食べること大好き その1
うま味調味料について思うこと
1.はじめに
 この前、久々に小金井のプーさんに行った。やっぱりうま味調味料の入っていない料理はいいと思った。何となく、うま味調味料に関して書いてみようかと思った。


2.うま味調味料ってなに?

 うま味調味料。商品名で有名なのは、「味の素」。味の素KKのホームページには、うまみ調味料に関するたくさんの情報が載っています。特に、「味の素企業情報」→「もっともっと味の素」→「なるほどうまみ調味料」のページには、うまみ調味料の事が詳しく載っていますので一度ご覧下さい。

 グルタミン酸が日本人の手で発見されて90年あまり。日本の食文化には欠かせない調味料がうまみ調味料。
 甘味、辛味、塩味、酸味、苦味の5つで五味とよばれ、あじの基本となっています。
 今では、これに「うま味」を加えて、六味と呼ばれることも多い。それほど重要な要素となっています。

 うま味の成分は、昆布、チーズ、醤油、一番茶などと含まれるグルタミン酸、煮干しや鰹節に含まれるイノシン酸、干し椎茸、松茸などに含まれるクアニル酸が代表格で、味の素はグルタミン酸を主成分としています。

 天然の食材に含まれるうま味の成分を抽出して、調味料としたのが、うま味調味料と言うことになります。
 現在は、天然の食材を原料として発酵法と言う方法で作られているそうです。化学合成しているのかと思っていましたが、違うようです。


3.ちょっと実験

 うま味調味料の大切さについては、味の素のHPに譲って、ここでちょっと実験。
 味の素を代表とするうま味調味料がお手元にあったら、一度下記の様な事をお試し下さい。

 1)乾いた指先に着く程度のうま味調味料を舌の上に置いて、ゆっくり溶かす。
 2)味が消えたら、1)を繰り返す。

 2〜3分程度、これをやってみてください。その後、数分ボッとする。
 舌の感覚どうなるか?しびれた様な感覚があると思います。
 本当のところはわかりませんが、味覚が麻痺した結果なのではないかと思っています。

 この実験はかなり無茶なものです。料理に含まれるうま味調味料の比率に比べたら、かなり大量のものを直接舌に塗りつけている訳ですから。

 でも、この感覚。どこかで味わったことありませんか?インスタントラーメンとか、美味しいとは思わなかったらーめん屋とか。食べ終わった後、しばらく経ってから、この舌のピリピリ感を感じた人は多いと思います。

 私は、これがうま味調味料によるものだと気づく前は、スープの熱さで舌を火傷したのだと思っていました。


4.うま味調味料はどこにいる?

 うま味調味料そのものを、自宅で使っている人は少なくなっていると思います。
 昔は、味の素が必ず食卓にあった。寿司の醤油に混ぜる、ぬか漬けに振りかける、生卵をご飯にぶっかけるときにませる。料理にも、塩をふるのと同じように味の素を一ふり。

 今はそう言うことする人、少なくなっていると思います。
 でも、うま味調味料はそんな時代より、ずっと多く使われています。

 まずは調理済みの食品。レトルト食品とか、冷凍食品の大半は、箱にかならず「調味料(アミノ酸)」の表示がある。
 そして、以前は自分で混ぜ合わせて作っていたもの。ソースとjか、つゆとかの類。市販の麺つゆ、割りした、焼き肉のたれ、ドレッシングこんなものにも、調味料(アミノ酸)なんて表示がある。クックドゥー見たいな料理別の調味料ってやつもたくさん出てますが、これにも全部入っている。

 入っている事が悪いと言っているのではない。うま味調味料の味をみんなが好んだ結果なんです。

 どこでこの味を覚えたか?私は、学校給食と言うのが、一番影響が大きいのではないかと思っています。
 子供たちが、ファミレスの料理を好むのは、学校給食と同じ味だからだと言う話がある。納得できるものがある。


5.何が悪い?

 「いったい、おまえは何がいいたいのだ!」と言われそうなので、そろそろ結論を。

 うま味調味料が入っていることが悪いとは言いませんが、一般にうま味調味料を添加した食品は、うま味調味料の量が多すぎるのです。結果として、先の実験の様に、うま味によって舌の感覚が鈍ってその他の味が感じにくくなる。悪い見方をすれば、うま味を加えることで、素材本来の味を引き出せていない料理をごまかすことが出来る。

 昆布のだしは、非常に繊細です。だしの抽出をちょっと間違えれば、渋味や他の雑味が多くなって、美味しいとは感じられない。ところが、この失敗しただしにうまい調味料を加えるといいだしになってしまうんですよ。渋味や雑味は感じられなくなってしまう。

 うま味だけが感じられれば、美味しい。そんな感じ方はしたくないのです。

 ラーメン関係のページを見るとよくこんな事が書いてあります。「化調(化学調味料=うま味調味料)が入っていようとなかろうと、美味しいと思えればいい」なんて。
 でも、これってなんか違うと思う。化調が入っていなくても、美味しいものは、美味しい。化調が入ることで、他の繊細な味が消されている。うま味だけを取り上げて美味しいと言うのなら、食い物の評価なんてやめちまった方がいい。


6.私の思うこと

 てなわけで、私はうま味調味料きらいです。
 でも、時と場合によるのかな。インスタントラーメンもレトルト食品も好き。その手のものは、うま味調味料味を楽しむものだと思っています。だから、それはそれで好き。スナック菓子なんかも好きですよ。
 でもね、お店で出す料理に関しては、うま味調味料が入っているものは好きになれません。
 同じ価格でも、手間をかけて、調味料なしに、味を作っているところがたくさんあるんですから、化調でごまかすと言うのはやめてもらいたい。

 みなさんにお願い。家庭で子供に食べさせる料理も、出来るだけうみ調味料含まないものでつくってあげてください。日々、お母さんが作る料理にこれをやるのは大変でしょう。せめて週末にお父さんが作る料理は、うま味調味料なしにしてあげましょう。

 ラーメンのスープを作るのは大変かもしれない。せめて、蕎麦やうどんのつゆは、ちゃんとだしを取って、自家製のものを作ってあげてください。何回か挑戦すれば、市販のつゆより絶対美味しいものができますから。


7.最後に

 この前、喜多方ラーメンのチェーン店では、比較的美味しいと言われる坂○で、冷やしラーメンを食べた。冷たいスープは、元々味覚を麻痺させる。その上化調がたっぷり入っていた。私にはとても食べられる物ではなかった。途中で気持ちを切り換えて、インスタント食品を食べていると自分に言い聞かせて、最後まで食べた。スープはほとんど残してしまった。

 やっぱりうま味調味料の多い料理は好きになれないなと思った。何となくうま味調味料に関して書いてみようかと思った。