駒出池(01/05/02〜01/05/05)
毎年恒例の、ゴールデンウィークの駒出池キャンプ。今年は、雪から始まった。

駒出池キャンプ場
住所 長野県南佐久郡八千穂村八千穂高原
現地電話 0267-88-2569
問合せ電話 0267-88-3868
営業期間 4月下旬から10月下旬(予約は4月1日から)
料金 大人一人1日1200円、子ども600円、オートキャンプ2000円、駐車場500円
ホームページ http://www.avis.ne.jp/%7Eyachiho/camp.html

5月2日 キャンプ突入
 GW突入。私は9連休であるが、子ども達は、そうは行かない。集中することはわかっていても、後半の4連休にキャンプに行くことにする。
 うちのGWは、毎年キャンプ。そして、毎年、八ヶ岳の八千穂高原にある駒出池キャンプ場に行く。

 今年も同じ。
 道路公団のHPを見ると、3日の下りは、どこも大渋滞。渋滞を避けるために、2日のうちに出発することにする。中学生になった子どもは、水曜日でも帰ってくるのは4時過ぎ。これを待って出発。さすがに道路の渋滞はなかった。ただ、山梨県に入った頃から雨が降り出す。
 中央高速を須玉で下りて清里の近くで夕食。雨はかなり強い。キャンプ場に入ったときに、すぐに行動できるように雨具の準備をする。

 キャンプ場までは慣れた道。いくつかの忘れ物を思い出したが、どれも無くても何とかなる物。荷物満載の車は、上り坂にあえいだが、何とかキャンプ場にたどり着く。

 4連休の前夜とはいえ、人気のあるキャンプ場で、人で賑わっているだろうと思って、入口を入ったのだが、閑散としている。暗いのである。
 周りのサイトの明かりを利用してテントを建てようと思っていたのだが、真っ暗。周りへの迷惑も必要ないので、車のヘッドライトをつけてテントの設営。
 雨は土砂降りになってきたが、雨具はしっかり準備しているので、子どもにも手伝わせる。

 我が家のテントは、6年前に購入した、モンベルのスターライトと言うテント。
 このテントは、スターライトと言う名が現すように、星明かり程度でも、設営が出来ると言うもの。また、専用のグランドシートがあれば、フライシートを先に張って、その中でテントの本体を建てることが出来る。雨の中の設営には非常に便利なのである。

 設営を始めて20分後には、テントに中で就寝準備に入っていた。(うちもずいぶん手際が良くなった)。
 小型のガスランタンをテントの中でつけると、小さな炎でもテントの中が、急に温かくなる。濡れた雨具を片づけるともうやることがない。しばらく家族で話して10時前には就寝。

 でもさ、いつも3時近くまで起きている私が寝られる訳がない。ランタンを消して、小さなマグライトの明かりに切り換えて、子どもの寝息を聞きながら、私は晩酌(笑)。

 スキットボトルのウイスキーを飲んでそれでも、11時頃には眠りにつく....

 テントを叩く雨の音に0時半頃、目が覚めてしまった。
 ポンチョを羽織って、車に行く。ウイスキー飲みながら、ラジオの文字情報を見ていると、こんな夜中に中央高速は渋滞。渋滞避けようと思った人が渋滞を作ったのだろう。

 天気見ると、深夜から雪になると言う。表の雨はそれほど冷たいとは、思えない。降っても、まあ、みぞれ程度だろうと思いながら、寝袋に入ったのは1時半。体が温まるとテントを叩く雨の音も薄れて、あっと言う間に眠りについた。

 テントの外の声で目が覚める。表はうっすらと明るくなっているようである。何時?
 ぼんやりとしながら、表の人の声を聞いて、一瞬にして、目が覚めた。

 「うそ〜〜〜」と心の中で叫んだ。

5月3日 まさかの

 誰かの声に起こされる。
 テントの外で声がする。我が家のテントに向かって、何かを言っている。

 いったい何時だ?まだ4時半だぞ。それにしては、外が明るい。改めて、外の人の声を聞く。

 「雪が積もってますよ〜〜〜。テント大丈夫ですか〜〜〜。うちのテントは雪の重みで潰れました。」

 心の中で「うそ〜〜〜」と叫びながら、テントの窓を開けてみると、表は真冬の様相。
 表の人にお礼を言おうと、テントから出た頃には、声をかけてくれた人は、どこに行ったかわからない。そしてとりあえず写真を撮る。

