松浦亜弥と「アイドル歌手」
松浦亜弥の新曲「桃色片思い」が好調である。この曲をCMで始めて聴いたとき、「とうとうやったか」と思った。というのも、これは往年のアイドル歌謡そのものに感じたからだ。想像してみてほしい。例えば年末の復刻版が高視聴率だったザ・ベストテン。そこに松浦亜弥が出てきたとして…違和感ないのでは?黒柳徹子が「まあー!まあ!松浦さん、こんばんわーまあーきょうはまた素敵なお洋服で、かわいらしいー。どうもー黒柳でございます、よーこそーベストテンへ・・・(この間5秒の早口)」などというのが目に浮かぶようだ。ベストテンに似合うのは「アイドル」は「アイドル」でも「アイドル歌手」なのである。したがって、松浦亜弥は途絶えて久しいアイドル歌手復活の旗手なのである。
アイドルの歴史のサイクルは、90年代前半の「冬の時代」以降、94年の菅野美穂・酒井美紀(女優系)・雛形あきこ(グラビア系)の登場を契機に、いわゆる歌手活動以外の分野からの復活があり、現在に至ってきた。90年代後半はグラビアアイドルの時代と呼んでも決して過言ではない。その状況の中で、2001年デビューの松浦が歌手活動中心でこれだけの支持を集められたということは特筆に価する。「Love涙色」で紅白出場した余勢を駆ってのこの曲は、プロデューサーつんくの「アイドル歌手」復権への意思表明とも思える。もともとアイドル好きのつんくだけに今後を注目していきたい。