番外52
マルカン(02/04/14)
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コメント 花巻に泊まるのでこれで3度目。いずれも仕事で来た。今回もまた仕事である。 町はなんとなく人が少なくて、寂しい印象を持っていたのだが、この店に行って印象がかわった。 マルカンと言うのは、地元のデパートである。まあ、衣料品、食料品が中心で規模もそれほど大きくない。 今回も他の売り場は以前見たときと同じように閑散としていた。 このデーパートにあるレストランのラーメンの話を聞いたときは、全く期待していなかった。確かに他に花巻のラーメンについて、これはと言うのを聞いたことがないから、それよりはましと言うレベルなのかと、そんな感じでいた。 時間は、夕方5時半。まだ夕食にはちょっと早い時間だから、きっとレストランも人がいないのだろうなと思いながらが、エレベータに乗って、扉が開いてびっくり。食券売り場の前は、人でごった返している。 これが、黄麺さんの書いていた活気か。(マルカンの話は、どんぶり一杯の幸せの2001年東北横断・賢治と芭蕉とラーメンの旅で読みました) ショーケースには、ロウ細工の食品模型。食券制である。メニューには、値段と一緒に番号が書いてある。ふと、食券売り場を見るとレトロな雰囲気に何となく調和しないものがある。あの八王子二郎と同じ、しゃべる券売機があるではないか。思わず小ブタを探してしまった(嘘)。 厨房が見渡せる場所に座って、厨房を眺めながら、ラーメンを待つ。 大きな厨房は雑然としていたが活気がある。奥から、寿司、和食、そばうどん、中華、デザートなどのコーナーがあり、それそれ職人さんが、忙しく動いている。ウエイトレスは、ラーメンを4つまとめて運んでいる。 目的のラーメンは、マルカンラーメン。肉野菜のあんかけが上に乗るラーメンである。 このラーメン。人気メニューの様である。中華の厨房で作られているものの大半がこれらしい。 茹で上がった麺をどんぶりに入れ、大量に作ってあるあんかけを上にかけて、ほうれん草、ウズラ卵、キクラゲなどを乗せてできあがりの様である。あんには、かまぼこ、白菜、マッシュルーム、ニンジン、豚のバラ肉、タマネギ、・ニラなどが入る。玉ねぎのサイズは巨大だが、芯まで火が通っている。まずはレンゲであんを一口。トリガラベースのスープに辛味噌のあん。次ぎに麺を食べようよ箸を突っ込むが、麺を引っ張りだせない。 このラーメンには、普通のスープがない。スープの上にあんをかけるものではなく、液体はあんのみ。湯から上げられて、ほとんど湯きりをしないまま丼に盛られた麺は、すでに伸びて塊となりつつある。 ああそうかと思いついて、麺とあんをしっかり混ぜることにする。麺を引っぱり出して空気に触れさせ、温度を下げながらあんとからめる。麺の周りの茹で汁とあんがまざって、スープもちょうど良い温度と粘性になった。 麺は、普通の太さの縮れ麺でかん水の少ない白っぽいもの。かなり柔らかめであるが、それがまたノスタルジックでもある。 なんだか、すごく満足してしまった。この懐かしい雰囲気のせいもあるのだろう。 このレストランには、もう一つ名物がある。高さが20cm以上あるソフトクリーム。スタンドに立てられて運ばれてくるソフトクリームを手に持って食べようとする人はいない。箸で食べるのである。人が食べているのを見ただけで、私も食べた様な気になってしまった。 |