辛口映画レビュー
  原作 小山ゆう               
  監督 北村龍平
  主演 上戸 彩  成宮寛貴  小橋賢児  金子貴俊
      石垣琢磨  小栗 旬  オダギリジョー
      岡本 綾  竹中直人  原田芳雄   
  [2003年/日本/カラー/142分]
  「あずみ」製作委員会 日本ヘラルド映画 TBS 電通 小学館 
                アミューズピクチャーズ 東宝 イマジカ
  配給:東宝
評価 ★★☆☆☆
あらすじ 日本中が戦乱に明け暮れ、罪無き人々の犠牲も絶えぬ戦国時代。織田信長、豊臣秀吉の出現で、一旦は落ち着きつつあったが、秀吉の死後、天下の覇権を巡って世情は混沌としていった。1600年、旧豊臣家臣の中で優位に立ちたい石田三成は、兵を挙げ、徳川家康軍と対決。世に言う「関ヶ原の合戦」が勃発した。だが、豊臣恩顧の大名たちの協力も十分に得られず、三成は敗退。天下の大勢は決したかに見えた。しかし。秀吉の遺児・秀頼が成人の後は、秀頼が天下を治めるべきと考える有力大名も多く、徳川の覇権は決して磐石なものではなかった。またもや人々の生活を蹂躙する戦乱の世がやってくるのだろうか。
 戦乱の中で親を失い、孤児となった幼子「あずみ」(上戸彩)は、その素質に目をつけた爺(原田芳雄)に拾われ、仲間と共に、最強の戦士となるべく過酷な修練を積んで育てられた。爺(実の名を小幡月斎)は、徳川家康の側近であり生き仏といわれるほど人々の信頼厚い高僧・南光坊天海(佐藤慶)から「罪無き人々の幸せを奪う惨い戦(むごいいくさ)を終結させるため、反乱を起こそうとする者を事前に抹殺する最強の戦士を育てて欲しい」という密命を受けていた。
レビュー このあずみ、原作のコミックを読んだ時これはその辺のハリウッド映画よりぜんぜん面白い!と思ったものです。そのあずみがいよいよ映画化。しかも監督はあの北村龍平監督です!この監督前作『ヴァーサス』がスンバらしい出来だったのでこれは絶対期待できる!!と思い映画館へ行きました。
結論から言うと超駄作でした。あの『ヴァーサス』の北村監督はどこへ!?!
しょぼい・・しょぼすぎる・・・・
まず主人公のあずみがぜんぜん強くないんです。ただ単に相手が斬られに来てくれてるだけ。ただ上戸彩は決められた動作をしているだけ。だから緊迫感もないし爽快感も全くないんです。バサ!ブァサァ〜〜!!て効果音で盛り上げてるだけなので見てる方はぜんぜん面白くも何ともないんです。それを2時間半近くやられるんだから映画館まで行って高い金払ったほうはどんどん腹が立ってきます。こんな殺陣じゃあ客はごまかせませんよ??まだ暴れん坊将軍の方が100倍強いって。そんなんだからラストの200人斬りもぜ〜〜んぜん盛り上がりません。
あずみの仲間たちもおんなじ。原作では仲間も相当強いんです。けど所詮は今売れっ子の美男子を集めただけですね。殺陣なんかぜんぜんなっちゃあないっす。
んじゃ〜ドラマの方はどうか?というとこれも全然なっちゃあない。もっと人物描写をしっかり描かないとこっちは感情移入できません。
岡本綾演じるやえちゃんがあずみを説得するシーン一つとってもあんたらさっき会ったばっかりじゃん。なんでそこまで心を通じ合わせてんだよ・・(−。−)しら〜ってかんじ。
竹中直人なんていつもどうりの大げさな演技で笑ってるだけだし。
原田芳雄演じる爺は何にも考えず敵のアジトに乗り込んでつかまっちゃったあげくに、弟子たちに『逃げろ〜〜〜!!逃げるんだ〜〜』って・・・あんた無責任だよ・・それじゃあ・・
唯一良かったのはオダギリジョー扮する美女丸ですね。キャラはまぁ原作どうりでしたが人を斬るシーンは衣装に似合わず体を大きく使って殺陣をやっているので本当に強く見えました。
もう一人ましだったのは北村一輝扮する井上勘兵衛ですかね。出てくるだけで映画がしまります。ていうか役者なんだからそれができて当たり前。
あとワイヤーワーク使ってるシーン?みたいなのがあるんですが、出来上がったものを見てあれでいいと思ったんですか?北村さん・・飛猿が爆発で空に吹き飛ばされるシーン。あれでいいんですか?
記者会見で『ただ事じゃあない映画を作る』っていわれてましたが・・・それにしてはしょぼいです。この映画海外配給もされるそうですがやめてほしいですね。恥かくだけですよ。
まぁとにかく駄作でした。間違っても映画館では見るものではないです。これは上戸綾には責任無いです。監督の力のなさに責任があると思います。彼女の演技は言われてるほどひどくはなかったですよ。
TUTAYAの100円レンタルなら見てもいいですね。ひまつぶしに。
てか金返せ!!!(・3・)
観賞データ 2003年5月18日(土)
新宿スカラにて