辛口映画レビュー
  原作 京極夏彦 
  監督 蜷川幸雄
  主演 唐沢寿明
      小雪
      椎名桔平
      香川照之
  [2003年/日本/カラー/128分]
  配給:東宝
評価 ★★★☆☆
あらすじ 世捨て人然として貧乏長屋の片隅でひっそりと暮らす浪人・境野伊右衛門(唐沢寿明)は、御行乞食・又市(香川照之)の計らいで、民谷家の娘・岩(小雪)と縁組みし、その家督を継ぐ。岩は病のせいで美しい顔に醜い傷を負っていたが、卑屈さなど微塵もない気丈な女だった。最初こそ、感情を表さない夫に苛立ちを募らせる岩だったが、伊右衛門の誠実な心根が伝わるに連れて、2人は次第に心を通わせて行く。しかし、かねてより岩に執心していた筆頭与力・伊東喜兵衛(椎名桔平)は、そんな2人を苦々しく思っていた…。
レビュー 京極夏彦の原作を『青い炎』の蜷川幸雄が映像化。
四谷怪談のお岩さんの話を大胆にアレンジした作品なわけですがこれがさすがは蜷川監督♪しっかりと見れる作品に仕上がっていましたね。
前作では青い透明感と無機質感を作品全体に漂わせて抜群の演出力をみせてくれましたが今回は時代劇。
それでも障子ごし、蚊帳ごし、のれんごし・・・とあえて対象物とカメラの間に物を置くことによって登場人物達の〈視線〉というものを少し変わったスタンスで見せてくれているあたりにしっかり彼らしい演出が見て取れます。
これはまた怖いもの見たさや興味本位で外面的な部分だけでお岩のことを見る大衆の視線をも表現しているのかもしれません。
また時代劇でありながら冒頭のタイトルシーンでは大胆にジャズを使ったり、劇中では度々バロック音楽なんかも使ったりするあたりもなかなか面白いですね。けどそういった部分であまり媚を売ってないというかあくまでもナチュラルに使ってるんですね。
だから全然不自然じゃあないし逆にマッチしてるぐらいです。
『座頭市』で北野武がタップダンスを時代劇に取り入れた時よりも格段に映画の味付けという部分では成功しているでしょう。
監督自信にしっかりとした画作りの力があるのでこの手の話で2時間もの間、実にひきつけられました。
あとは話が好きか嫌いかで意見が分かれるだけですね。
僕的には十分合格点♪
小雪は『ラストサムライ』の時も書いたけど時代劇には余り向いてないです。
今作では鬼の蜷川効果で少しは様になっていますが、それでも長い早回しの台詞のシーンではやっぱり台詞が自分のものになっていません。うまいことこなしてる感がどうしても抜けないんですね。
まぁそれも経験、これからうまくなっていくかもしれません。

ラストシーン。
急にシーンが現代に戻るシーンの真意がどうしてもわからないし解せません・・・・
せっかく物語に浸っていたのにあえて現実に戻してほしくなかったというのが僕の意見です。
おしい!
観賞データ 2004年12月8日
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