監督 チャン・イーモウ 主演 ジェット・リー トニー・レオン マギー・チャン チャン・ツィイー ドニー・イエン [2002年/香港‐中国/カラー/99分] 配給:ワーナー・ブラザーズ映画 |
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評価 | ★★☆☆☆ |
あらすじ | 戦乱の中国。後に始皇帝となる秦王のもとに、無名と名乗るひとりの男が、一本の槍と二本の剣を持って現れた。それは秦王の命を狙う3人の暗殺者、長空、残剣、飛雪の武器。最強の刺客たちを倒した無名は、秦王への謁見を許され、3人を討った経緯を話し始めた。恋人同士だった残剣と飛雪。その愛と嫉妬を利用して3人を殺した、と語る無名。しかし秦王は、無名の言葉に裏があることを見抜き、問いただす。すると無名はこれまでとはまったく別の物語を語りだした…。 |
レビュー | あの『初恋の来た道』のチャン・イーモウ監督の最新作。 この監督がアクション大作映画??と一抹の不安がよぎりますがご安心を! ちゃんとチャン・イーモウらしい映画になっています。 彼の持ち味である圧倒的映像美は今回ワダエミの衣装によって更にその豪華さを増しています。 話の展開に合わせて赤、藍色、白、緑、黒とそれぞれの色に意味を持たせて、観るものを魅了します。たしかにきれいだな〜と思いました! そんなかんじで今までの作品と同じく今回も中国の広大な台地を背景に中国の武侠小説を映像化しているわけです。そのせいか話し自体は日本で言う昔話みたいなかんじなので稚拙なかんじです。 役者陣もオールキャスト!アジアの有名どころ全員集合で夢の顔合わせ状態。 残念ながら話がしょぼいせいで彼らの必死の演技は見ているほうに全く響きません。残剣と飛雪の悲劇の恋模様などは人物描写がなされていないため感情移入は全く出来ず見ていてはっきりいってウザイです。(−。−) まぁ、その辺は中国の昔話を聞かせてもらいました〜て思えばしょうがないか。 ところがこの映画、予告編では完全にアクション娯楽色を前面に出して客集めをしているところが大問題です。あんたあの予告見たらアクション好きは胸が高鳴るっつーの!ところが肝心のアクションシーンはその全てが中途半端。 確かにワイヤーアクションを使ったアクションシーンは見ていて面白いんだけど、そもそもアクション映画ではないのであまり盛り上がらず終わってしまいます。 配給会社は興行収入50億目指すとかなんとか言ってますが、そういう映画じゃあないでしょう。 アクションシーンだけを面白そうに繋いで作った予告編をばんばん流して、とりあえずはなんとか300万人近い人間を映画館に集めればいいんだ〜てかんじですかね。りっぱな詐欺です。 前半の無名と長空の対決シーンまでが見もので後はチャン・イーモウ節炸裂の中国昔話ですので、『グリーン・ディスティニー』の様なアクション映画と思って見に行くと 『(>0<)アイヤ〜』となりますのでご注意を。 ところで始皇帝、あんたそんだけ強けりゃ刺客を恐れるなよ・・・ |
観賞データ | 2003年8月30日 益田中央にて |