10、 内装工事(和室の間) NO−5
(1)荒床の工事
2003/8月16日〜8月20日
下屋の工事も、荒床まで終りいよいよ最後の和室2部屋の床工事にとりかかります。
和室は畳の部屋にするため、畳を決めなくてはいけません。畳の大きさは、京間と江戸までは
大きさが違います。それは、いろいろな書物に載っているので、勉強できますが、畳の厚さはあまり
書物にはのっていませんでした。JAS規定では、5.5センチとありましたが、畳屋に聞いたときは、
6センチと言っていました。いろいろ、パンフッレと等からも調べましたら、関東は6センチが多いようでした。
畳もいいものから、合板等で作ってある安物まであり、檜の床(檜をけずりそれを、糸で固定した、健康に
やさしい畳)の畳は、一畳床だけで、35,000円しました。とても手が出ません。
とりあえず、畳の床の厚さを6センチとして、荒床を張ることとしました。これは、床のレベルだけが違う
だけで、板の間と工法はまったく同じです。(板の間は床材を3センチとしました)
下に、調整炭を敷き、根太、断熱材、荒床、畳となります。土台のレベルがまちまちなため、根太の
レベル合わせに手間がかかりました。また、床の間のある部屋の、床柱が4寸になっていたので、これを
5寸の檜にかえます。工事の遣り直しです。やり直しは、手間が倍以上かかります。でも、やはり
納得のいく工事をしたいので、あせらず、手直しをしていきます。
和室8畳、ここに荒床をはり、畳を敷きます。
根太をはり、下に調整炭をしきました。
断熱材の受けを打ち、上に断熱材をしきます。
荒床を施工して、完了。あとは、畳だけ
床の間のある和室、9月に工事します。
いよいよ、床の間のある和室の工事です。
まず、壁の下地をラスボードで、作りました。先輩の藤武さんが今月は手伝
いにきてくれましので、お願いしました。74歳にはとてもみえません。
脚立に乗り、釘を打ってくれました。
この後、床の間の柱を替えました。4寸の柱になっていましたが、5寸の檜が
一本あまっていたので、これに替えました。土台に切り込みを入れ、4寸の
柱を撤去し、そこに5寸の柱を差し込みました。
いよいよ、床の工事です。
手順は囲炉裏の部屋と同じに、
垂木を作り、下に調整炭をひき、断熱材を入れ、荒床を張ります。畳の高さを
2寸とし、レベルをとります。これで、一部除いてすべて、荒床を張り終わりました。
後は、床を張るところは床を張り、畳を入れるところは畳を入れれば完了です。
ただ、床の間の和室は、床の間を作ったり、押入れを作ったり、いろいろ細工を
しなければなりません。これは、この後の作業になります。たぶん、今年の終り頃に
らるでしょう。
藤武さんが、ラスボードを張ってくれました。
とても元気です。私もこの歳までやれればなあ・・・
床の間の柱を5寸に変更します。
かんなを、かけています。
5寸の柱に替えました。
やっぱり、迫力が違います。
垂木を施工しました。レベルをとるのに
一苦労しました。
断熱材も入りました。
荒床を張りました。右に床の間を作ります。
左は2寸上に4寸の押入れを作ります。
下は、畳のレベルで、床を張ります。
押入れの下に作る板張り用の板。
解体した蔵の床板を清掃して使います。
(2)欄間の工事
2004/3月19日〜21日
和室は2部屋あります。当初は部屋と部屋と仕切りは、欄間をつけず壁にするつもりでおりましたが、
奥の部屋が暗くなるので欄間で仕切ることとしました。古材センター等で古材の欄間を探しましたが、
寸法に合う物が見つかりませんでした。塩山でセルフビルドで古民家を再生している、オランダ人の
ハルダムさんが解体した古民家から煤竹がいっぱい出てきましたので、お手伝いに行ったとき、わけて
もらいました。初めは床の間で使う予定でしたが、これを欄間で使うことにしました。丸い煤竹を
工事の終わった四角い柱にどのようにして納めるか悩みましたが、枠に納めて止める方法を思いつき
