SAL用主翼の製作
Virgil2K−SALに使用しているSAL専用翼の製作を紹介いたします。
主翼のデザイン 平面形はこんなデザインです。 ラダー機用SAL専用翼をデザインする上で、上反角接合部部分にかかる力を 上の図の様に考えて、翼端部分の上反角を少な目に、中央部を大きめに設定 しました。 今まで壊れた主翼を見てきましたが、壊れているのは大抵がこの部分です。 ただ補強を強化するだけでは不足と考えてのデザインです。 |
製作 主翼の製作自体は普通のスチロールコア翼と変わりません。 工房のスチロールコア翼の制作を参照して下さいね。 気持ーちスプレーのりが多めになっています。(親心程度です) きむらクラフトでは、一貫して補強は上の画像の様にプランク材に施す様に しています。 コアは切り出したまま、手を加えていません。 この構造の強度は今まで製作した主翼で実績がありますので、SAL翼も この構造を躊躇わずに採用しました。 掴む翼端部分のみ、内装するマイクログラスの量を増やしてあります。 今回試験的に主翼後縁にマイクロバルーンを多量に混ぜたエポキシ樹脂を 挟み込んでプレスしました。 これにより後縁内部にマイクロバルーンエポキシを充填することになり、後縁を薄く 仕上げた時の強度確保になります。 上の写真、中央の水色のラインが後縁になりますが、その上下のうっすらと白く なっているところがマイクロバルーンエポキシを塗りつけた所です。 マイクログラスとカーボンロービングを貼った残りの樹脂です。 これにマイクロバルーンを加えます。 マイクロバルーンを大量に加えてここまで量が増えました。 この状態で塗りつけます。 最初はヘラで塗りつけていたのですが、最後は”伝説の人差し指”の登場です。 |
上反角はこの様に出します。 ボール紙で作ったゲージをガイドに曲がらない様に慎重に削ります。 でも、最終的には付き合わせ現物合わせで角度を出します。 外翼を接合しています。 この後に、接合部に一周マイクログラスのテープをエポキシ樹脂で貼り付け、 補強します。 接合部分の圧縮強度はカーボンロービングで、引っ張り強度を マイクログラスで持たせようと言う発想です。 ノーマルランチ用なら引っ張り強度はあまり意識していないので、これでお終い。 グラステープを貼り付ける時には樹脂を置いたらテレホンカードでしごいて余分な 樹脂をそぎ落とします。 ダウエルの入る周辺だけガラスクロスが2プライになっています。 |
ダウエルは2oのカーボンロッドです。 長さは50oあり、受けた力を入り口を 支点として内部で分散しようって言う作戦です。 きむらクラフトの主翼はたいていこんな長いダウエルを使っています。 おかげで、この部分の破損は今のところ一つも有りません。 |
ねじ受け部分はこの様にしてあります。 0.5oのFRP板で作った受けと主翼の 間にはマイクロバルーンを混ぜたエポキシ接着剤が充填してあります。 プレートを瞬間接着剤で接着した後、マイクロバルーンエポキシを指で擦り込む 様にして充填します。 断面はこんな感じになっています。 これは以前製作したDJ Aerotechのモナークからヒントをもらいました。 |
肝心の翼端部分です。 断面はこんな感じです。 表面強度はカーボンクロスが引き受けます。 これは以前上里の滑空場でに入れたバルサシャーレ翼の構造を真似た物です。 ただ、この翼端の厚みが6o程度しか有りませんので1oベニヤで 補強を入れました。 ペグは4oのカーボンパイプです。 パイプを挿入する穴は最初小さめに開け、 序々に広げてぴったりの穴に仕上げて下さい。 ペグの取り付け位置は”HLGを始めよう”のコーナー内、SALってみように 準じていて、生地完成状態の時に実際に振り回して決めています。 カバーリングもきむらクラフトの他の主翼同様、フイルムによる被覆です。 強度と軽さのバランスから、オラライトの白を使っています。 アイロンの温度管理に気を付けながら貼って下さい。 |