|
監督 佐々部清
原作 横山秀夫
主演 寺尾聡
原田美枝子
柴田恭平
樹木希林
吉岡秀隆
[2003年/日本/カラー/121分]
配給:東映 |
評価 |
★★★★☆ |
あらすじ |
元捜査一課の警部で現在は警察学校の教職に就く梶聡一郎が、妻を殺害したとして自首してきた。聴取を担当するのは捜査一課のエース・志木刑事。梶の自供によれば、アルツハイマー病に苦しむ妻・啓子の「殺して欲しい」という嘆願に、止むに止まれず首を絞めたという。だが謎が残った。梶が出頭したのは事件の3日後だったのだ。空白の2日間に何があったのか。梶の人柄を信じる志木は粘り強く尋ねるが、梶は頑なに黙秘を続ける。やがてマスコミが騒ぎ始めると、事態の収拾に焦る県警幹部は、供述の偽装を画策する…。
|
レビュー |
原作は30万部を超える横山秀夫のベストセラー。
監督は『日はまた昇る』でなかなかの仕事を見せてくれた佐々部清。
さて肝心の空白の2日間に何が隠されているのか?そのオチ自体に賛否両論はあるとは思います。けど僕敵には肯定派ですね。
ネタばれになるので詳しくは書けないですが確かに腑に落ちない点はあるかもしれません。引っ張るだけ引っ張っておいて・・・と見る人もいるでしょう。
でも現実にありえそう?という観点から見るならば大いにありえそうです。
さて監督の佐々部さん、前作『日はまた昇る』の時もそうですがこれといって突出した演出や奇抜なものは何もありません。が、地に根を張ったような職人のような作品作りが大変好感をもてます。
俳優陣の演技も合格。
寺尾聡はまちがいなく主演男優賞を受賞するであろうレベルの演技を見せてくれています。台詞は少ないのにたいしたもんだなぁ・・
『雨あがる』や『阿弥陀堂だより』で着実にレベルアップしてきてます。もう名優の域にまで来ています。
ルビーの指輪がかすんでしまうぐらい(^−^)
樹木希林も最近ロクな役がなかったんですがこの映画の演技をみるとこの人はやっぱり相当な実力者だと再認識させられました。
もう1人、柴田恭平。あぶない刑事が普通の刑事役を演じていますが・・・・・・・しぶい!いける!!うんうん!この人案外こなせるじゃないっすか!というのが率直な感想。これならもっとドンドン俳優としての仕事が来ることでしょう!
てなかんじでこの映画はとにかく俳優陣が質の高い演技を見せてくれます。
映画の始まりから感動の法廷でのラストシーン。そしてきわめつけの森山直太郎のエンディングテーマ曲が流れるまでどっぷりじっくりはまらせてもらいました。余韻のしっかり残る秀作です。おすすめします。
ちなみに原作は読んでない方がいいでしょう。
もひとつおまけに老人介護をやったことのある人もしくは家族に介護を必要とする人がいる環境の人はハンカチなしでは見れないかもしれませんのであしからず(TへT) |
観賞データ |
2004年11月10日
レンタルDVD |