テント

キャンプでの要になるのは、テントでしょう。
 我が家でも、7年前にテントを購入してから、本格的にオートキャンプをやるようになりました。


モンベル ムーンライト7
ムーンライト7スペック(現行販売モデル)
総重量:8.8kg
サイズ(展開時):280(w)×280(d)×175(h)cm
サイズ(収納時):64(w)×25(d)×25(h)cm
フライシート:75デニールポリエステルタフタ
グランドシート:210デニールナイロン 耐水圧2000mm
hp:http://www.montbell.com/top/top_f.html
1995年購入

 キャンプでの要になるのは、テントでしょう。
 我が家でも、7年前にテントを購入してから、本格的にオートキャンプをやるようになりました。

 始めた頃は、温かい時期を中心に、春から秋までのキャンプでしたが、最近はオールシーズン。
 大した雪ではありませんが左の写真の様な、雪の中でもキャンプをする様になりました。

 我が家が、絶大なる信頼をおいて、使い続けているのは、モンベル社のムーンライトです。

 このテントは、春から秋の3シーズンを前提として作られたテントです。寒さには弱いですが、独自のフレーム構造と通気を考えた設計で、設営や撤収の容易さ、夏の暑さに対する快適性、雨に対する耐性は、非常にいいです。

 モンベルと言うメーカ。私は信頼しています。バックパッキングなどと言う言葉が流行った頃に生まれたメーカです。ヨーロッパ式の登山のスタイルがスタンダードであった時代に、芹沢一洋さんなどが中心となって紹介されたアメリカ式のアウトドア文化。バックパッキングを中心としたシステマチックなアウトドアの文化は、非常にセンセーショナルでした。
 モンベルが生まれたのは、こんなアメリカ式のアウトドアが日本に普及しだした頃でした。
 キスリングから、フレームザックへ、A型テントから、ドームテントへ。ヤッケからマウンテンパーカーに。そんな流れに対応して、日本の気候を考慮しながら、アメリカ文化を山の世界に取り入れて行ったのがモンベルだと思います。

 モンベルの躍進の原因の一つは、新素材を積極的に取り入れた事だと思う。シュラフに使われたダクロン、ウェアに使われたハイパロン、ゴアテックス、シンサレート等。そして、このムーンライトのために考えられたフレーム構造など、日本のアウトドアメーカが世界認められる最初の一歩を作ったと思う。

 
ムーンライトの良いところ、悪いところ
 ムーンライトの長所と短所を紹介します。

1.設営の容易さ
 月明かりの中でも設営が出来るテントと言う事から、このテントにムーンライトと言う名がついています。
 それほど設営が容易であると言うこと。実際、我が家は夜中にこのテントを張ると言うことを何度もしています。連休など渋滞が予想される時には、その前日の夜にキャンプ場に着くようにして、このテントだけを張って寝ることにしています。詰め込めば大人が7人入るテントを、大人一人、子ども一人で、10分もかからず設営する事が出来ます。
 設営が簡単な理由は、このテントがフレームに対してインナーがつり下げ式であること。ムーンライトが出来た頃(20年ほど前)には、国内ではダンロップとムーンライトくらいしかつり下げ式のテントはありませんでした。
 ダンロップのテントは、いわゆるドーム式でフレームは1本の棒。これを組み合わせてドームのフレームとしていました。ムーンライトは、独自のA型フレームをショックコードでつないで、ドームより複雑なフレームでありながら容易にフレームの組立が出来るようにした上で、これにインナーをつり下げる事で、テントの設営の時間を最小のものとしています。
 また、フレームの上にかけられるフライと、インナーの間には大きな隙間が必然的に出来、通気性を確保した上で、雨の時にフライとインナーが接触しないようになっています。
 別売のグランドシートを使うと、フライとフレームをつかって、タープとして使うことが出来ます。これは、雨天の設営にも便利です。フライを設営してから、インナーをつり下げる事が出来るので雨天でもインナーを濡らさずに設営が可能です。

2.自立型テントであること
 今の時代にあっては、オートキャンプのテントの大半は自立式のテントですが、ムーンライトが生まれた頃には、自立式のテントは少なかった。
 ボーイスカウトなどで使われていた、テントは一度設営したら、動かすことは難しい。
 固定のペグを外せば、容易に移動できるテントは非常に便利です。

