ルチアーノ・ベリオ
Luciano Berio
1925-2003

 イタリアの作曲家。現代音楽の巨匠の一人。代々音楽家の家庭に生まれた。自作の指揮も手がける。
 超絶技巧を持つ歌手キャシー・バーベリアンと結婚し、彼女のための曲を多く書いた。
 初期には電子音楽を作曲していたが、やがて生の楽器や、声楽曲の作曲に集中し、
 コラージュ技法をもちいた「シンフォニア」によって一躍有名になる。晩年は、クラシックの曲を完成させたり、編曲したりしていた。
 編曲の腕前も一流で、そちらの方面でも有名になった。


 ベリオ:シンフォニア 指揮:ブーレーズ 評価:★★★★★
 非常に面白い曲。妖しく、神秘的なコーラスも美しい。圧巻は第三楽章で、
 マーラーの「復活」をベースに、過去の名曲がコーラスの意味不明なつぶやき(?)と共に、次から次へと溢れ出る。
 この方法はコラージュ技法という。とても綺麗なメロディーなのに、所々ブッ壊れた感じがたまらない。しかも値段は、たったの1000円。
 現代音楽が好きなら買って損はない。

 ベリオ:セクエンツァ 演奏:アンサンブル・アンテルコンタンポラン 評価:★★★★★
 ベリオが生涯にわたって作曲したソロ曲集。どれも無調音楽だが、美しい。もはや古典。
 絶版なら輸入版を買うべし。

 ACOUSMATRIX - HISTORY OF ELECTRONIC MUSIC 7 BVHAAST 評価:★★★★★
 ベリオの代表的な電子音楽と、彼と共にイタリア現代音楽を代表する作曲家、ブルーノ・マデルナの作品が入っている。
 テーマ・ジョイス賛や、Visageも入っている。最高にイっちゃってる音楽。面白い。

 Berio:Chamber music 指揮:Luciano Berio Lilith 評価:★★
 Differences、セクエンツァなど、彼の代表する作品が収められている。しかし今思うとわざわざ買うほどのものでもなかった。
 曲もかぶるし。

 Berio:circles Wergo 評価:★★★★
 ベリオがキャシーのために作曲した名曲、Circlesを聴くことができる。他にセクエンツァ1、3、5を収録。
 もちろんキャシーが歌ってる。

 Berio:Voci ECM 評価:★★★★
 ベリオの佳作のひとつ。シシリー島の民謡を素材にして、壮大な民俗音楽的な現代音楽を作曲している。
 更に本物のシシリー島の民謡も一緒に録音されている。民謡って本当に素晴らしい。

 Chemins Etc 指揮:Pierre Boulez Sony 評価:★★★★★
 収録曲は、Il ritorno degli Snovidenia、Chemins II、Chemins IV、
 Corale、Points on the Curve to Find...の5曲。
 そのうちのChemins IIとChemins IV、Coraleは、セクエンツァをもとに大編成に編曲し、作曲しなおしたもの。
 どれも面白い。その中でも、Points on the Curve to Find...の爆発力!

 Coro (Dig) 指揮:Luciano Berio DG 評価:★★★★★
 難解で壮大な無調音楽。

 Luciano Berio: Laborintus 2 指揮:Luciano Berio Harmonia Mundi 評価:★★★★★
 第1楽章は静かだが、第2楽章が爆発。電子音と声とジャズのリズムが入り乱れて物凄い。
 こんなに聴いてて面白いものはない。

 Luciano Berio: Canticum Novissimi Testamenti; A-Ronne Wergo 評価:★★★★
 A-Ronneは異様。とにかく笑えて面白い曲なので一度聴いてみて欲しい。

 Recital For Cathy,Folk songs,Etc メゾソプラノ:Cathy Berberian 指揮:Luciano berio RCA 評価:★★★★★
 Recital For Cathyはモンテヴェルディや様々な作曲家からの引用の中に、
 突然無調に変化したりするいつもの作曲パターン。なかなかいい。バーベリアンが超絶技巧。
 Folk songsは各地の民謡からベリオが選んだものを編曲したもの。これが本当に素晴らしかった。
 今まで買ってきたCDのなかでも最高クラス。前衛作曲家は綺麗なメロディーが作れないわけではないのだ。
 こんなに美しい曲を作れるのだから。クルト・ヴァイルによる3つの歌も良い。

 Rendering 指揮:Andrea Lucchesini RCA 評価:★★★★
 表題作は、シューベルトが生きていれば完成するはずだった交響曲第10番を、ベリオが完成させたもの。
 他にもベリオ自身のコンチェルト第2番やボッケリーニの曲の編曲が入っている。

 Luciano Berio: The String Quartets 演奏:Arditti String Quartet 評価:★★★★
 弦楽四重奏曲。

 Berio: Epifanie; Coro 指揮:Leif Segerstam メゾソプラノ:Cathy Berberian Orfeo d'Or 評価:★★★★
 収録曲はエピファニとコーロ。無調なのに何故か神秘的で、
 聴いてると気持ちよくなって眠くなる。眠りたいときにオススメ。
 ライブ盤なので演奏の終わりに観客の拍手も入っているが、咳はあまり入ってない。名盤。
 それにしてもキャシーは凄い人。




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