監督 ロジャー・ミッチェル
 主演 ベン・アフレック
    サミュエル・L・ジャクソン
    ウィリアム・ハート
 [2002年/アメリカ/カラー/98分]
 配給:UIP
評価 ★★★★☆
あらすじ ニューヨーク、マンハッタン。2台の車が、それぞれの運命を抱えて走っていた。1台に乗っているのは弁護士のギャビン。彼は1億7千万ドルをかけた重要な裁判を控え裁判所に急いでいた。もう一方の車に乗っていたのはドイルという男。アルコール依存症のせいで妻子と別居中の彼は、親権を巡った裁判に出るために車を走らせていた。それぞれの目的を抱えて裁判所に急ぐ2人が隣り合った車線に並んだとき、それは起こった。急ぐギャビンが無理な車線変更を行ったため、ドイルの車に自分の車を接触させてしまったのだ。分離帯に衝突するドイルの車。ドイルは保険の手続きを頼むが、ギャビンはそれを無視して小切手で済ませ、そのまま走り去ってしまう。車がなければ裁判にはとても間に合わない。途方に暮れるドイル。だがふと足下を見ると、そこにはギャビンの落とした重要なファイルがあった・・
レビュー この映画予告編で観たときは車の接触事故が原因で2人の男が憎しみ合い復讐するサスペンス物ってかんじがしてたのでいまいち見たいとは思ってなかった作品。ところがどっこいこれがなかなかいい映画で意外でした。
ただ復讐しあうパニック物ではなく、人間の善悪、妥協、人生における選択、といったいろいろな真面目なテーマをたった98分の中で見事に描いているんです。とにかく脚本がいいんですね!2人のいざこざが話の中心でその他にドイルの家庭問題の話、弁護士ギャビンの担当する裁判をめぐる話、この2つの問題が車の接触事故で更に深刻になってしまいます。ところが人間万事塞翁が馬ってかんじでこの接触事故で逆に2人はもっと大切なことに気がついていくんですね。
この辺が見ていて本当に面白かったです。
演技陣も合格点。サミュエル・L・ジャクソンはまぁうまいのは当たり前だけど
今回は特に好演していたと思います。もう1人の主人公を演じるベン・アフレックもこれまたグー!こいつってこんなにいい演技できたのね。というか今回の若い弁護士役がはまり役だったです。あと脇役でウイリアム・ハートがちょこっと登場します。久しぶりに見たな〜と思ってたら頭が大分薄くなっちゃっててびっくりしました。今後主役の仕事が来るのかどうか気になります。けど脇役でいい味出すほうがこの人の持ち味が出せるような気もします。
最後の終わり方もしつこくなくあっさりと。多くを語らず方式でエンドクレジットが流れます。こういう終わり方めちゃくちゃかっこいい!!台詞一切なしで表情だけで見せてくれるサミュエル・L・ジャクソンにあっぱれな終わり方でした
見ていない人はぜひぜひ!!
観賞データ 2003年9月16日  レンタルビデオにて
辛口映画レビュー