ビーノ ハイビームインジケータを作る

製作:2021年2月13日
執筆 2021年2月15日
あれば便利なハイビームインジケータの自作。
200円程度の部品で手軽に改造できるのが特徴です。

原付バイクってハイビームインジケータ無いんですね

突然ですが、原付バイクを買いました。ヤマハのビーノ・XCH50という型番で、ホンダ ジョルノのOEM品らしいです。 自動車でも自転車でもロングライドするタイプの人間なので、原付でもそれなりに長時間ツーリングしたり、夜間に運転することもしばしばあります。

自動車ならハイビームランプ(青いランプ)は当たり前のようについているのに、原付では任意装備になるのでしょうか? 真っ暗なら上下がわかるのですが、市街地は明るいのでうっかりハイビームにしていても気づきにくいです。 そこで、無いなら自分で作ってしまおうというのが今回の企画です。おそらくジョルノでも同じ改造ができるでしょう。

回路について

右の図はサービスマニュアルに書かれているヘッドライトの配線図です。 ヒューズはバッテリーの+側から切り替えスイッチの間に入っていますが、特別取りあげるものでもないため省略しています。
バッテリーからヒューズを経由して手元のHigh/Low切り替えスイッチに入り、ヘッドライトの電球に直接接続されてECUからバッテリーへ戻ります。 途中にリレーなどは入っていません。なぜECUに入るかというと、エンジンがかかるまでヘッドライトが点灯しない仕組みになっているからです。

この図を見る限り、単純に電球と並列にLEDを入れれば目標達成と思いますよね。 しかし、スイッチと電球の間はスイッチの根元から容易に取り出しができますが、電球からECUの間はヘッドライト内部かECUまでのハーネスをばらさないと取り出しが難しいです。 ボディの外装を大規模に外すのはとてもお手軽とは言えません。

今回設計した回路は、切り替えスイッチのHigh/Lowそれぞれの分岐部にHigh/Low二つのLEDをぶら下げました。 電球が共通線で-側(ECU)に接続されていることを利用して、点灯していない側の電球経由でLEDの-側をつないでしまおうというものです。 点灯していない電球は抵抗値がゼロに近いので直接結線しているものとみなすことができます。
おまけ機能というほどでもないですが、この回路だと片方の電球が切れたらハイビームインジケータが点灯しないので、球切れ検知として使うことができます。

LEDのVFを2.0Vと仮定して、電流制限抵抗を1kΩ、IF=(12-2)/1,000=10mAとしています。 逆電圧で点灯しない側のLEDにかかる電圧VRは順方向側LEDのVFと同等になりますので、 High側のLEDだけで良い場合は、必ずLow側のLEDのダミーとして普通のダイオードを接続してください。 このダイオードを付けないと、Lowビームの時にHigh側のLEDに対し逆電圧12Vがかかってしまい、ほとんどの場合一発でLEDが壊れます。

今回は逆接続された2つの赤/緑のLEDが一つのパッケージに入っているL036PURGWという3mmのLEDを使いました。 国内ではマルツで手軽に入手できます。共立でも他の色のバリエーションがありますが、角型なので加工が難しいと思います。 一般的な2色LEDとは異なり、足が2本しか出ておらず、今回のような電流が逆向きに流れた時の挙動にもってこいです。
LEDの足に直接抵抗をハンダ付けし、熱収縮チューブを利用してきちんと絶縁処理をしました。

使ってみて分かったこと