辛口映画レビュー
               
監督 アーウィン・ウィンクラー
主演 ケビン・クライン
    クリスティン・スコット・トーマス
    ヘイデン・クリステンセン
    
[2001年/アメリカ/カラー/126分]
協力:トキオ・ゲッツ
配給:日本ヘラルド映画
評価 ★★★★☆
あらすじ ジョージ・モンロー42歳。建築事務所デザイナー。彼には既に別の人と再婚している元妻ロビンと16歳になる反抗期の息子サムがいる。ある日彼は20年間勤めてきた建築事務所をいきなり解雇され、その上残りわずか3ヶ月の命と宣告される。ジョージは初めて自分の人生に、そして息子サムに向き合う決意をする。最後の夏、一緒に家を建てる事で・・・。ドラッグに溺れ、激しく抵抗するサムを無理やり連れ出し、ジョージは海辺に家を建て始める。近くに住む、幼なじみだったアリッサとその母親コリーン、息子サムを心配して見に来るロビンと彼女の二人の子供、そしてロビンの夫。ジョージをとりまく人々が、知らず知らずのうちに加わっていき、そしてそれぞれが、心にぽっかりと明いた穴を「家を建てる」ことによって埋めていく。残された時間はあと、わずか・・・。
レビュー 『海辺の家』病気の話か〜。暗そうだなぁ〜と思いながらもしぶしぶ観賞。
ところがどっこい全然暗くなんかないです。それどころか時折ユーモラスなシーンも交えながら実にすがすがしい感動に浸れる作品でした!
ケビンクライン演じる父親とヘイデン・クリステンセン演じる息子が家を建てるという作業を通じて少しずつ次第に心を通わせていく描写は実に自然で見ていて無理がなかったです。
ケビンクラインはまあやっぱりうまいんですが、このヘイデン・クリステンセンがまたうまい!『スターウォーズ・エピソードU』の演技よりよっぽどすんばらしい!外見上は反抗的だけど実は繊細で傷つきやすい年頃の若者という難しい役どころを絶妙に演じています。
さてこの父親ガンで余命3ヶ月。映画はさまざまな心温まるエピソードを交えながら、最後の時に向けて進んでいきます。その最後のシーン。父親の最後はものすごくあっさりと描かれています。それがまた見ているほうにはすごく救いになるし、それでいていつまでも心にに残る感動を与えてくれます。
ロケーションもすばらしく父親とその前妻が夕日の中、丘の上でダンスを踊るシーンなどはものすごくきれいなシーンで、見ているほうもその場にいるような不思議な感覚にさせてくれました。
とにかく2時間最後までだれることなく映画に集中させてくれます。かなりオススメの映画です!
この映画、原題名は『Life as a House』 ところがこれが日本では『海辺の家』。なんとつまんなさそうな題名でしょう・・・海辺の家って・・・いかにもつまらんヨーロッパ映画っぽさ炸裂!しかも上のパンフの表紙を見てください。いかにも暗そう。しかも病気物。
だからこんなにすばらしい作品なのに見てみようと思う人も、また見たという人もあまりいないでしょうね。
これはヘラルドの宣伝部の完全な失敗だったと思います。その辺のプロモーションをもっとうまくやっていたら大ヒットした映画だろうに。まだ見てない人はぜひ見てください。イイ映画です。(:〜:)
観賞データ 2003年6月10日  レンタルビデオ