Radina−Chibi 主翼の製作

元はこの様になってしまった主翼です。 断裂面は粉のようになって
しまっていて、つなぎ直す事が容易ではないと判断して押し入れの
奥の方にしまわれていました。                     


壊れた部分とシワの寄った部分を外す為に、中央から80ミリずつずれた
所で主翼を切断しました。 切断はピラニアのこで行いましたが、前縁や
スパー部分のカーボンが思いの外堅くて難儀しました。
壊れているとは言え、形のある主翼にのこを入れるのは勇気が要ります。

細かいへこみや軽いシワは、バルサに水分を染みこませてから軽くアイロン
を当てる事によってある程度修復が可能です。 修復後は瞬間接着剤を染み
こませます。


切り取った断面はこんな感じです。
スキン部分はとても薄くて、そのままつなぎ合わせる事は出来そうに
ありません。 実際に元の翼は左右一本物として製作されているようです。


と言うわけで、中央部分の形を保つためのフタを1.5oバルサから作り
ました。 ダウエルを受ける前縁付近と取り付けネジを受ける後縁部分には
2oバルサで補強してあります。
この補強材は翼の内側サイズより上下に1ミリほど小さく作ってあります。


このフタにマイクロバルーンを大量に混ぜ込んだ5分エポキシをたっぷりと
塗り、主翼に押し込みますと、はみ出した接着剤で上の図のように補強が
されると言う作戦です。


フタが接着された主翼の断面です。


エルロンの切り口もマイクロバルーンエポキシを縁に盛り上げて補強しました。
元の機体はカーボンロービングが入っています。

主翼の接合です。
この画像は裏面から撮った物です。 ずれないように紙テープで仮接合して
います。 縦のテープを貼った後から横のテープを貼っています。

上反角は少な目に設定しました。 元の機体は8度ほど入っているようですが、
飛行スピードが上がる事を見越して5度に減らしています。


例によってカンザシを持たない芋付け工法ですので、接合部表面にマイクロ
グラスを巻いて補強します。 この機体は離型剤がこってり付いていますので、
マイクログラスを貼る部分は地のスキンが出てしまうギリギリまでサンディング
して樹脂の馴染みを良くしています。
マイクログラスの幅は40ミリで、上面中央部だけ10ミリ幅の物を先に入れて
2プライとました。



エルロンホーンはHLGのRadinaとまるっきり同じ物、同じ工法で取り付けて
あります。
HLGの時はしませんでしたが、今回はマスキングテープを貼って、接着部分に
エポキシ接着剤の綺麗なフィレットが出来るようにしてみました。

後はダウエルと取り付けネジ穴を開ければ主翼は完成です。
そうそう、ランチペグは切り取って平らにならしてあります。 
穴はそのままですが....。


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