エネループ充電器NC-MR58の充電表示LED増設

製作:2012年9月1日
全景 役に立つのかわかりませんが、見た目に頑張って充電している雰囲気が伝わってきます。高速充電モードの動きがよくわかります。

エネループ充電器から音がする

エネループ充電器 NC-MR58 はリフレッシュ機能がついた便利な充電器です。この充電器は充電中にシュー・チッチッチッチッ・ジーと言う音が鳴るんです。 よく聞くと音の鳴り方にパターンがあるのですが、その音についてググってみるとリフレッシュ機能が無いNC-M58の改造を紹介しているページがありました。 実際にMR58を開けてみると、リフレッシュ機能があるため基板の部品構成がかなり異なっていて信号の取り出しポイントもまったく違ったので、改造ついでに解析も行ってみました。

内部を見てみる

まずは表側。一番初めに目が行くものといえば…AVR。こいつの足を乗っ取るとうまくいくかも…右上の抵抗はリフレッシュ用かなぁ… 電池ソケットが直付けなのであんまり部品がありませんね。 CHG_P4の右側から右下のCHG_M1に斜めに延びる太いパターンはスロット1とスロット4の電池を直列充電するためのパターンのようです。

次に裏側。所狭しと部品が載っています。この中で一番目を引くのが R254~R257の部分。 実はこれがリフレッシュ用の抵抗で4系統分実装されています。IC203は電圧監視用のICでしょうか?型番が見えないので良く分かりません。 左側にあるQ225~Q227は6個のLED点灯に使うトランジスタです。 左下のトランジスタっぽいのはスロット1とスロット4の電池を直列接続するトランジスタ類でしょう。 どのトランジスタ類も型番の部分に保護剤が塗ってあり型番がまったく見えません。 テスタを当てながら NC-M58 のサイトを参考に信号の特定をしてみましたがさっぱり分かりませんでした。

やはりAVRの足を乗っ取るのが正攻法か

充電の制御をしていると思われるAVR(ATmega8L)は23本のI/Oと8チャンネルのADCを持ち合わせています。 とりあえず充電を行いながらテスタを当ててみると…充電制御やLEDやリフレッシュも1本の電池ごとに個別に信号が出てるんですね。 あっさり終わってしまいました。 あとは信号の取り出しポイントですが、AVRから裏面のトランジスタへ信号を導くためのスルーホールの部分にはんだ付けを行い、そこから線を引き出すことにしました。

LEDを点灯させる回路について

信号状態1234COM
充電停止LLLHL
スロット2LHLHL
スロット3LLHHL
スロット1LLLHH
スロット1+4LLLLH
スロット4HLLLH
スロット2と3は単純に充電の時にアクティブハイになります。 スロット1と4は高速充電があるためにやはり特殊で、COMがアクティブハイになった時に1または4がアクティブローになります。 意外とNC-M58よりも簡単かも…。

点灯回路 でもって作った回路はこちら。74HC04を1個使うだけです。LED用の抵抗は6mA弱で計算していますので、1と4が同時点灯しても12mAです。 電流を多く取ってしまうと本体の電源回路に負荷がかかるため、明るさが必要なら高輝度LEDを使う方が良いでしょう。

部品の取り付けと動作確認

ケースの内部はトランスの上の部分に大きな空間があります。74HC04をそのまま収めるとトランスに足が当たってしまうため、足をPLCCのように内側に曲げて裏返しに取り付けます。

LEDと抵抗を取り付けて全ての配線を行ったところです。 ケースを閉じる前に、3・1・COMの線が基板とカバーに挟まれてしまうのを防ぐため、電池ソケット側ケースのスロット2と3の間にあるプラスチックの板をニッパで折り取っています。 基板からのケーブルの引き回しは、左側面部に大きなスリットがあるのでここを利用しましょう。

ついに完成

そんなこんなでトランジスタの役割チェックは必要なかったということであっさりできてしまいました。 裏のトルクスねじを外すのがひと苦労でした。