辛口映画レビュー
バーバーチラシ1 監督・脚本 ジョエル・コーエン             
製作・脚本 イーサン・コーエン
主演 ビリー・ボブ・ソーントン
    フランシス・マクドーマンド
[2001年/アメリカ/カラー/101分]
配給:アスミック・エース

第54回カンヌ国際映画祭 最優秀監督賞受賞
評価 ★★☆☆☆
あらすじ 1949年夏、北カリフォルニア、サンタ・ローザ。
 エド・クレインは、妻の兄フランクが経営する小さな床屋で働いている。もともと床屋だった訳ではなく、結婚してたまたま得た職業だ。喋りっぱなしの義兄、代わり映えのない仕事、漠然とした不満の中でただ過ぎていく毎日。
 妻ドリスはデパートの帳簿係。金の出入りを付ける仕事を楽しみ、店の高級品を1割引で手に入れ、火曜の夜は教会でビンゴに没頭する。ドリスのボスであるデイヴもまた、エドと同様に、デパートの跡継ぎ娘と結婚してその座を得た。自分の戦争体験をひけらかし、英雄気取りで大意張り。店の景気は良く、ドリスを新しい支店の支配人にと考えている。エドはデイヴと妻が深い関係にあることに気づき始めていた。
 ある日の閉店間際、見知らぬ客が理髪店を訪れる。100%人毛の高価なカツラをまとったそのセールスマン、クレイトン・トリヴァーは、ベンチャー・ビジネスの契約でこの町にやって来たが、契約相手の都合で話がパアになったとぼやく。“ドライ・クリーニング”……資金1万ドル。まったく新しい清潔産業。明るい未来。「これで俺の人生は変わるのか?」
 早速エドは不倫をネタにデイヴに金を要求する。しかし、そのちょっとした恐喝は様々な悪夢を巻き起こし、事態は思いもよらぬ方向へ。壊れ始めたエドの運命は、どんな結末を迎えるのだろうか……?
レビュー 僕は以前からコーエン兄弟の映画はイマイチ好きじゃあないがとりあえず観賞。
感想はう〜〜ん。やっぱりこの兄弟の映画だねって感じ。
確かに全編モノクロームで観ている者を引き付けてやまない力がこの映画にはあるのは認めます。
変化のない人生から少しでもみ出ようとした男の行動がどんどん破滅的な人生へと転がり落ちていく様をスローモーションを多用しながら実に映画的に見せてくれます。劇中流れるベートーヴェンのピアノソナタも映画の雰囲気を盛り上げてくれますし、主演のビリー・ボブ・ソーントンも無口な理髪師を好演しています。けど肝心のストーリーが面白くないんだからしょうがない。
どうみても怪しいハゲおやじにだまされた主人公の日常生活が破綻してまわりの人間がどんどん死んでいきます。何の変哲もない幽霊みたいなただの散髪屋が破滅していく様を2時間見せられて、こっちはどうしろ?っていうのよ。
『ファーゴ』もそんな映画だったけど、人間の愚かさと滑稽さとを皮肉たっぷりに描いていらっしゃるつもりでしょうが、つまらんもんはつまらない。以上。
観賞データ 2003年7月15日  レンタルビデオ