★第九章〜沖縄密航劇!?〜★

【1】
 八十八ヶ所巡りを終え、徳島に戻り、福島県で一緒になった人(申し訳ない。ノートをなくして名前がわからない...。誰か教えて!)と、その友人(共に日本一周を終えている)と3人で酒を飲み、旅の話に花を咲かす。
【2】
 二人と別れ九州に渡る旅費を浮かせるため、徳島から愛媛県三崎町までひたすら走り四国を横断する。300円で国道九四フェリー通行券を購入し、佐賀関町にわたる。
【3】
 海岸線を南下する。都井岬で他のサイクラーと一緒になり、岬の先端でテントを張って泊まる。
【4】
 この写真を撮り終えると、「晩飯はカレーにしよう」として買ってきたジャガイモを、岬馬の繁殖地で馬に奪われてしまった。
 思わず「あ〜、俺の晩飯が〜」(T_T)
【5】
 佐多岬の入り口にて、どこかの玄関に近くで一緒になった人と泊まる。
【6】
 佐多岬へのロードパークは、私有地のため自転車乗り入れ禁止となっている。翌朝2人でボール紙に「乗せて!」と書いてヒッチハイクをし、岬の先端まで行って来た。
【7】
 横浜を出発前に桜島ユースホステルに、沖縄の離島を歩くつもりでリュックと米を送っておいた。ユースに向かう途中、桜島が噴火している...。鹿子島の人は噴火になれているようで平然としていた。冗談じゃない、俺は北海道の有珠山で懲りている。このまま沖縄に向かう事にした。3月13日付の桜島フェリーの乗船券がアルバムに残っているが、現在のロードマップには桜島フェリーは載っていない。
やっと沖縄だ〜!!!
四国では雪、九州では桜島の噴火と散々な目にあってきた。
「とにかく沖縄に行こう!!!」
頭の中では、それしか考えられなかった。
【8】1978年3月15日、国際通りで出会ったサイクラーと。
 78年3月14日のことと思う。沖縄に渡るためには、自転車を含め11,000円くらいだと記憶している。その旅費を浮かせるために、沖縄への密航を企てる。朝早くに桜島ユースホステルでご飯を炊き、弁当を作り、鹿子島のフェリー乗り場に行く。鹿児島県外ナンバーでフェリー乗り場に来るトラックは、沖縄に向かうだろうと考え、県外ナンバーのトラックを待つ。
 東京ナンバーのトラックが来た。「すみませ〜ん。沖縄に行くんでしたら、自転車を乗っけてくれませんか〜。ついでに本人も隠れて行きたいんですけど〜?」「イイよ、金がないのか」なんと1台目のアタックで、密航の商談を成立させてしまった。自転車をトラックのに台に乗せ、自分は運転席の後の簡易ベッドに20数時間隠れ、まんまと沖縄までの密航を成功させた。
 夜中には沖縄那覇港に到着した。夜道を自転車で走って公民館らしき建物の玄関に泊まると、そこは幼稚園だった。寝坊をしてしまい、子供の声で目が覚めた。