番外55

白龍パイロン(02/08/21)
ジャンル じゃじゃ麺
最寄り駅 JR盛岡駅
電話番号 019-624-2247
住所 岩手県盛岡市内丸5-15
場所の目安 岩手県庁の正面玄関の向かい側。鳥居のある道を入って、その先の右側。
営業時間 本店 11:30〜20:00 / 分店 9:00〜15:00
休み 日曜日
予約 不可
駐車場 無し
お品 じゃじゃ麺 小350円、中450円、大550円、チータンタン50円、ろうすう麺450円、水餃子400円。
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 岩手の三大麺。冷麺、わんこ蕎麦、そして、じゃじゃ麺。
 白龍は、岩手のじゃじゃ麺の元祖と言われている。冷麺のルーツが韓国にあるのなら、じゃじゃ麺のルーツは中国の北部と言われている。
 盛岡冷麺の元祖である食道園は、昭和28年の開業。盛岡冷麺の元祖である食道園が開店したのが昭和25年。戦後、大陸や朝鮮半島から戻ってきた人たちが大陸や朝鮮の食文化を、盛岡に持ち込んだものが、根付いたと言うことであろう。

 一般に、ジャージャー麺と言う、ラーメンなどに使われている中華麺を茹でた後一度水洗いして冷ましたものに、長ネギ、キュウリと一緒に肉味噌を乗せたものあるが、白龍を元祖とする盛岡のじゃじゃ麺は、その中国北部をルーツをするものと同じ。平打ちのうどんと言うかきしめんの様な麺を茹でたアツアツに、肉味噌、ネギ、キュウリを乗せて、マゼマゼして食べるもの。テーブルには、ラー油、下ろしニンニク、おろし生姜、紅生姜などがあり、これらは自分の好みで加える様になっている。これも、中国北部のじゃじゃ麺と同じ食べ方らしい。

 何度目の出張であろうか、また盛岡に行く機会が出来た。出張の真ん中に、丸々一日空き時間が出来てしまったが、冷麺の有名店は3つとも食べてしまった。わんこ蕎麦にはどうも魅力を感じない。ってことで、じゃじゃ麺の元祖である白龍に行くことにする。

 ガイドブックを見ながらお店のたどり着いたのは、昼の12時ちょっと過ぎ。着いてみれば、な〜んだ、出張の度に行く県庁のごく近所。
 これなら、もっと早くに来て見ればよかった。
 昼食時と言うこともあって、写真の様にお店の前には行列。写真は本店であるが、この隣に分店もある。こっちも同じように行列。荷物を持たない地元のサラリーマン風の人と、出張の荷物を抱えたままのサラリーマン、観光と思われる人たちが混在している。
 写真手前右側の人物はは私の同僚であるが、とても出張者じゃないな〜〜〜(笑)
 
 列んでいるうちに雨が降り出したが、本降りになる前に、お店の中に入れた。10人ほどが座れるカウンターとテーブルが3つ。水はセルフサービス。創業当時そのままの店内なのだろうか、悪く言えば薄汚れた感じ。レトロな内装である。

 店内のほとんどすべての人がじゃじゃ麺を食べている。メニューには、小、中、大があるが、常連さんは中を普通、大を大盛り呼ぶらしい。小が出来たのは最近の事らしい。普通を頼んで、厨房の中を眺めていたが、麺は、10食分以上を一度に茹でているらしい。行列の出来る時間には、オーダーに関係なくボンボン茹でている感じ。

 カウンターに座ってから、5分ほどでお目当てのじゃじゃ麺が出てきた。普通盛りで十分な量。ちょっと多すぎるかと焦る。
 さて、感想です。


 麺は、平打ちのうどんの様な麺で腰はなく、くちゃっとした感じ。それが悪いと言うのではなく、肉味噌との相性を考えてこう言う麺になっているのだと思う。讃岐のうどんの様な腰を期待してはいけないのだと思う。

 ちょっと脱線するが、最近は、どんな麺にも腰を期待する人が多い。これは、スパゲティーのアルデンテが影響しているのだと思う。
 東京以北の麺と言うのは、元々腰を重視していない様な気がしている。小さい頃、蕎麦もうどんも柔らかい食べ物であった記憶があるのは私だけだろうか?歯切れの良さを求めるより、しっかり噛んで粉のうま味を引き出すような食べ方をしていたと思う。
 盛岡冷麺は例外だろうけど。

 じゃじゃ麺の麺は、うどんとは違うらしいが、どこが違うのかをはっきりと書いている物を見つけることが出来なかった。酒が入っている言う話もどこかに書いてあった。
 このお店の創業者である先代が大陸の麺を再現するために、中野製麺と言う地元の製麺所と一緒に開発した物らしいが、今は、清水製麺と言う所の麺も使っているらしい。麺箱まで確認しなかったのでこの日の麺がどちらの製麺所の物かは、わからない。

 麺の中には、いわゆる翡翠麺の様な緑色の麺が混ざってる。ワカメを練り込んだ物で、先代が亡くなって三回忌が終わった後に使われ出した物らしい。
 見栄えには影響を与えているが、味噌の味が濃いので、麺に入ってるワカメを感じることは出来なかった。湯切れは悪いがこれも味噌と混ぜることが前提なのであろう。

味噌(スープがないので(^^;)
 ベースになる味噌は八丁味噌に近いが、これも自家製のものらしい。挽肉、竹の子などが入って肉味噌になっているがかなり細かく刻んで長時間煮込まれているためか、含まれる具材の食感はない。いろんなものが入った味噌と言う感じである。塩分が多くかなり塩辛い。焦げた香りがあるのは意図的なものだろう。
 薬味としてテーブルにある、おろしニンニク、紅生姜、酢、ラー油などで、自分の好みの味に仕上げて行く。じゃじゃ麺にデフォはない。
 麺や具と混ぜても全体に塩辛い食べ物であった。これも寒い地方の昔からの食べ物と言うことだろうか。


 千切りのキュウリと長ネギ。これにおろし生姜が付いてくる。これを麺、味噌としっかり混ぜて食べる。
 日本では、キュウリと言うのは生で食べるのが基本であるが、茹でたての麺とからめる事によって半茹での状態になる。キュウリのナムルに近い感じがする。


 茹でたてでかなり熱い麺を味噌とからめていると、味噌が周囲に飛び散る。Yシャツであったら、たぶん、味噌の染みが付くだろう。
 かなりワイルドな食べ物であったが、私は気に入った。東京に戻ってしばらくしてから、無性に食べたくなったりした。

 食べ終わった後には、皿に残った味噌に、カウンターに置いてある生卵を割り入れて、皿の中の残留物を玉子で溶かしたあとに、皿を厨房に差し出して、チータンタンと言うスープにしてもらう。
 スープと言っても、何かで出しを取ったものではなく、溶き卵を入れた皿に麺の茹で汁を入れた物である。
 味噌もちょっと入れてくれる。まあ、そば湯の様なもの。

 チータンタンを飲んでフルコースになるが、結構きつい。私の様な年寄りには、小で十分なのかもしれない。
 ぴょんぴょん舎の冷麺は、現代風にアレンジされたものであった。食道園は元祖としての味を守っている。この白龍も昔の味を守り続けているお店の部類に入りそうである。
 現代風にアレンジされたじゃじゃ麺も捜してみたいと思った。 

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