【柿沼弘子の勝手にシネマ】

オースティン・パワーズ:デラックス

監督:ジェイ・ローチ
出演:マイク・マイヤーズ、ヘザー・グラハム


22th Oct. 1999


 『スター・ウォーズ エピソード1』をおさえて全米で初登場ナンバー1を記録したこの作品も、日本ではそ

こそこの人気で終わってしまった。公開当初は、パフィーを使ってコマーシャルしたり(なんでパフィーなのか

良く分からないけど)、JR駅構内にポスターを出したり、プロモーションにはかなり力を入れていたはずなの

に……。観客動員数は公開直後、一時的にSWを抜いたものの(後に公開された作品が上位に来るのは当

たり前のこと)、今ではSWに逆転されている。(SWは公開16周めなのに、まだベスト5に入っている。)本作

が思いのほか不甲斐ない結果に終わってしまったのは、おそらく前作を見ている人が少なかったからだろう。

前作があることすら知らなかった人も多かったのではないだろうか。確かに前作はTVコマーシャルもやってい

なかったし、「シネセゾン渋谷」と「シネマカリテ」でひっそりと上映する程度だった。SWを超えたというアメリカ

でのうわさにマスコミが食いついたけど、結局日本では見る側の地盤ができていなかったため、大ヒットしなっ

かたということだろう。それから、もう一つ考えられる理由は、この作品を宣伝する時、ひたすら「下ネタだらけ

のお下劣映画」と宣伝してしまったこと。これじゃ、カップルや普通の女の子は見に行こうと思わないよね。実

際、この作品には『007』や『ザ・エージェント』のパロディシーンや、下ネタ以外にも笑える要素がたくさんある

のに。それから60年代のイギリスのファッションなど、私たちも見習いたいシーンがたくさんあるのに残念です。

でも、冒頭、パワーズが登場する場面で、素っ裸で街を踊り回ったり、チ○ポ型ロケットが空を飛ぶシーンなど、

確かに下ネタ度はアップしたかもしれないな。                                       

 今作ではDr.イーブル(=007の天敵、エルンスト・スタヴロ・プロフェルドのパロディ)の8分の1サイズのクロ

ーン「ミニ・ミー」と、体重が1トンあるという超デブの新キャラも登場しています。どうも私はミニ・ミーは好きにな

れなかった。だって、かわいくないんだもん。それから、最後に衝撃的な告白シーンもあります。(実は○○○と

×××は親子なのです。)結局、パワーズとDr.イーブルの戦いはまだまだ続きそうです。3作めが楽しみです。

マイク・マイヤーズ大好きです。★★★★★です。                                     

                                       

 
【※】ちなみに★は5点満点だよ。