もてなし


「もてなしの心」とは   奈良県トップページ >県民生活課  最終更新日:2007年8月1日
相手の立場に立って心温まる応対をするのが、「もてなしの心」の原点です。「もてなし」には相手が満足することで、も
てなす側も喜びを感じるという関係があり、こうした相互関係は、観光だけでなく、社会生活のあらゆる場面において基本
となるものです。県民一人ひとりが「もてなしの心」を持って行動することが、豊かな人間関係を築くとともに活力ある地
域づくりを進めていく源となります。  
 
  喜び・満足・感動の共有  相互理解・相互信頼など  人間の相互関係の基本  
 
今「もてなしの心」が求められている 
21世紀の今、世界の人々が盛んに行き交う大交流時代に入ると同時に、少子化による人口減少社会を迎えています。そうし
た中、多くの人々が集い、活力に満ちた地域社会を実現していくことは、奈良県にとっても大きな課題となっています。
 奈良県では「もてなしの心」をキーワードに「関西の憩いのオアシス」となることを目指し、企業や団体、県民が手を携
えて住む人はもちろん、訪れる人にとっても、美しさ、温かさ、楽しさが感じられる「もてなしの心」あふれるまちづくり
を進めます。

2010年は奈良飛躍のチャンス 
「もてなしの心」の醸成は、日常の何気ないあいさつ、ちょっとした心遣いなど、人々の意識や行動を変えていくものでも
あり、息の長い取組みとして継続して進めなければなりません。幸い、奈良県では2010年に国家的・国民的イベントとして
「平城遷都1300年」記念事業を実現し、内外から多くの人々を迎えようとしています。奈良県をイメージアップするチャン
スでもあります。この2010年を当面の目標として、「もてなしの心」の醸成に努めます。  

みんなが持っている「もてなしの心」  一人ひとりの思いを行動に

難しいことではなくて、大切なのは、どうしたら相手の人に喜んでいただき、気持ち良く感じていただけるかということ。
例えば、メニューを渡すときにお客様が見やすいように渡したり、お聞きになりたいような周辺の観光情報をお伝えしたり
・・・といった心のサービスもその一つね。 

それから、美しくきれいに掃除をしてお迎えすることもそうだし、ワクワクしたり、ホッとするような雰囲気をつくること
や、快適に過ごせる施設や設備にしておくことも大切だね。  

私たちも少しでも故郷の良さを伝えたいという思いで、観光ガイドをしているけど、来訪者の人が驚いたり、喜んだりされ
る様子を見ると、本当にうれしいよ。
 
そうかぁ、「もてなし」って相手を思いやる気持ちを素直に表現したらいいんだ。「ようこそ」の気持ちを込めて笑顔であ
いさつしたり、快く道を案内してあげたり…。ゴミを捨てないだけでなく、見つけたゴミを拾うのもそういうことよね。
これから、私も「もてなし」を意識して行動してみるわ。  

「もてなしの心」あふれる奈良に   事業者・団体・県民一人ひとりの取り組み  

心癒される美しいまちづくり 
人は「美しさ」に惹かれます。美しい自然や町並みは、来訪者にとっても、地域に暮らす人々にとっても心が癒される場所
です。ゴミや落書きのない、花いっぱいの美しいまちには「もてなしの心」が息づいています。

地域を学び、郷土愛を育てる 
自分の住む地域の自然、歴史、伝統文化に関心を持つことによって、地域に愛着を持ち、誇りに思う心が生まれます。郷土
愛は「もてなしの心」の原点であり、人を温かく迎え、地域の良さを伝えたいという気持ちにつながります。 
 
笑顔のあいさつが心を結ぶ 
あいさつ・声かけからコミュニケーションが始まります。お互いにあいさつを交わすことで、心が通じ合い、人と人とのつ
ながりができていきます。来訪者にとっても、思わず道を教えてもらったり、笑顔のあいさつに出会ったりすれば、忘れら
れない思い出になります。

まちかど案内・軒先のもてなし 
お店などにまち周辺の観光マップが置かれていたり、住民がまちのガイド役をつとめたり、沿道の軒先に一軒一軒季節の花
が飾られていたり、「お茶をどうぞ」や「イスどうぞ」という張り紙が張られていたり・・・。そんな心遣いが温かいまち
をつくります。  