 雪である。15cmほど積もっている。オーバーパンツ履いて、手袋をしてスコップでテントの周りの雪だけどける。テントの周りの雪かきをするなんて、20数年ぶりの事。まさかファミリーキャンプでこんな状態になるとは。

 テントに戻って、今日来るはずの友人に電話をする。しばらく様子を見るとの事。その後はやることがない。もう一度寝ることにする。キャンプの荷物満載のFF車が、キャンプ場から外に出られる訳がない。食料は十分にあるし、しばらくは様子を見るしかない。

 9時前に目を覚ますと、雪は止んでいる。テントの中で朝食を作り、みんなで食事。パンを焼いてインスタントのスープで済ませる。なんだが昔登山をしていた頃を思い出す。

 それなりの服装に着替えて、みんなで表に出たのは、10時近く。雪は止み、積もった雪もずいぶん沈んでいる。空からは、薄日もさす。これなら雪は溶けそうである。

 覚悟を決めてこのままキャンプすることにした。子ども達はすぐに雪遊びを始める。私のゴアテックスブーツと違って、「おまえらのは、普通の運動靴なんだぞ。一度濡れたら乾かないんだから、靴をぬらすなよ〜〜〜」とは、言うものの、そんなこと耳に入らない。雪を蹴散らして走り回っている。犬並。

 大人は、雪を踏んでシェルタの設営場所を作る。(後から知ったが、キャンプ場の管理センタで雪かきの道具を貸してくれたらしい。)
 

 シェルタが出来てテーブルや椅子を運び込めば、まあなんとかなるだろうと言う気分になってくる。昼食の準備を始める頃には、雪もだいぶん溶けて来た。駐車場には、もう雪はない。周囲の道には除雪が入ったとの事。

 問題は、子どものびしょ濡れの靴。体も冷えたので、温泉に行って、ついでに長靴を買うことにする。
 高度1800mのキャンプ場を出て、しばらく下ると、周囲に雪はない。スノーラインのちょっと上だった様だ。山を下って臼田町にある、町営の温泉へ行く。




 保養センター湖月荘は、大人300円、子ども200円の入浴料。安い。そしてGWまっただ中なのに、異様に空いていた。露天風呂もなく、建物も古いが風呂は広い。湯船には、地元産の薬用人参が浮かべられていた。

 買い物をして、キャンプ場に戻る連絡のつかなかったもう一組の友人が到着していた。中止にしたのかと思っていたが、まさか雪とは思わなかったので来てしまったとの事。雪かきから始めて、テントの設営は終わっていた。子ども達は雪だるまを作り出す。

 晩餐はホイル焼きと海産物のピラフ。食事が終わってみんなで炭火を囲む頃には、寒さが厳しくなってくる。すでに零下。いろいろあって、子どももかみさんも疲れた様で、9時過ぎにはテントに潜り込んでしまった。私一人、シェルタの中で炭火にあたりながら、ウイスキーを飲む。
 友人が隣のテントから遊びに来て、しばらくはキャンプ用品談義。

 さすがに私も疲れた。12時過ぎには寝袋に潜り込んだ。


5月4日 やっと普通にキャンプ
 我が家のキャンプの朝は相変わらず遅い。私が目覚めたのは8時前。テントの中は暑いほど。表に出ると太陽が出ている。太陽のありがたさを感じる。雪は溶け、ほとんどなくなっている。
 起きて、しばらくした頃。様子みで、昨日は現れなかった友人達が到着した。現状からみたら、あの雪の状態は理解してもらえないかもと、デジカメの証拠写真を見せる。

 その後はそれぞれに朝食。昨日の朝食とは大違い。オープンエアーの中で食べる朝食は気分がいい。

 朝食後、我が家はテントサイトの移動。雨の中で設営したテントとシェルタは駐車場から近い場所で、斜めの場所にたっていた。
 他のみんなが設営した場所の近くに移動した。こう言うとき、自立型のシェルタやテントは便利。中身を出して3,4人で持ってそのまま移動できるから。

 最近のオートキャンプのテントサイト。テントとタープの組み合わせで構成されているのが標準的。テントの方は、バリエーションはあっても1つを選んだら、買い換えることは少ないだろう。

