メインCPUにPICを使用し20MHzで動作させ、MIDI信号は高速フォトカプラTLP552を介して入力します。
SP0256のセクションでは74HC157で動作クロックを切り替えていましたが、右上の増設ボードで処理するように変更しました。
オーディオ信号は2次CRローパスフィルタを経由してOPアンプに入ります。
データシートに載っていた33kΩと0.022μFの構成ではカットオフ周波数が219Hzになり、実際に聞いてみるとかなりこもった感じになっているので、
定数を変更してカットオフを884Hzにしています。定数の根拠は特に無く、単に余っている部品の寄せ集めです。
YMZ294のセクションでは、データシートどおり負荷抵抗に1kΩを使用してあります。これが無いと音がほとんど聞こえません。 10kΩの抵抗アレイで加算回路を構成しOPアンプに入れます。OPアンプでは1次ローパスフィルタが構成してあり、 10kΩのVRを調整することでカットオフと他の音源とのミックス比を一度に調整できるようにしてあります。
YM2203のセクションはほぼデータシートどおりなのですが、YM3014から出たオーディオ信号をボルテージフォロワを通さずにいきなりアンプに入れてしまいました。(うっかりミスです)
こちらのOPアンプでも1次ローパスフィルタを構成していますが、これはDACのアンチエイリアスノイズの除去を目的としています。
反転増幅回路で動作しているOPアンプは5Vでもなんとか動作するNJM4580Dを使用しており、 Vcc/2で動作するよう非反転入力側にTLE2426(レールスプリッタ)の出力を加えてあります。 また各音源は全てAC結合してあります。これはPWMで出力しているYMZ294・SP0256では1V程度、 YM3014ではVcc/2のオフセットが乗ってくるため、ミックスした時点で音が消えてしまわないようにするための対策です。
電源は5Vの単電源で動作し、レギュレータには低ドロップタイプのLM2940を使用しています。 当初7805を使っていたのですが、全体の消費電流が意外と多くてかなり発熱していたため置き換えました。 動作させている時の消費電流は250mAで半分近くをYM2203とSP0256が消費しています。 どちらのICも動作させている時は結構熱くなり、精神衛生上良くないので放熱板を付けています。
デバッグ風景
基板のアートワークは今回も手作業です。Eagleの無料版を使ってみようと思ったのですが、回路規模が大きすぎて無理でした。 YMZ294の裏あたりがとんでもないことになっています。このあたりはかなり気合が入っていたのですが、YM2203に伸びるところでかなりダレています。
今回アートワークのポイントはアナログとデジタルの電源を大元で二股に分けたところです。 以前アナログリズムマシンを作った時に、電源ラインのあたりを経由してMIDI信号のがデジタルノイズとして混入し、どうしても除去できなかった教訓です。 ノイズが入る経路は極力減らすのがポイントだと誰かに聞きました。
さて、基板の露光です。専用の露光ボックスを持っていないので、露光は直射日光で行います。
クイックポジ基板の材質が変わってから時間管理がシビアになり、日光で露光を行うのが難しくなりました。この日は快晴に近い昼過ぎで、90秒の露光を行っています。
日光で露光する場合、CdSをテスターにつないで日光の強さを測定し、それに基づいて露光時間を変化させるとかなりの精度で成功します。
今回はICの足の間に線を通すので、ランドも小さいタイプを使っています。
部品の穴はこれまで1mmのドリルを使っていましたが、今回は0.8mmを使いました。
部品を実装して完成。取り外す必要のないOPアンプの周りまでICソケットをつけています。
昔作ったプロトタイプ基板との比較。
YMZ294の下の配線密度を高くしたため、ジャンパ線が大幅に減ったのと部品の実装密度も上がっています。