来訪者の多様なニーズに応じたサービスの提供 
旅行スタイルが個人仕様、家族仕様へと変化しています。泊食分離にしたり、町屋・農家民宿を増やしたり、世界遺産めぐ
りなどの周遊コースをつくったりすることで、奈良でくつろぎ、奈良の魅力を味わってもらえます。 

体験型観光のメニューづくり 
農林業体験、地場産業などのものづくり体験、ウォーキング&温泉、郷土料理づくりなど、触れたり、作ったり、楽しんだ
りしながら体感できるメニューがあれば、来訪者の感動はより大きなものとなります。 
 
地域の魅力を伝える観光ボランティア・語り部 
「訪れた地域をもっと知りたい」という来訪者のニーズに応え、地域の見どころや魅力をわかりやすく紹介する人たち。心
のふれあいを大切にしながら、地域のもてなしを高めています。
 
歴史や自然を活かした魅力的なまちづくり 
歴史的な町並みや建造物、伝統文化・伝承、自然環境などの地域の資源と素材を活かしたまちづくり。ふれあいやつながり
により、独自の「もてなし」文化が生まれ、それが地域の魅力となります。  

うまいものづくり、土産物づくり 
地域の食材を活かしたおいしい食べものや、その土地の土産は来訪者にとって大切な思い出となります。奈良特有の「うま
いもの」や奈良らしさを伝える土産物は、奈良の新しい魅力となり、多くの人を惹きつけます。

 商品やサービスに「心」をプラス 
お客様を「思う心」が最も大切です。笑顔でお迎えする、目配り気配りでニーズを読み取る、自分の気持ちを表す言葉を添
えるなど、商品やサービスに「心」をプラスすることによって、お客様の満足や感動が得られ、それが自分の喜びにもなり
ます。  

外国人が一人歩きできる環境づくり 
奈良県には多くの外国人が訪れます。宿泊施設や飲食店、観光地などで、外国語表記の案内板やサインを掲げたり、外国語
のパンフレットやメニューを用意したり・・・。外国人が安心して自由に行動できるような環境を整備することが大切です。

わかりやすい案内標識 
来訪者が安心して楽しくまちを周遊できように、周辺地をわかりやすく説明した案内標識や各種サインを整備したり、観光
スポットの情報を案内する機能を充実することが必要です。  

バリアフリーのまちづくり 
だれでも、いつでも、どこでも安心して行動することができるように、多目的トイレや段差のない出入口と歩道の整備、バ
リアフリーガイドマップの作成など、すべての人にやさしい、思いやりあるまちづくりを進めることが大切です。

 スムーズで快適な交通アクセス 
道路や駐車場の整備、パーク・アンド・ライドシステムなどによる渋滞の解消、電車やバスのスムーズな乗り継ぎなど、観
光地へのアクセスや地域内での移動を便利で快適にすることで、訪問地のイメージも高まります。  

新鮮で多彩な情報で奈良の魅力を紹介 
ITや多様なメディアを活用して個人のニーズに合った情報や地元の方が提供する現地の魅力ある情報を発信することが大
切です。グルメや宿泊情報、開花情報、地域のイベントなど、鮮度の高い情報によって、多くの人が奈良を訪れます。  
 
■問い合せ先■
奈良・もてなしの心推進県民会議事務局
〒630-8501 奈良市登大路町30番地 奈良県生活環境部県民生活課内
TEL 0742-22-1101(内線3324,3318)/0742-27-8713(直通)
FAX 0742(27)6139 
E-mail kenmin@office.pref.nara.lg.jp 
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もてなしの心  (ホスピタリティ)hospitality 2004.01.30
    コラム:ミツエーメディアクリエイティブ 取締役 橋本 敬

友人を自宅に招いてもてなす時の、部屋を掃除したり、和菓子ではなくケーキを買っておいたり、コーヒーではなく紅茶を
用意したり、お皿やカップを選んだり。そういった気配りがウェブサイトでももっと大事にされるべきです。