 問題はタープ。大別して3種類のものがある。オープンと、スクリーンとシェルタ。
 オープンと言うのは、屋根のみもので、外気を遮るものがない。開放感はあるが、雨や寒さに対しては弱い。比較的安価で軽量なので、キャンプを始めた時には、たいていこのタイプのものを選ぶ。
 実際キャンプをやってみるとわかるが、風、雨、寒さなどにこのタイプのタープで対応するには、経験や、しっかりした装備(雨具、防寒具など)が必要である。初心者が選択することの多いタイプであるが、実は熟練者向けのものである。

 2つ目はスクリーン。
 オープンタープの側面に、ネットがついたもの。オープンの内側に、蚊帳の様に取り付ける物もある。
 ネット一枚で外気との境を作っている物だが、これでも風、雨、寒さに対してはずいぶんと違ってくる。また、夏の夜、ランタンの明かりに集まってくる虫に対しては、絶対の効果がある。
 私は、初心者には、これを勧めている。

 3つ目がシェルタタイプ。
 家型やドームテントのグランドシート(底の部分)が、ないものと考えればよい。開口部にはネットがあり、さらにその上から防水性のある布地で被いがかかるようになっている。すべての開口部を開けば、オープンタープに近い開放感があり、虫対策にはネット。雨や寒さを避ける為にはすべての口を閉じればいい。
 値段は高く、重たくなるが、天候の変化が予想される長期のキャンプや、晩秋〜冬〜早春のキャンプには、強い。


 キャンプ始めて7年目。夏のキャンプで集中豪雨に襲われたり、虫の攻撃にあったり。そして、だんだんとキャンプをやる期間がのびて来て、シェルタタイプの物を買ったのが去年。
 買ったのは、スノーピーク社のリビングシェルと言うもの。これは、良くできている。お勧めの1つ。ただ、値段が高い。非常に高い。テントより高かった。でも、キャンプを本格的にやるなら、これはお勧めよ。


 大きく脱線してしまった。
 サイトの移動が終わって、我が家はドライブに行くことにする。昼食と温泉をするために。野辺山の方まで遊びに行ったのだが、目的にしていた蕎麦屋は、混雑している。諦めてその辺の食い物屋に入ったが...コメントはしない(T_T)。

 続いて行ったのはキャンプ場近くの稲子の湯と言う温泉。秘湯として良く紹介されているのだが、GWに行く場所ではない様だ。洗い場が3つしかなく、浴槽も小さい。ひなびた雰囲気はあるのだが、人が溢れている。「どこが秘湯だー」。値段は、昨日行った温泉の倍。

 さっさと退散して、キャンプ場に戻る。

 今日の夜はパーティーだ。
 我が家の出し物は、焼き鳥、カルビの焼き肉、マリネ。そして、昨日の夜から仕込んでいた豚バラと玉子の梅干し煮。
 昨晩は、バラ肉をかたまりのままネギや生姜と一緒に3時間ほど炭火で茹でた。今日の朝から、適当な大きさに切ったバラ肉とゆで卵、梅干しを醤油、味醂、砂糖、酒などで味付けした汁で煮込んでいる。煮込みの時間はトータルで8時間以上。

 家族の分を確保して、後はみんなに配る。あっと言う間に無くなった。今回は、我ながらよい出来だった。なぜか炭火で煮ると肉が非常に軟らかくなる。

 キャンプと言うと、焼き物が多くなるけど、お勧めは煮物です。朝から、炭に火をつけて、煮物しましょう。
 締めは、焼きおにぎり。でも、この頃のはお腹いっぱい。カルビは結局登場しないまま。
 
 腹がいっぱいになると眠くなる。子どもとかみさんは、さっさと寝てしまった。
私の方はダラダラと、1時過ぎまで、炭火をいたずらしていた。
 明日は、もう、帰る日。帰りたくないと思うと、夜更かしになるのだ。帰りたくないよ〜〜〜。

5月5日 もう帰るの?
 今日は家に帰る日。撤収の日は、すべてがスローペース。朝起きるのも、食事の準備も、撤収も。だって帰りたくないもん。
 休みは後一日あるのだが、明日はどうしてもうちにいなければならない。仕方なく今日帰るのだ。一番高速道路が混む事が予想されている日なのに。

