貝集めとは(ビギナーズ・ガイド)

世に多くの収集趣味があります。切手、コイン、蝶、昆虫、テレカ、ポスター等々。種類が多く、かつ容易に手に入らないものがあれば収集の対象になります。逆を言えば種類が多くてもすべて簡単に手にはいれば収集の対象になりません。収集趣味は人間の物欲、独占欲のたまものでしょう。

収集趣味はその人の資産レベルに応じて集める対象が異なります。資産家であれば絵画や骨とう品を集めるでしょうし、子供達は切手や使用済みテレカを集めるでしょう。分不相応なものを集めると財産を失うことになります。一般に収集の裏にはどこかに「将来値上がりしたら一角千金」というたくらみがあるわけですが、貝収集家の場合はあまりそういうことはないようです。たくさん集まれば博物館に寄付する場合が多い。実より名ですね。私も将来地元の博物館で「特別展:遠州灘の打ち上げ貝」を開くことを夢見ています。

金銭的な点では、貝殻集めはどちらかと言えば中庸な趣味で、経済的な選択範囲は広い。つまり、ほとんどお金をかけないで集める(海岸で採集する)ことも出来れば、稀少品種を買い求めて散財することも出来ます。私の場合はこの両者を適度にやっています。学術的な研究と言うよりはむしろ美しい貝集めでこの趣味を始めた訳ですから、採集だけでは手に入らない彩色豊かな貝(南方に多い)は購入しています。


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では地球上にどれくらいの数の貝があるのでしょうか。一般には全世界で108,000種、このうち日本で採れるのは7000種と言われています。新種はそれほど多くは発見されないでしょうから、この総数は切手やコインのように増えていきません。つまり「求めるものは有限」です。

貝を購入する場合、安いものは100円以下で、高いものでもせいぜい数万円です。(時には珍品で数10万円というのもありますがまれです。)あらかたの貝は1000円以下で手に入るでしょう。貝は陸上生物と違って海の底に棲んでいますので通常は我々の目に触れることはありません。深海となれば採集手段も非常に限られており一般の人の手に届くものではありません。ということは乱獲によって採り尽くされる、という心配は蝶や昆虫に比べれば少ないと言えます。また1000m以上の深海はまだまだなぞが多く今後も多くの新種が発見されることでしょう。

貝の価格は、たくさん採れるかどうかで決まります。一般的には、おおざっぱに5ランクに分けられます。

稀少種であっても状態が悪いと(欠けていたり、傷があったり、など)価格は安くなります。私は出来るだけたくさんの種類を集めたいのと、投機的目的で貝を集めている訳ではないので、こういうものを探して買っています。
 

貝の種類と分類 (Classification)

んな形の貝があります。また貝殻を持っていない貝?もあります。分類学上は7種類(綱〜classという)に分けられています。

  1. 無板鋼 (Class Aplacophora)
      殻なしの細い軟体動物です。ウミヒモ類がありますが、私は見たことがありません。

  2. 多板鋼 (Class Polyplacophora)
      背中に8枚の殻があります。磯の岩にへばりついています。

  3. 単板鋼 (Class Monoplacophora)
      笠型の貝ですが原始的な構造を持ち、近年深海で発見された新しい種類です。

  4. 腹足鋼 (Class Gastropoda)
      いわゆる巻貝です。デンデンムシなど。

  5. 掘足鋼 (Class Scaphopoda)
      ツノ貝類です。

  6. 斧足鋼 (Class Pelecypoda)
      いわゆる二枚貝です。あさり、はまぐりなど

  7. 頭足(Class Cephalopoda)
      いわゆるイカ類です。体の中に殻があります。タコ類も。これは殻なし。



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貝を洗う (Wash your shells)

採集した貝はいろいろな面でよごれています。ここでは特に海岸に打ち上げられて半ば腐敗して異臭を放つ貝をいかにきれいに洗うかを説明します。

  1. マイルドな洗い方
     粉末タイプのハイターを使います。1リットル当たり50g位を使用。こちらはカルキ臭もなく洗剤成分も含まれているので気軽に洗えます。殻皮は溶けません。こちらも一昼夜浸けてあとは水洗い。貝の中の汚れは歯ブラシなどで。また砂などはよく振り出す。

  2. 最後の手段
     どうしても異臭が取れない巻貝は最後の手段。無水アルコールを殻口に注ぎ込み数日置いて脱水します。その後よく乾かして、ナフタリンのかけらを入れて脱脂綿を詰め込みます。詰め込んでも臭いが漏れる時は詰めかたが足りません。もっとたくさんギュウギュウと詰めます。あとは2重にチャック付きポリ袋に入れて標本完成!

  3. 強力な洗い方
     マイルドな洗い方では汚れが落ちない場合、キッチンハイターを使います。濃度は原液〜3倍希釈の範囲で。汚れの程度により調節します。ひどく汚れた貝、中身がちょっと残って臭い貝、表面の殻皮を取り除きたい貝、などに適用します。一昼夜浸ければほぼきれいになりますが、頑固な場合は何日も。カルキ臭が強いので取り出した後は臭いがなくなるまで十分に水洗いします。特に腐臭貝は強く振って中身を出します。どんなに水洗いしてもカルキ臭や腐臭がとれない時は奥の方に中身が残っている証拠。この場合は「3.最後の手段」へ。残っている汚れは歯ブラシなどで擦り落として下さい。

    (注意)エゾバイ類、イモガイ類など表面の殻皮を保存したいものは入れてはならない。また膠質の蓋も溶かしてしまうので、取り除いてから入れること。また殻口内が真珠光沢のあるものは長期間浸けてはならない。曇ってしまうから。変色の恐れもあります。

  4. 最後の最後の手段
     トイレの洗浄剤サンポール(塩酸)に浸ける方法があります。これは強力ですが、汚れとともに貝本体まで溶かしてしまい、私はこれに何度も失敗しているので(^_^;)標本貝にはお勧めしません。