恥ずかしながら私がホスピタリティ(もてなしの心)という言葉を知ったのは、今から10年くらい前になります。とあるゲ
ームクリエーターの方の制作秘話のようなものを聞く機会があり、その時に彼が熱心に語っていたホスピタリティ(もてな
しの心)という言葉を、自宅に戻って辞書で調べた記憶があります。また、パソコンゲームとしては大ヒットした、その方
の作られたゲームの心憎い演出に、昼夜を問わず熱中した記憶もあります。なるほど、人を楽しませるというのはこういう
ことか、と実感した瞬間でもありました。

それ以来、仕事の中ではホスピタリティについて特によく考えます。デザインはもとより、企画・設計段階から、ユーザビ
リティ、アクセシビリティ、SEOなどウェブサイト構築の際には考慮すべき要素が数多くありますが、それらは全てホスピ
タリティに基づくものであるべきです。しかしながら、そういった考慮すべき要素に注目するあまり、もてなしの心がない、
使いやすそうだけど頭でっかちな、つまらないサイトが増えているように感じます。

近年アプリケーションの進化が進み、サーバーサイド技術も含め、表現方法もいろいろと考えられるようになりました。制
作者としてはどの方法を使ってどうやって見せようか、と嬉しい悩みを抱える状況です。またウェブを用いてのマーケティ
ング手法やビジネスソリューションも次々と現れ、投資対効果に着目し、効果測定が欠かせなくなっています。ウェブ以外
の業界での成功事例を持ち込んだり、既存のメディアでの表現方法を取り入れてみたり、様々なトライアンドエラーが繰り
返されています。

そういった技術や手法を駆使したとしても、企業や制作会社が語る「べき論」ではもはやユーザーをもてなすことは難しい
と感じています。競合比較はもちろん大切な要素ですが、それ以上に自分達はユーザーに対して何を提供できるのか、そし
てそれをどのように提供するのか、がポイントになってきます。一企業担当者、一制作担当者という立場を離れ、ユーザー
が何を欲しているのかを掴み、そこにビジネスとしての訴求ポイントをうまく盛り込んでいく必要があります。このことは
簡単なようで意外と難しく、一ユーザーとしてのこれまでの様々な経験や、希望を反映させていくことが不可欠です。

例えば、RIA(Rich Internet Application)というキーワードがありますが、この言葉は何を意味しているのでしょうか。
ウェブ上で可能な技術や表現力を駆使して(これまでのウェブでは見られなかった)豊かな経験を提供するというのが大き
な捉え方のようです。しかし、これは技術にとどまる話ではなく、企業担当者や制作担当者が、どれだけ豊かな経験をして
きたか、という本質が問われることになります。

単純に「きれい」「かっこいい」「面白い」「便利」そういった直感的な付加価値をまずは提供すること、そしてその付加
価値を次の新たな付加価値につなげること、これが私達のウェブサイトでのおもてなしに対する考えです。たくさんの「べ
き論」を並べ立てることよりも、一つの感動。この考え方は私の所属するチームにも浸透しており、制作の現場は日常の経
験やアイディアを具現化する企画と、それを実現する技術について意見をぶつけ合う毎日です。
そしてそのアイディアや技術についてお客様にプレゼンテーションし、そこでもまた一ユーザー、一個人としてどう展開し
ていこうか、という意見を交換させていただいております。
もちろん理論も大切ですし、私達も様々なデータに基づきコンテンツを組み立てます。

そこに「もてなしの心」というエッセンスを加えることで、ウェブサイトはより輝きを増すのです。
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    ホスピタリティ
  http://www.glova.co.jp/info/policy/hosp/lesson/lesson1.html
とても詳しい解説と指導が掲載されている。
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ホスピタリティの教科書    お客様の感動を生む「まごころ」のおもてなし    著者:林田正光     1,470円    四六判
 
■■本書のもくじ■■

はじめに

1 最高のおもてなしを実現するために

  「賢いお客様」
  「気くばり」と「心くばり」
  マニュアルが最高のサービスの「壁」になる
  真のホスピタリティを確立する
  心を込めてこそのホスピタリティ
  満たすべきはお客様の「二次目標」
  サービスに「心」がプラスされれば「ブランド」になる
  お客様に「ノー」と言う前に考えるべきこと
  ハードのサービスには賞味期限がある
  大切なのは「理念」
  従業員に与えるべき「責任」と「権限」
  失敗とは「機会」

