春宵 春宵一刻値千金 (しゅんしょういっこくあたいせんきん) 花有清香月有陰 (はなにせいかあり、つきにかげあり) 歌管樓臺聲細細 (かかんのろうだいこえさいさい) 鞦韆院落夜沈沈 (しゅうせんいんらくよるちんちん) --蘇東坡 春宵は、春の「夕暮れ」とするより「夜」とすべきだろう。日本語に訳すると、こんなかんじだろうか・・・ 春夜 春の夜の一刻は 千金に値する 花の香 おぼろな月 歌と管弦を奏でていた楼台も 今はひっそりとしている 鞦韆(ぶらんこ)のある中庭に 人影はなく 夜はひっそりと更けててゆく 春の夜。喧噪から離れて独り逍遙(しょうよう)する。花の香りと月を愛で、更けてゆく夜を感じる・・・ そんな詩だ。さて、もうしばらくすると桜の季節だ。蘇東坡に習って、桜の下を夜の散歩と洒落ようか。 |