですが、大変使いやすく離型が完璧です。 ワックス後でも塗料やボパ
ールをはじかないので作業が楽です。 Sanoファクトリーで購入しました。


内装する補強部材一式です。 太いカーボンロービングとグラスロービングは
クロスより外側に設置される物です。 また、ノーズやキャノピーライン等の角
があったり鋭角だったりする所はエロジールを入れた樹脂を予め盛っておきま
す。


今回使用したクロスです。 80グラムの目の細かいクロスで、これを2プライ
してポッドを作ります。 これもSanoファクトリーで購入しましたが、樹脂の浸
透も型への馴染みも良いので重宝しています。

ノーマルランチの機体では、20グラムのマイクログラス+100グラムのマイクロ
グラスの2プライでしたので、厚み的にも増して丈夫に作ります。

出来上がったポッドです。


上の物と補強の仕方を変えた物です。 補強もしっかり入ったので、重量は
22グラム。 通常投げの物より7グラムほど重くなっています。


旧型との比較です。
光の当たり具合で、旧型の平面具合が良く解ります。


側面からでは、全高が少し下がっているのも解ります。 また、ブーム回りの補強
も強化しましたので、サイドアームでのランチにもそこそこ耐えてくれると思います
し、メカプレートを主翼下の開口部から入れる必要がないので胴枠とうの補強を
する事も可能です。

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