![]() |
原作 ウワディスワフ・シュピルマン 監督 ロマン・ポランスキー 主演 エイドリアン・ブロディー フランク・フィンレイ モ−リ−ン・リップマン エミリア・フォックス [2002年/ポーランド=フランス/カラー/148分] 配給:アミューズ・ピクチャーズ 第75回アカデミー賞 最優秀監督賞、最優秀主演男優賞、最優秀脚色賞 受賞作品 2002カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品 |
評価 | ★★★★☆ |
あらすじ | 1939年──ナチスドイツがポーランドに侵攻したこの年、ウワディスワフ・シュピルマンはワルシャワの放送局で演奏する一人のピアニストだった。ナチスドイツによりワルシャワが占拠され、ユダヤ人をゲットーと呼ばれる居住区に移し、飢えや無差別殺人に脅える日々を過ごさせていた。やがて何十万ものユダヤ人たちが収容所へ移されるようになった頃、家族の中でたったひとり収容所行きを免れたシュピルマンは、決死の思いでゲットーを脱出。息をひそめて隠れ家で暮らす日々は、ワルシャワ蜂起とともに終わりを告げる。砲弾が飛び交い街中が炎に包まれるなかで、必死に身を隠し、食うや食わずの生活で何とか生き延びているシュピルマン。彼の心の中で奏でる音楽だけが唯一の希望だった。しかし、ある晩、遂に一人ののドイツ人将校に見つかってしまう…。 |
レビュー | 2002年のカンヌグランプリということで早速観賞。 いんや〜これはすごい映画ですね。舞台が第2次世界大戦下のユダヤ人迫害なだけにものすごく悲惨です。 今までいろいろなユダヤ人迫害ものを見ましたがその中でも残酷さ不条理さの描写は群を抜いています。 ある程度歴史的事実の知識がないとわかリにくいところもあるかも。ゲットーとかゲシュタポっていっても映画の中では説明はないのでわからない人もいるかも。 さて内容的な部分ですが、なによりこの話がシュピルマン本人の自伝を映画化した実話をベースにしているということが驚かされます。こんな体験本当にしちゃったらそりゃ映画よりもすごい人生だわ!実話なので話の説得力は当然あるので2時間半だれることなくぐいぐい引っ張られます。ただ見た後にはーピーエンド的に心が晴れることはまずないので覚悟しておいた方が良いかも。結局彼は生き残っても家族は全員ガス室送りになるし、800万人とも1200万人とも言われる数のユダヤ人が虐殺されているというものがバックボーンにあるので感動できるはずはありません。映画館を出て『感動したね〜』といってる人たちがいたけど僕から言わせりゃ『おいおい・・・あんたわかってんの??』と突っ込みたくなりました。 こういう映画を見ると本当に戦争はやばいと思わされます。ユダヤ人を虐待するドイツ兵なんかを見ると人間の精神状態をあそこまで残虐にしてしまうのが戦争の恐ろしさと痛感させられました。 出てくる役者はみんなうまいです。シュピルマン演じるエイドリアン・ブロディーも良い演技してますし本当にピアニストぽく見えてしまいます。当然ピアノの演奏シーンは吹き替えでしょうけど演奏中の指の映ってない上半身だけのシーンなど見ても体がほとんど動きません。だめな映画になるとピアニストはいかにも弾いてますぜ〜〜みたいに体が動きますが、一流のピアニストになるとこの映画のように体はあまり動かないものです。そのへんの気の使い方はすごく気に入りました。あと秀逸なのは衣装!とにかく全般にわたって衣装はものすごく気合入れて作ってるなぁ〜と感心しましたね。とにかく細かい部分までしっかりと丁寧に作ってあり妥協していません。その上ストーリーは実話なのでいい映画になるのは当たり前。 とても考えさせられる映画ですので見てない人はぜひ見た方が良いですね。おすすめします。 原題は『ピアニスト』 なんでも『戦場の』と付ければ良いと思っている配給会社のセンスのなさに脱帽!!!(・▽・) |
観賞データ | 2003年2月18日 渋谷スカラにて |