2 スタッフへのホスピタリティ

  「自分の周りは全員お客様」の意識が、すべてを変える
  「従業員満足」は「顧客満足」の大前提
  「従業員満足」が仕事の質を高める
  従業員教育の根幹は「経営理念」
  「感性」プラス「コミュニケーション能力」が「売上」に
  仕事への誇りがサービスのレベルアップにつながる
  従業員のモチベーションを高めるには
  サービス業にこそ必要なチームワーク
  「個人プレー」ではお客様に感動を与えられない
  従業員同士の会話が敬語であるべき理由

3 ホスピタリティを実践する

  「お客様のために」という視点を持ち続ける
  お客様を適切に見分ける方法
  まずは三回お店に来てもらう
  ファンやリピーターを「ロイヤルカスタマー」へ
  よいお客様はよいお客様を連れてくる
  新しいお客様への配慮も欠かさずに
  お客様を喜ばせるパーソナルなサービス
  「ニーズの先読み」でお客様にプラスアルファを提供する
  「おまけ」は宣伝せず予期せぬタイミングで
  フォローサービスで「余韻」を引き延ばす
  「そこまでやるのか」で初めて「感動」が生まれる
  感動のサービスが続けばやがて伝説になる
  お客様は一秒で見抜く
  お客様の「わがまま」をいかに引き出すか
  お客様には「媚びず」に「大切に」接する
  長続きするお客様のタイプ
  ビジネスの基本は「地元」にある
  会話、接客で守らなければならないこと
  小さなものを惜しむと大きなものを失う
  思い込みによる間違ったサービス
  生涯にわたるお客様とは

4 仕事で大切にしたいこと

  お客様を愛しお客様の立場になって考えるには
  もらい上手はおもてなし上手
  名刺からつながっていくご縁
  「マメ」を徹底すれば成功が訪れる
  本当の「お客様第一主義」を実践する
  「感性」を磨く自己投資と想像力
  笑顔とアイコンタクトで心温まる雰囲気を
  最上級のサービスは「明るく楽しい仕事」から
  お客様の喜びが自分の喜びになる

おわりに
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もてなしの心 = hospitality(ホスピタリティ)
【現代用語の基礎知識】 ホスピタリティー[マーケティング]

暖かくもてなす心、歓待の精神。hospital(病院、慈善施設)からの派生語であるが、源流は後期ラテン語「hospitalia
(主人が客を接待する場所=来客用の大きな家)」に由来する。

消費者は提供されるサービス商品を、細かな要素の集合としてではなく、まとまりのある一体のものとして評価する。例え
ばホテルならば接客、食事、パブリックスペースの快適さなどをひとつのまとまりとして滞在したホテルの評価を下す。し
たがって、企業はすみずみにまで配慮の行き届いたもてなしで顧客に応対する必要がある。

【ランダムハウス英和大辞典】 hos・pi・tal・i・ty [hspt?lti|hs-]n. (pl. -ties)

1 (1)(客や他人の,報酬を求めない)厚遇,歓待,心のこもったサービス.
   ◆観光・ホテル業界で宣伝に多用される:【用例】
     kind [lavish] hospitality|親切な[気前のよい]もてなし
     give hospitality to a person|人を手厚くもてなす
     partake of [=enjoy] His [or Her] Majesty's hospitality|((英)) ((こっけい)) 刑務所に入る
     Afford me the hospitality of your columns.|貴紙にご掲載願います((寄稿家の依頼の言葉))
     Many thanks for the hospitality you showed me.|ご歓待にあずかり,ありがとうございました
     I was impressed by Japanese hospitality.|日本人の手厚いもてなしぶりに感動した.
  (2)温かく親切にもてなす心,歓待の精神:【用例】
     She was hospitality itself.|彼女は歓待を尽くしてくれた.
2 (新しい考え方などの)受容力,進んで摂取すること((to ...)):【用例】
     extend a wide hospitality to Western thought|西欧の考え方を広く取り入れる.
 ━━ adj. (特にホテル・テレビスタジオ内で)〈部屋などが〉歓待用の,もてなし用の:【用例】
     a hospitality room|歓迎室.