水無月の伍 - 竿であやつる悠久の流れ - 日本有数の川下りである保津川下りの船頭になった豊田さん。最初は体力的にも精神的にもきつかったという船頭の仕事も、今は楽しくて仕方がないそうです。 75歳が定年という船頭。それまでは元気に頑張りたいという豊田さんを支える奥様の恵美子さん謂く「立派な船頭になりました。」竿差しはもちろん、観光ガイドもおもしろいと評判の豊田さんの船。一度乗せてもらいたいですね。 141人の船頭の殆どが住む保津町。どの家が船頭の家か見分けるポイントがこのシュロの木。シュロの皮で櫂を留める縄を作る為、船頭の家には必ずこのシュロが植えてあるのです。 明治時代の半ばから観光客船となった保津川下り。お客様を楽しませることは船頭の大切な仕事の1つ。急流にさしかかると、長い竿を振り回して、お客様を盛り上げます。格好いい! シュロ縄作りは、実はベテランの仕事。7年目の豊田さんにそろそろ覚えなさいと教えてくれているのは、師匠の岸谷さん72歳。この縄が船を濯ぐ時のあのグイグイっという音の正体。 川下りを陰で支えるのは、船頭の奥様方。あの粋なハッピは奥様たちの手作りなんですよ。川で危険な目にあわないようにと願いを込めて、1本の糸で縫い上げます。素敵ですね。 |