SSW−TinTin 主翼の製作


この機体の最大の特徴であり、ベースのスカイウォークと大きく異なるのが
この主翼の翼厚です。

10g/dm2を大きく下回る翼面荷重の機体をロス無く前に進める為の翼厚減作戦です。
この手法は、以前見学に言ったフリーフライトのグライダーにヒントを得たものです。
上の画像はF1Bグライダーですが、この機体も内翼に短径の主翼を持っていて、
抵抗軽減の為に同様の手法を取っています。

短径部分の製作です。
まず、キットに入っているまち針でしっかり止められたリブを一度バラして下さい。
スカイウォークには3ミリ、2ミリ、1.5ミリ厚の3種類のリブが使われています。
キット開封後、まち針で止まっている状態は、両端に2ミリ、中央に3ミリ、
その間に1.5ミリ厚のリブが並んでいると思います。
そのままテーバーを付ける作業をしてしまうと、翼中央接合部に入る3ミリ厚の
リブが薄くなってしまいます。

リブをまとめた状態で片側に1ミリ航空ベニヤで作ったテンプレートを両面テープで
貼り付けてあります。 


この状態でリブを削り込み7.5〜7%のプログレッシブリブをつくります。
成型が終わったら、リブをバラし、通し番号を振っておきます。
一枚として同じ形のリブがありませんが微妙なので、バラバラにしてしまうと
区別が付かなくなってしまいます。

更に、端から2まいずつ重ねて、同じ大きさになるように成型して左右に分けます。

組み立て自体は普通のスカイウォークと変わりませんが、翼厚が薄くなる分下がる
剛性を確保するために、オリジナルでは途中から片面だけになるウェブ材を端まで
両面に入れ、端になるリブに強度を持たせるためにトラスなどの追加を行っています。

上の画像では、右が薄い方、左が厚い方になります。


また、今回はネジロック方式にしますので、M4のボルトが入る穴を主翼に
開けなければなりません。 ボルト穴が開く付近に5ミリバルサで補強を入れました。
今回ボルト穴は前縁から120ミリにしましたが、これはきむらクラフトポッド2に
合わせた物です。

翼端部分はテーパーになっていますので、組んでから翼厚を落とす作業をします。
組み立て自体は通常のスカイウォークとなんら変わりありません。


上に写っている白っぽいものが特大サンディングボードです。
これは、ホームセンターで「木っ端どれでも100円」コーナーで買った
床材の切れ端に、ロール状のの糊付きサンディングペーパーを貼って作りました。

削り上がった翼端部分、薄くなってフニャフニャでなんとも心許ないものです。
そこで、1oバルサで下の画像のように補強を入れました。

リブ間にきっちり入る「Lビーム」状の補強です。
これだけでもかなりしっかりしたものになりました。

右が整形後、左が整形前です。
上面プランクはいつもの通り、低粘度瞬間接着剤で染みこみ防止をした後に、
高粘度瞬間接着剤で上面プランクを貼って仕上げます。
フラップは後縁を1ミリ弱まで薄くしたテーパー状に整形して取り付けてあります。

上反角も若干変更しています。
ノーマルのものより中央部は大きめ、翼端部は少な目にしています。
これは、きむらクラフトがSAL専用翼として製作したVirgil2k−SAL翼の
取り回しに木村が気に入った為です。
主翼後縁で中央部は8° 翼端部17°に設定しました。
また、今回はネジロック式にしましたので、フラップは中央まで延長してあります。



接合には5分エポキシを使用しました。
下面を紙テープで固定し、接合面両面に薄く擦り込むように接着剤を塗り、
接合します。 はみ出した接着剤は、硬化前に綺麗に拭き取って置きます。



接合が終わり、ダウエルとロックネジの穴加工が終わったら、マイクログラスで
接合部を補強しました。 普通ですとこの作業は特に必要のない作業なのですが、
リブを加工する時にリブ厚の確認を怠ったために、この主翼の接合部分のリブは
不本意ながら2ミリ厚の物が来てしまっているためです。

20ミリ幅に切ったマイクログラスを樹脂で貼り、テレホンカードでしごいて余分な
樹脂を落とします。

ロックネジ受けは0.5ミリFRP板で補強、皿穴加工を施してあります。



画像にはありませんが、ダウエルは2ミリカーボンロッドです。

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