板に穴とあけ、そこに煤竹を入れ、その板を柱に打ちつけました。とてもすばらしい欄間が出来ました。
木枠を作り、そこに煤竹をはめ込みました。
その木枠を柱に打ち付けます。
うまく収まりました。
りっぱな欄間になりました。
(3)押入れ・床の間の工事
2004/5月22日〜工事中
押入れと床の間の工事をはじめました。押入れは、2尺上げて
作ります。2尺下は床にして小物を飾るようにします。押入れ・床も間のある和室は2間×1間4尺5寸
と変形です。(2間×1間3尺は、4畳半です。)約5畳の和室です。押入れの下を畳と平行に板を貼ると
若干でも和室が広く見えます。また、そこに小物を飾ったり、小さな花を置いたりします。
これは、2年前に大治さんがはじめてボランティアでお手伝いに来てくれたときの発案で、工事のときは
かならず来ると約束していましたが、2年後にやっと工事をすることになりました。
敷居・鴨居をいれ、布団を入れる天井兼床を張り終わったところで、押入れの中に棚を作ろうと、
またまた、新たな発想が大治さんから出てきました。押入れは、床から2尺上げて敷居をいれ、そこに
天井兼床をはり、4尺上げて鴨居を入れました。結局畳からは、高さ6尺の押入れになります。5尺から
上は高すぎて布団等を入れることはむりではないか、ということから棚をつくり普段あまり使わない
シーツ・毛布・まくら等を格納したらという発想です。図面もなく発想が出たらすぐやるのがわが社の
とりえです。即工事にかかりました。
7月は前半1日と後半2日来てくれまして、これらを含めて3日で完成しました。やはり2人の力は
一人でやるより3倍ははかどります。ありがとうございました。
また、床の間も栗板で床を一段高くはり、押入れの鴨居と同じレベルで4寸の角材を横に入れました。
これは失敗です。床柱を5寸にしましたが、横の角材は余った4寸をつかいました。余っているから
もったいない、これでいいやと・・・・・・やはりバランスがとれません。5寸の檜3尺を購入しやり直します。
5寸の角材は重く、一人では上部にはめ込むことはつらいです。
左7尺が押入れ。柱の2尺上から押入れに
なります。右3尺は床も間。
畳と平行に板を貼りました。
板は大月から持ってきた厚さ1寸のケヤキ。
敷居の受けを切り込みました。
そこに、敷居をはめ込みました。
敷居の反対側に天井兼床の受けのなる
化粧垂木を受ける厚い板をはりました。
ダボ穴をあけビスで止め、ダボ栓でかくします。
天井兼床板を柿渋と弁柄で塗装中。
押入れの完成です。
新たな発想で押入れの中に棚を作りました。
これはなかなか、便利そうです。
床の間の床受けの垂木。この上に床を張ります。
押入れ・床の間の完成です。床の間の上の
角材は4寸、やはり柱とのバランスが悪いです。
5寸の角材でやり直します。
5寸の材木に取り替えました。
やはりバランスがいいです。
いい床の間ができました。
(2004年12月1日記載)
床も間・押入れの漆喰、京壁塗りも終りました。これで内壁は全て完了です。
いろいろ、建具類の設置です。建具は大月から全てもってきましたが、同じ場所に
使いませんので、その都度合わせなくてはいけません。まず、押入れの板戸を造ります。
押入れは一段高くしたために、建具は4尺7寸になります。6尺の板戸を切って合わせます。
敷居部分をはずし1尺3寸上げます。立て材と横材の組み込みは、ホゾでつないでいます。
ホゾ穴を2寸彫ってはめ込みます。なかなか難しい細工です。ドリルで穴をあけ細いノミで
細工をしました。虫に食べられ穴があき、腐食しているところもあります。ここは、ボンドで
塞ぎました。表面の板は汚れ、きずがあります。ここは、塗料を(漆調古色仕上げオイルフュニシュ)
塗りきれいにしました。
左側は改良前、1尺3寸大きいです。
下部を切り込み小さくします。
電気のこぎりで切り落とします。
縦の枠にホゾ穴をほって横材を差し込みました。
ホゾ穴を彫るのがたいへんでした。
上部は虫で腐食していました。