 ぼやいても仕方ないから、朝食を食べて、撤収。
 めんどくさいけど、天気のいいのが救い。撤収の日の雨は最悪ですから。
 小物類は、すべて大きな箱の中に納めるように考えてあるので、決められた箱に収めるだけ。家に帰っても箱はそのまま押入に収納される。

 問題はテントだよね。
 家に帰ってから干すなんて事はしたくないから、キャンプ場でちゃんとメンテして収納する。今回は、雨(雪)に合っているの、テントの底面が濡れている。これ干さないと、カビがでてくる。
でもって、モンベルのテントの優位性は、こんなところにもある。
テント本体は、ひっくり返しても、自立するのである。ドームテントでもひっくり返すことは出来るけど、そのままの状態を維持することはできない。コロッと寝てしまう。
 フレームの構造が頂上部にも平面を作るスターライトならではの、芸当である。

 でも、ひっくり返すときは、慎重にやりましょう。ドーム型などに比べて、骨の数が多い分、各ポールは細いので、ひっくり返し方を間違えると、ポールを折ります。
 
 こうやってテントを干しているといつも思うこと。
 テントの底面は綺麗な球面を作っている。ここに銀紙でも張って、中央上部に薬缶を吊したら、お湯が沸きそうな気がする。

 やってみたいのだが、テントの底面に、銀紙を均一張るいい方法が思いつかない。
薬缶をどうやって吊すかも問題だな〜〜〜。
 だれか、良いアイディアありませんか?

 ダラダラと荷造りをして、キャンプ場を離れる準備が出来たのは、12時前。他の友人と記念写真を撮って、名残惜しいけどキャンプ場を離れる。

 さて、これからどうするか。今日中に帰ればいいのだ。どうせ渋滞だし。のんびり行きましょう。まずは腹ごしらえ。清里方面には昨日行ったので、今日は麦草峠を越えて蓼科から小淵沢の方に抜けることにする。
 麦草峠周辺は、かなりの雪が降ったようである。蓼科の別荘がならぶあたりに入ったところで、「深山」と言う蕎麦屋の小さな看板が目に入る。
 誘われるように別荘街に入って行く。穴場的なお店かと期待したが、そんなにすごい物ではなかった。お店の紹介は、番外の方に書きます。

 お腹は満足。まだ、帰りたくないぞ。次はどこへ行く?そうだ、小淵沢だ。香庵に行こう。カーナビの調子が悪い。ちょっと迷ったが香庵に到着。
 混んでるよ。良かったね。ホントは珈琲でも飲みながらお話したいところだったのだが、忙しそうのなので豆を買って、さっさと退散する事にする。(香庵さんからは、後でメールもらいいました。お心遣いありがとう。豆の味、安定して来てますね。)

 ここでやっと家にまっすぐ帰る決心をする。真面目に高速に乗って、一路我が家へ。中央道は比較的順調。この分なら明るいうちに自宅に戻れるかななどと思っていたが、甲府昭和を過ぎたあたりで、いきなりコンディションレッド。大月の先で渋滞20キロ。渋滞に飛び込む頃には、たぶん40キロくらいにはのびているだろう。

 最近は、このまま渋滞に飛び込むのがパターンになっていたのだが、今回はちょっと変えてみることにした。
  一宮御坂で下りて、河口湖→山中湖→道志→橋本→自宅のコースをとることにする。うちのガキどもは、まだ富士五湖を見たことがなかった。
 河口湖周辺で渋滞。その次は富士急ハイランドのあたりから、山中湖にかけて渋滞。まあここまでは予定通りと言っていいだろう。山中湖に出る手前あたりから順調になる。これなら、夕食は橋本あたりでラーメン?なんて考えて、そのまま走る。

 ところが山中湖の周遊道路の途中から超状態。道志への道に入るまでにかなりの時間がかかった。道志に続く道に入ると順調なのでやっぱり夕食は橋本あたりでラーメンと決めて突っ走る。ところが道が下りになる頃いきなり渋滞。ここからは地獄の渋滞であった。結局青野原まで渋滞。2時間以上ロス。お腹の空き具合の限界なので、コンビニでおにぎり買って夕食となる(T_T)

 結局自宅に着いたのは10時半。高速の渋滞を我慢していれば、7時過ぎには帰り着いていただろうな〜〜〜。

 そんなわけで、我が家のGWキャンプは終わった。
 雪で始まって、渋滞で終わったキャンプであった。

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