私が初めて常任委員長として臨んだ文教社会委員会は、さる6月27日、長岡市議会第1委員会室で開かれました。
視覚障害者委員長は全国的には初めてのケースではありませんが、当然のことながら当市では未知のケースであり、議員をはじめとして周囲の不安や心配も多く聞かれました。
私を委員長として送り出してくれた会派や、周囲の不安に応えるためにもこの重責をしっかりとやり遂げなければなりません。
その為に私がやってきた事を簡単にご紹介いたします。
まず、先輩議員であり、委員長を経験したことのある参議院の堀議員や新潟市議会の青木議員に直接会ったり、電話などでその経験と工夫を何回となく聞く事から始めました。
そのうえで議会事務局と事前に綿密な打ち合わせをし、前日には委員会室でほかの職員も加わって「模擬委員会」をやって、問題の掘り起こしをしました。
委員長である私が話す原稿はすべて議会事務局が点字化し、私は事前にそれらを頭に叩き込む位まで何回となく読んで当日に臨みました。
常任委員会は午前10時から始まり、昼食をはさんで午後3時半頃まで続きましたが、実際の運営は次のようでした。
@ 私を含む8人の委員は委員長に発言を求める際、挙手と同時に必ず自分の名前を告げること。
また理事者側もこれにならい円滑な委員会運営に協力すること。
A 挙手採決の場合、その数を脇にいる事務局長が「委員○名中、挙手○名。」と委員長に告知し、委員長である私がこれを確認して採択の可否を告げる。
事前に関係機関と打ち合わせた事項は以上ですが、とりあえず6月議会はおかげさまで何の支障もなく、極めてスムーズな進行と充実した議論がなされたものと自負しています。
ただ、委員会の審議中は挙手をした部課長の名前と役職名を取り違えないことや、議論の内容が所管外に及ばないよう心配りをしていて、終了後はやはり快い疲労感を覚えました。
以下に新潟日報に掲載された記事の中から、一部を抜粋します。
「議会のバリアフリー 視覚障害者の委員長デビュー」
長岡市議会6月定例会は27日、文教社会委員会を開き、視覚障害者の藤田芳雄市議(55)=2期目=が委員長デビューを果たした。委員や市側は発言を求める際、挙手だけでなく名前を告げるなど、スムーズな会の運営に協力した。
藤田市議はこの日、長年のパートナー、盲導犬「オパール」と一緒に登場。学校給食や介護保険の質問を的確に処理、議会事務局と連携しながら委員長職を無難にこなした。教育基本法の見直しに関する請願では、7人の委員の意見が割れる場面もあり、挙手による採決が行われたが、事務局が数を確認し、委員長に伝えた。
藤田市議は「皆さんの協力で無事に終えた。障害者でもやれることを実践できた。」と述べた。
[新潟日報 06月27日(金)]
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