押しボタンスイッチの修理
スイッチを押しても反応しない・1度しか押していないのに値が大幅に変化する場合は、スイッチ内部の洗浄をしましょう。
洗浄しても初めのうちはあまり変わらないかもしれませんが、1週間ぐらい使っていると明らかに良くなってきます。これで皆さんのイライラも解消するでしょう。
- トップカバーを開けると、スイッチ基板が前面にあります。この基板はメイン基板から2個のコネクタで接続されているので取り外します。 初めて外す場合は非常に硬いので、線を引きちぎらないように注意しましょう。
- スイッチは文字盤をこじると外れる構造になっています。写真はSW5の文字盤を外したところで、中にスイッチが見えています。 ここにサンハヤトの接点復活王のような液体をジュクジュクになるぐらい大量に流し込み、スイッチを5分間程度連打します。
- ティッシュなどで液体を丁寧にふき取ります。スイッチの中に残っている分は適当に叩き出しておきます。 防錆効果があるので完全に拭き取らなくてもかまいません。
洗浄しても初めのうちはあまり変わらないかもしれませんが、1週間ぐらい使っていると明らかに良くなってきます。これで皆さんのイライラも解消するでしょう。
LCDモジュールの交換
発売されて20余年立った製品ですので、液晶の反応がボケてます。その上ネガ表示なので、見にくい事この上無しです。
やはり普通の液晶のほうが、コントラストが高くて見やすいですよね。
- 既存のLCDを取り外します。ケーブル類は新しいモジュールに流用するので、古いLCDから外してください。
- バックライト付きのSUNLIKE SC1602をどこかで買ってきます。バックライトが無いと前面に隙間があくので格好悪いです。
- LCDから取り外したフラットケーブルを加工します。古いLCDとSC1602では信号の配列が異なるので、フラットケーブルをコネクタから取り外して写真のように後ろ面から見て右側に青い印が来るように圧着します。 フラットケーブルの圧着をするには専用の工具を使うか、万力を使うと綺麗に仕上がります。
- SC1602に取り付ける部分では青い印を下にするのですが、青い印の1番と2番のケーブルを入れ替えて圧着してください。その後フラットケーブルとバックライトのケーブルを新しいLCDにハンダ付けします。
- LCDの動作チェックを行います。LCDを固定する前に、実際に電源を入れてちゃんと表示されるかどうか確認しておきましょう。
- LCDを取り付ける一番の難関です。SC1602は古いLCDよりも1ミリほど薄く高さも5ミリぐらい低くなっているので、フロントパネルの窓位置と見比べながらLCDを取り付けるフレームを根性で曲げてネジ止めします。 ネジもちゃんとした幅で止まらないと思うので、ホットボンドなどで強制的に固定します。腕に自信がある方は、固定材などを手作りしてはいかがでしょうか?
加工後の見栄えや操作性は格段に良くなりました。
LCDの濃度調整ボリュームを付ける
LCDを交換すると濃度の調整ボリュームが欲しくなると思います。メイン基板には濃度調整ボリュームのパターンが残っているので、これを生かしてみましょう。
LCDのコネクタの左にある270Ωと4.7kΩの抵抗を外します。で、横にあいている3個の穴に半固定抵抗をハンダ付けします。一度調整したら永久に触らないので、自己満足の世界になってしまいますね。
バックアップバッテリーの交換
TX81ZのデータバックアップはEEPROMではなく、リチウム電池でバックアップされたRAMが実装されています。リチウム電池の寿命は5年前後ですので、ほとんどのものが痛んでしまっているのではないでしょうか?私が購入した機体もリチウム電池のまわりに液漏れのような跡がびっしりとついていました。アルカリ電池とは違いパターンを腐食させることが無いので、古い電池を取り外して新しいものに交換するだけでOKです。
リチウム電池を直接ハンダ付けをすることは禁止されているので、最低でも足がついているタイプを探すか、メンテナンス面を考えて電池のソケットをつけていつでも交換できるようにするのが良いかと思います。
電源トランスのうなり
TX81Zの生産ロットによって違うそうですが、古いバージョンの機体では電源トランスの磁気リークで本体の上カバーからうなり音が発生します。
これが結構大きくて、気になりだすとなおさらです。これはスチール製の空き缶などから鉄の板を切り取り、トランスのコアの上にかぶせるだけで音が治まります。トランスは結構発熱するので、サンハヤトの高周波ワニスやエポキシボンドなどで接着してください。
さて、一通りメンテナンスが終わって曲作りは?と聞かれそうですが、そのうちがんばります。