板はきずで汚れています。
ここはオイルフュニシュで仕上げます。
うまく入りました。和室の雰囲気がでて
だんだんよくなってきました。押入れの完成です。
(4)畳の搬入
(2005年8月1日記載)
いままでは、以前東京から持ってきた畳を仮に敷いていましたが、和室の内装もほとんど完了したので
いよいよ畳を入れることにしました。建材屋に近くの畳屋を紹介してもらい来て貰いました。
現場を見てもらい当初入れる予定の「琉球畳」で検討しましたが、値段が1枚24000円であったこと、(琉球畳は畳床も上から若干斜めにカットし、イグサを無理に曲げ下から縫っていきそうです。)
いまある床を利用すると細工にお金がかかること、また、以前作ったことがあるが5年後に注文者があきたのでへりつきのに変更してくれということもあった。(初めはいいが飽きる)古民家の障子の枠が黒なので
黒いへりで仕上げると良い感じになる、等の話を聞いて、最終的には今ある古い畳を再利用して黒いへりで
造ることにしました。(後日飛騨高山の陣屋屋敷に行ったときボランティアの説明者が陣屋屋敷の畳の
へりのついてこんな説明をしてました。陣屋屋敷には3種類の畳へりがあります。模様のあるもの・黒いへりのあるもの・へりのないものです。模様のあるへりの部屋は、江戸から来た武士=上流官僚が利用する部屋です。黒いへりのある部屋は、地方武士=地方官僚が利用する部屋、へりのない部屋は武士以外の人=名主・組頭等平民が利用する部屋と分かれています。今は、畳のへりによる部屋の価値・値段は逆転しています。)畳のへりは、黒としましたが、これにもピンからキリまであるそうです。普通のへりは、ナイロン等の
化学繊維で出来ていますが、良いものは綿で出来ています。これは時がたっても色あせしない・ナイロン制はへりを歩くとキュ・キュと音がしますが、綿は音がしないそうです。畳屋が問屋に行って古民家で畳を
入れると話し、進められたへりを購入したところ、後で来た請求書がナイロン制の5倍したとびっくりしたそうです。
古い畳10枚は表替え、足りない分は新しい畳とすることで発注しました。床の間のある部屋は、4畳半+
一尺×1間3尺の変形です。この+分を床にするか畳にするか迷いましたが、変形の畳を敷くことにしました。
7月31日午後畳が入りました。一番心配したのが荒床の高さです。荒床は畳の厚さ2寸(6センチ)として張りましたが、全て均等になっているか?ここが心配でした。新しい畳は全てうまく納まりました。
古い畳は、とこが柔らかくなっていること、以前使用していたときの部屋がいろいろあったことから、
畳の厚さが若干違うこと、などで畳の下に調整用のござを切ったものを入れ、高さを調整し納めていました。うまく納まりホットしました。
畳が入った丁度その後、「民家の学校」の2期生の内山さんご夫妻・ハルダムさんご夫妻が見学にきました。初めてのお客さまです。良い雰囲気のでおむかいすることができました。また、内山さんが「抹茶」と
お菓子を持参してくれましたので、早速「畳開き」?のお茶会を開いて祝ってくれました。これからは
こんな遊びの出来るのかと嬉しくなりました。
畳を入れてます。ここは新しい畳です。。
うまく納まりました。
変形の4畳半。
奥の畳が一尺×1間3尺の畳です。
南側外から見たところです。
手前が10畳・奥が変形の4畳半。
床の間から見た10畳
手前の床は後で漆で塗装します。
なかなかいい雰囲気でしょう。
古民家らしくなってきました。
新しい畳の部屋で早速内山さんがお茶をたててくれました。
ここで飲むお茶は格別でした。
羊羹切っているかみさんとハルダムさんご夫妻。
お盆はここで「民家の学校」OBワークショップの
宴会になるでしょう。
畳にかかった費用
新畳 4畳 @12000円 48000円
新畳 半畳 @10000円 10000円
変形畳 1.5 12750円
表替え 10畳 @ 7500円 75000円
消費税 7287円
合計 153,037円