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監督 ニック・カサヴェテス
主演 デンゼル・ワシントン
ロバート・デュヴァル
ジェームズ・ウッズ
レイ・リオッタ
[2002年/アメリカ/カラー/118分]
配給:ギャガ・ヒューマックス
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評価 |
★★★☆☆ |
あらすじ |
ある日突然、最愛の息子が心臓病を患い、昏睡状態には陥る。適応されるはずの保険が利かない。会社が社員に内緒で保険のランクを下げていたのだ。オプションでつけていた高額医療保障も受けられない。仕事はリストラされ、パートタイマーに格下げされていた。国の補助も受けられない。その間にも、子供はどんどん弱っていく。 …信じられるのは自分だけだ。男は決断する。「俺が助けてみせる、子どもを死なせない」男の名はジョン・クインシー・アーチボルト。愛称ジョンQ。9ミリベレッタを手に、大病院の救急病棟を占拠。医師、看護婦、患者らを人質に立て篭もった。要求はただ一つ、子どもの命を救うこと、だった。
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レビュー |
現代アメリカの医療制度と保険制度に鋭くメスを入れた作品です。
息子の心臓病の手術をさせるために人質をとって病院に立てこもる男のお話。
この映画におけるデンゼル・ワシントンの演技はやばすぎます。
うますぎて逆に嫌になるくらい!それぐらいの演技を見せてくれます。
ところが映画自体は中途半端でした。
映画の核となる立てこもりのシーンが見ていて全然面白くないんですよね。
だってジョンは息子の命を助けたい。人質を殺すなんて事は口には出すけどやるはずがない。ロバート・デュヴァル演じる交渉役の警部もそれはわかっています。ジェームズ・ウッズ演じる人質になったお金第一主義の医師も自分が死ねば手術は出来なくなるので殺されはしないことはわかっている。そんでもってジョンは根が善人なので人質になったその他の人とも心が通じます。
こんなかんじなもんで立てこもり事件になっても観ている方には全然緊迫感がありません。唯一レイ・リオッタ演じる上司がジョンを射殺しようとしますが焼け石に水です。
そんなかんじでたいした盛り上がりもなく映画は優等生的に終わってしまいます。その辺が少し消化不良な作品でした。
本編では冷酷だった医師が子供の一言で医者の本分を思い出すシーンがなぜかカットされちゃっています。だから映画を観ていると医師が急に良い人になっちゃってるんです・・・おいおい。そこはカットしちゃだめでしょうが・・・
良い役者をそろえているのにデンゼルワシントン以外はうまく描かれてないのでもったいなかったと思います。
もはやデンゼルの1人舞台!アカデミー賞級の演技だけが印象に残る映画でした。
題名は『ジョンQ 最後の決断』
この最後の決断ってのが邪魔。いまだにこんな副題をつけるなんて・・ |
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2003年9月5日 レンタルDVDにて |