 また、左の写真の様に、テントの底を干すときなども、骨の多いムーンライトは有利です。

3.夏の快適性と寒さに弱いこと
 ムーンライトは、日本の古来からの家屋と同じように、夏の暑さを前提として作られています。
 日本の家屋の基本は、床と柱と屋根。上下方向の仕切しかありません。横方向の仕切は、障子や襖や屏風です。夏の暑いときには横方向の仕切をすべて取り払って風とうしを良くするもの。湿度の高い夏に対応するものです。

 ムーンライトのフライは、フルカバーではありません。前後に入口があって、その左右の壁の部分は、フライに覆われることなく、外気に直接触れています。また、入口部分のフライは、ジッパーで開閉が可能で、開くと側面の壁部分と同じ様なフライの形になります。三角形の壁部分の上部と入口部分はネットがあり、フライなしに、直接外気を取り入れることが可能です。
 また、天上が高く、テント内の空間が大きいことも暑さに対して有利です。

 夏の日中にはこれでも暑くなりますが、夜眠れないと言うような事はありません。ムーライトには別売でフルメッシュのインナーもありますが、これが必要になるのは、夏の浜辺でキャンプするときなど、極特殊な場合だけでしょう。

 逆に冬は寒いです。インナーが外気に接していることとテント内の空間が大きいために、体温だけでテント内の温度を保つことは困難です。まあ、元々、春〜秋を考えたスリーシーズンのテントであることから、これは仕方の無いこととも言えるでしょう。
 それでも、テントマットや寝袋にちゃんとしたものを使えば、最低気温がー3度くらいになっても快適に眠れます。


4.雨に強いこと
 インナーが直接外気に接しているため、雨に弱く思えるが、そんなことはない。インナーの茶色の生地の部分は、すべて防水加工されている。
上のインナーのひっくり返しの写真を見てもらうとわかるが、底部からの立ち上がり部分はかなり高いところまで、防水加工された生地で、縫い目部分にはシームテープが貼ってあるので、下からの水の進入はまずない。外気と直接接する壁部分は、防水処理が施されている上に、フライが屋根の庇の様に張り出しているために、風がなければ直接雨に当たることはない。

 4年前の夏に、福島でキャンプをした時、時間雨量が60mmを越える集中豪雨の洗礼を受けたが、テントへの浸水はまったくなかった。


5.風に強いこと
 ドームテントに比べて、平面が多いことで、風の抵抗は大きいはずであるが、このテントを使っていて、強風への不安を感じたこともない。
 平均風速が12m程度までなら、フレームの地面に接している部分をしっかりしたペグでタイダウンして置けば、まず問題ない。テントは揺れるもののその形状が変わるような事はない。
 これ以上の風の場合には、取説にも書かれているように、フレームのジョイント部分から補助ロープを使って地面へ固定をする。これすると、テントが安定する。ロープを2本使って逆V字にするとさらに安定する。

 別に台風の中でもキャンプが出来ると言っている訳ではない。台風なら、早々に撤収して帰った方がいいだろう。でも、春先の春一番の強風とか。設営してから風が強くなったときに、よく耐えてくれている。


6.終わりに
 7年たつとさすがに、ガタが出てきている。フライの撥水性が落ちたこと。底面のシームテープに剥離が起きて来たこどなど。そろそろしっかりしたメンテをしないといけないだろう。でも、年間20泊程度で、10年くらいは、十分にもってくれそうである。

 オートキャンプでの利用を考えた場合の欠点は、前室が小さいことと、値段が高いことだろう。
 前室については、雨の日には非常に不便。狭い前室で雨具の脱ぎ着をするのはつらい。タープやスクリーンテントと合体して使った方が良い。

 1979年に発売以来、22年のムーンライトの歴史の中で、大きな設計変更はほとんどない。床面の防水処理の耐水圧が上がったことと、フライの形状が変更(入口に前室が付いた)された事くらいであろうか。発売当初からそれだけ完成度の高いテントと言うことだろう。 

2002/05/27記

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