正月恒例! 紅白&年末番組批評
あけましておめでとうございます。本年も当研究所は馬の歩みには程遠く、のろのろの更新となりますが、新型PCとともに、皆々様のご愛顧をたまわりますよう、お願い申し上げます。
さて、本年も昨年に引き続き、紅白歌合戦その他についての批評を筆初めとしたいと存じます。今回の第52回紅白は、結果として視聴率は昨年よりわずかに回復したものの、50%を二年連続で割り込む結果となりました。
今回の紅白については、「目玉がない」という評価が大勢でありますが、にもかかわらずなんとか年間視聴率一位の座を守れたのには、裏番組が弱かった結果として、目玉がない反面、「安心して見られる」紅白に意外と視聴者流れた部分は多かったのではないだろうかと思います。
なぜ他局は弱かったのか、その理由のひとつは紅白側に多くのお笑い芸人がとられてしまったということがありそうです。今回は「RE:JAPAN」が出場したことにより、ダウンタウン、ロンドンブーツ、ココリコなどはもちろん、「ザ・ドリフターズ」はいうに及ばず。応援団としてキャイーン、爆笑問題、はては氷川きよしの応援としてビートたけしまで出てきたことにより、他局でピンを張れるタレントがいなくなったということが大きい要素です。その結果健闘したのはTBSのスポーツ系エンターテイメント「猪木vsK-1」というオチになってしまいました。
紅白の内容においては、MVPは「ザ・ドリフターズ」でOKでしょう。歌のみならずMCなどすべてにおいて紅白をリードしていったことは、最高殊勲間違いなしです。さすがはかつての「全員集合」を生放送で、オチまですべてが緊密な台本によって構成されていた番組の経験者、あれほどの予定調和の台本を自然にこなし、狂ったとき(少年少女合唱隊での順番の間違い)的確にフォローして戻していったいかりや長さん、お見事でした!ほかのお笑いとの格の違いを見せましたね。しかしながら、「全員集合」ネタといい、ミニモ二・ハム太郎といい他局のふんどしで相撲とりすぎじゃないかとの気もしないではないですが・・・。
また、司会者は阿部・有働両アナウンサーということで話題になりましたが、変に奇をてらわない堅実な司会ぶりでよかったのではないでしょうか、ただ、有働アナが英語の曲題名を紹介するときの発音は鼻につきました。「えヴぃいとーしんぐでふらぜぃーる」はちょっとヒドスギだったな。泣き虫阿部アナウンサーは逆に好感持てたけどなあ。
他の出演者で目立ったのは、やはりつんくファミリーでしょう。モー娘。、松浦亜弥、そして誰も忘れているが、えなりかずきもつんくファミリーだったのです。レコ大を蹴って紅白を選んだだけあって、MCやショウを通じて出ずっぱりでドリフに負けないくらいでしたね。お寒いギャグの中でキャイーンの「ウド由美子」には不覚にも笑ってしまいました。
安室の歌詞間違いはある意味象徴的に感じてしまいました。98年紅白での復帰のとき涙で飾り、その後で北島三郎が歌詞間違えたのと対照的過ぎるからなのです。ちょっと女王浜崎あゆみと交代かなという気さえしてしまいましたね。あるいは紅白に出たくなかったのか。
紅白をまとめるなら、地味といえば地味だがいつになく堅実な紅白だったといえるのではないだろうか。ただ稲垣メンバー事件がなければドリフは出てないわけで、それを考えるとゾッとする紅白でもあったということでしょう。
それ以外の年末・年始番組で目立ったのは、「なつかしの・・・」シリーズが例年よりも多かったことでしょう。日本全体が過去への回顧モードに突入しているとも受け取れるが、80年代から90年代前半の「バブリー文化」を異世代間で共有・継承していくというところにあえて筆者は意義を見つけたいと思います。特に12月30日放送のTBS『ザ・ベストテン2001』は個人的に堪能しました。特に浅香唯と南野陽子が生で歌ったこと、あれをみるとタイムスリップした感じがしましたですね。企画面では、ベストテンが終了した89年以降に活躍したアーチストを取り上げた視点は面白かった。ただ、それがモ娘。とドリカムとゴスペラーズだけってのはちょっと不満。できれば90年代だけのベストテン風番組も見たいですね。
そして黒柳徹子の司会ぶりが古き良き時代の分別ありテレビという感じでそれでいて偽善的でないというバランスはなかなか今の番組では見られない。かつて雑誌で読んだことがありますが、ベストテンではどんなに若いアーティストが来ても、お客様だからきちんと敬語で接しようと約束していたという。これは現在の歌番組がゲストを罵倒したり殴ったりするのと対極といえるでしょう。こういう番組をこういう時代だからこそ、単なる懐古趣味ではなく、時代を考える端緒と考える。これも社会学的思考かななどと濁り酒を飲みつつ考えた2002年正月でした。