辛口映画レビュー
  原作 江國香織
  監督 源 孝志
  主演 黒木 瞳
      岡田准一
      松本 潤
      寺島しのぶ
      岸谷五郎
  [2004年/日本/カラー/126分]
  配給:東宝
評価 ★★★★☆
あらすじ 売れっ子CMプランナーの妻、詩史(黒木瞳)は、20の年齢差がある透(岡田准一)と出会い、恋に落ちた。それから3年、透と詩史は密やかな愛を重ね続けていた。透の友人である耕二は、同世代の恋人がいながら、主婦の喜美子と付き合い始める。夫への不満を爆発させる喜美子も、耕二の目には愛おしく映る。しかし、求め合う気持ちが強まるにつれ、心の均衡は崩れていく。やがて二組の恋人たちに、ひとつの終わりが訪れる。
レビュー 『恋はするものじゃなく、おちるものだ。』

そんな洒落た台詞が至る所に散りばめられ、素敵な雰囲気を全体にまとった作品でした♪

映画が始まって初めの30分はあまりにもかっこつけた岡田准一の演技に背中がムズムズ痒くなります。
詩史からの電話を自宅の自分の部屋(むちゃくちゃエレガントな様相)でクラシック音楽をかけ、自分でコーヒーを焚き、椅子に座って読書をしながら待つ透。
『夏休みなのにどこかに出かけないの?』という詩史の言葉に透が答えます。
『詩史さんの電話に出れなくなっちゃうから。』

(´Д`)くっせ〜〜〜!!てか21ならバイトでもしろ!!

な〜〜んてかんじで一人で突っ込みどころ満載な映画だったんです。
がしかし・・・これはこれで徐々に作品の持つ独特の雰囲気に引き込まれていっちゃいます。
途中から岡田のかっこつけ演技も黒木瞳の上流階級セレブマダムな演技も全く気にならなくなっちゃうんですね〜これが(^。^;)
こりゃ監督の源さんの力量でしょう。いや本当にこの監督注目っすね。
普通、日本映画でジャニーズ主演で山下達郎主題歌でロマンチック物ときたらアポーンな結果に終わる可能性大!!ですよ。それを原作の台詞を忠実に取り入れて、気合の入ったセットと衣装、更になんの恥じらいも無く徹底して綺麗でおしゃれな恋愛映画として一貫させた作り手の勝ちですね。
この監督さん、次回作は『大停電の夜に』という映画のメガホンをとらせてもらえたりしています。さすが。

また、華麗でロマンチックな詩史と透の恋愛と対比するように松本潤演じる耕二と寺島しのぶ演じる人妻の貴美子のどろどろとした修羅場連続の恋愛模様が描かれているのも作品の出来を良くしています。


非現実的な恋愛模様
現実的な恋愛模様

これで更に幅広く観客層を広げられますもんね。
詩史と透の話だけだったなら間違いなく最後まで持たなかったでしょう。

フランス料理のフルコースばかりだとたまには味噌汁ぶっかけご飯が食べたくなるようなもんです。

世界観をしっかりと構築した作品。

どっぷりと浸りがいのあるなかなかの作品です。この手の映画が好きな人はお勧めです。
まぁ★3つの上ぐらいの作品ですが

貴美子演じる寺島しのぶの存在感が良い。

松本潤はそれなりに頑張ってる。彼の衣装がおしゃれなので見ていて面白い。

東京タワーもやりようによっては洒落たアイテムになるんだなぁ〜と思えた。通天閣じゃムリ。

以上の点を採点に加えて個人的には★4つといきましょう。僕は好きです♪

けど世の男性の大半は痒い痒いかもしれませんのであしからず。
観賞データ 2005年11月5日
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