Alan−DLG 主翼の製作


この機体の主翼は発泡スチロールコアバルサプランク翼で、作り方
自体は他の機体と何ら変わりありません。 細かい作り方に着いては、
「工房」の「スチロールコア翼の作成」を参考にして下さい。
ここでは、相違点だけ書いて行きます。




プランクの準備をしています。
上の画像が中央翼部分、下が翼端部分です。
カーボンロービングが貼り付けてあるのは主翼下面になります。上面に
関しては内装補強は行いません。 ロービングも12Kのロービングを半分
に裂いて使っています。 ここでのカーボンロービングは、捻れ防止と下面の
断列防止の為の物になります。

プランクには今回初めてタイトボンドを使ってみました。
しかし、プランク材接合用に使っている注射器でやったために、吐出量の
調整が上手に出来ず、所々ぼたっと出てしまっていますし、ラインもへろへろ
です。 
後縁付近には、例によって樹脂にマイクバルーンを大量に混ぜた物を塗って
あります。


次にやる時は上の画像の様な小型の油差しを使う事にします。 これは
ホームセンターで120円で購入した物ですが、重宝しています。

コアをプランクに載せる時、スプレー糊の時のように「一発勝負」では無く、
ある程度位置の修正が効きますので落ち着いてやって下さい。
プレスの重しも圧着させるわけではなく、プランクが浮かなければ良いので、
軽めで良いと思います。 今回は、ラジコン技術誌とRC AIRWOLD誌
取り合わせで20冊程度乗せてみました。

以前、木工ボンドでプランクした時には接着剤をべったり付けたせいか、
いつまでも「しっとり」していた経験から1週間ほど放置しましたが、季節
にも寄るのでしょうが1日〜2日でも良いみたいです。

これが今回の目玉、主翼上面のカーボンクロス補強です。
最上面に施す補強なので、サンディングを全て済ませて、心残りの無い状態
で作業をします。
最近は後縁に縦目のバルサを貼り、研ぎ出す工法が流行ですが、きむらクラフト
工法では後縁がエポキシ樹脂で固まっていますので、そのまま研ぎ出しています。
今回は前縁材の接着にもタイトボンドを使用してみました。


カーボンクロスの貼り付けは、上の図のようにして行いました。 PPシートは
以前は近所のホームセンターで売っていたのですが、最近取り扱いが無く、
仕方ないのでA3判のクリアファイルを切って使いました。 こっちの方が安
かったみたいです。 PPシートには離型処理をしてあります。

主翼の前縁から25%の所に鉛筆などでマーキングをしてからクロスをそーっと
置き、上から樹脂をこれもそーっと、しかも少量ずつ置いていきます。
クロスに腰が無いので、力を掛けると直ぐによれよれになってしまいます。
樹脂を置いたら、テレホンカードで樹脂をしごいて樹脂が均一に広がるように
します。 この時も力を入れすぎるとクロスがよれてしまいます。


少量の樹脂で貼り付けられたカーボンクロスの表面はつるつるで、圧着されて
いるので、段差は極小です。


この様に中央部から翼端まで連続して貼ってあります。 左翼端はペグ穴の
補強を兼ねて幅広にしてあります。

各パネルの接合は5分エポキシで行っています。 角度だしをきっちり
行った上で、接着剤を指でごしごしコアを含めた接合面に擦り込む様に
塗りつけます。 接合面の両面に少量ずつ塗り込む事により接着不良と
接着剤過多を防止します。
接合後は20ミリ幅のマイクログラスを巻いて補強しています。

ネジ受け部分です。
0.5ミリのFRP板を瞬間接着剤で貼り付け、マイクロバルーンエポキシを
充填、皿加工をしてあります。

ペグ穴周りです。


ペグより一回り大きな穴を開けて、マイクロバルーンエポキシを充填した後、
ペグ穴を開け直しています。
ペグは6ミリのカーボンパイプで、例によって穴は塞いでいません。 上昇時の
音を楽しむためです。


完成した主翼です。
今回被覆にはフェザーコートを使用してみました。 フイルムが軽量な割に厚手
なので、しっかりした感じに仕上がりました。 また、温度による伸び縮みが少ない
みたいなので、貼る作業も楽です。

この状態で95グラムです。

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