今治地域トップミーティング

平成12年10月31日 愛媛新聞より抜粋

上島3町村「生活圏は因島市」

越県合併の可能性示唆

市町村合併問題などについて加戸守行県知事が市町、長から意見を聞く今治地方局管内の「えひめトップミーティング」が三十日、
今治市旭町二丁目の今治国際ホテルであり、出席した六首長は温度差を見せながらも「合併は避けて通れない」との認識を示した。
一方、生活圏が広島県因島市となっている上島地域からは、広島県側との越県合併の可能性を示唆する声も上がり、加戸知事は「県境越えをタブー視しているわけではない。必要があれば広島県知事とも討議したい」との考えを表明した。 県の試案で、今治、越智郡地域は「今治市、越智郡十五町村が一つになる」例と、「今治市周辺地域」 「瀬戸内しまなみ海道でつながる二島五町」 「上島地域四町村の三園域に分ける二パーンを示している。上島地域のうち、因島市のつながりが深い弓削、生名、岩城の三町村長から 「合併しても上島架橋が前提でなければ効果はない」 「買い物、病院、仕事など生活の大半を因島市に依存しており、広島県側との合併を希望する住民の方が多いようだ」との意見が出た。加戸知事は「合併するかどうかは架橋にも密接に関連している。もし合併するならほかの道路よりも架橋を優先したい」との考えを述べた。上島地域で架橋の見通しがない魚島村の佐伯真登村長は「合併してもしなくても地獄。島民と真剣に生きる道を考えていきたい」と苦悩の表情を見せた。 しまなみ海道が通る三島五町からは県の二試案を含め多様な合併組み合わせが示された。五町が合併した場合の海道の通行料金について加戸知事は「合併すれば、県としても住民への支援措置を講ずる用意がある」と説明した。 今治市、越智郡陸地部、関前村は「真剣に協議していきたい」と三圏域の中で最も前向きな意見が多かった。ただ、関前村は広島県の大崎下島、豊島と陸続きになっており、ごみやし尿処理などの広域連携を実施しているため、池田深村長は「昔から今治市との関係が深いが、越県合併の可能性も視野に入れて住民、議会と検討していきたい」と語った。 五地方局ごとに開かれた「えひめトップミーティング」は今治地方局で終了。県は年内に市町村合併推進要綱を策定する。

平成12年10月31日   読売新聞より抜粋
今治地方局16首長会合 
生活圏の問題指摘

島しょ部から懸念の声

県政の重要課題について話し合う「えひめトップミーティング」が三十日、今治市旭町二の今治国際ホテルで開かれ、県が示した県内七十市町村を十三〜十五に合併する試案について、今治地方局管内の十六市町村長が意見を交わした。「合併は避けて通れない」とする意見で一致したが、島しょ部からは「生活圏は広島県に近い」 「架橋が実現しないと合併のメリットはない」など、地理的な問題から合併を懸念する声も上がった。 今治市、越智郡地域は県の合併試案で、唯一、複数のパターンが示されており、十六市町村を一くくりとするか▽今治市、越智郡陸地部(朝倉村、玉川、波方、大西、菊間各町)、関前村▽しまなみ海道で結ばれる大三鳥、上浦、伯方、宮窪、吉海町の三島五町▽弓削町、魚鳥、生名、岩城村の上島諸島−の三自治体に分けるかの二通り。 全市町村長とも「時代の流れで合併は必要」の認識を示したが、どことの合併を望むかにはばらつきを見せた。小野功・上浦町長は「出来ることなら一島一町の合併であってほしいが、人口の規模の問題もあるので、三島五町でのまちづくりを目指したい」とした。 上島諸島からは、合併には架橋が不可欠であるとする意見が強く、木下良一・弓削町長は「住民から今治市との大合併に賛同する声は聞かない。架橋が前提でないと効果はないのではないか。広島県との合併を望む声も強く、研究をしていたい」と述べ、田尾紀・生名村長は「住民の七−八割は因島に通勤しており、生活圏、経済圏とも広島に依存している」と合併への課題の大きさを示唆した。 また、架橋の見通しもない佐伯真登・魚島村長は「合併は必要であるが、行政サービスが低下しないか、島を捨てていく住民が増えないかなどの不安材料があり、地域が生きていく道を考えていきたい」と深刻な状況を説明していた。 トップミーティングは今回ですべて終了し、県は論議を基に、年内に要綱を策定することにしている。
トップページに戻る