
拝啓 向秋のみぎり 東京教区北選挙区の御法中の皆様におかれましてはご健勝にて二利ご双行のことと拝察申しあげます。
さて、去る八月五日から七日までの三日間、第二百八十七回臨時宗会が開催され、不二川総局より「財務議決議案」一件、「同意案件」一件が上程され、慎重審議の結果、全議案可決されました。ここにその概要をご報告申し上げます。
総長挨拶
宗会初日の総長挨拶にて不二川総長から、御影堂平成大修復事業については、現在、内陣床の漆工事、畳の敷き込み、障子紙貼りなどを行い、本年末に御影堂関連のすべての工事が終了いたすことになり、明年四月一日に御動座法要を、翌二日に御影堂平成大修復完成奉告法要を厳修し、さらに五月二十二日より二十六日まで御影堂平成大修復完成慶讃法要を厳修すると報告されました。
また、親鸞聖人七百五十回大遠忌法要の本山法要については、従来のご本山の法要ではみられなかった構成と手法を取り入れた「宗祖讃仰作法」がご制定賜り、今後は、この新たなご法要内容について、宗門内への周知と普及に努め、併せて大遠忌法要への参拝計画や基本日程等の準備を進めてまいりたいと報告されました。
なお、大遠忌のご懇志につきましては八月四日現在、二百三十三億五千四百二十万八千九百九十四円のご進納をいただいており、誠に有難く深く御礼申し上げますとの言葉がありました。
財務議決議案の内容
このたびの臨時宗会に提出された財務議決議案は「平成二十年度浄土真宗本願寺派歳計予算更正案」一件です。
すでにご案内の通り、新門様は本年四月より築地別院副住職に御就任賜り、首都圏を中心とした伝道活動の先頭にお立ちいただいておりますが、今般、親鸞聖人七百五十回大遠忌のお待ち受け気運の高揚と御法要の円成を期して、新門様に教区のご巡回並びに直属寺院をご巡拝頂くこととなりました。なお、築地別院は新門様が副住職に御就任いただいておりますことから、ご巡拝から除外されますが、東京教区のご巡回につきましては、同様の集いを開催頂く方向で検討しているとの説明がありました。
ご巡回・ご巡拝は、日帰りを含め二泊三日までを基本に実施する予定で、本年秋から明後年三月までの二会計年度にわたり、本年度は三十会所、次年度は四十会所を順次ご巡回・ご巡拝いただく予定です。そのために、本年度予算として二千三百万円が計上されました。
同意案件の内容
同意案件は「平成二十年度特別会計親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画推進費歳計予算歳出第二款第三項「教線拡充対応費」中、「ポータルサイト運営・維持費」及び「首都圏宗務機能拡充費」の執行計画について宗会の同意を求める件」一件です。
先の第二百八十六回定期宗会において、「親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画費に関連致しましては、第二款第三項教線拡充対応費中、首都圏宗務機能拡充費八億一千万円並びにポータルサイト運営・維持費三千百万円につきましては、今後しかるべき時期に、宗会において、説明・報告させていただく所存であります」との総長答弁がなされましたが、このことを受けてこのたび、その執行計画内容が説明され、宗会の同意を得たいとのことであります。本議案は財務特別委員会にて審議されました。
まず、本年五月末をもって、サイトの運用を停止している「ポータルサイト運営・維持費」に関して、当初総局は「本年度中には、維持費の軽減化を含めた具体的運営のプランの策定を行い、再起動を目指す」としていましたが、委員会の審議を受けて「本年度中に、維持費の軽減化を含めた具体的運営プランの策定を行う」と当局修正を行いました。また、財務特別委員会で、「ポータルサイト運営・維持費」については、本件事業の計画・運用にあたるまでの事務手続きに不明な点がみられるため、別途「特別委員会」を設置し、「ポータルサイト」事業等に関する総合調査をしていただきたいとの強い要望が出されました。この要望を受けて、八月七日の本会議に調査委員会設置の動議が提出され、宗会議員十三名から構成される「ポータルサイト等宗会調査特別委員会」が設置されました。
次に、「首都圏宗務機能拡充費」八億一千万円の執行計画についてですが、この計画はおおよそ次の三点からなります。
第一点は、築地別院の第一伝道会館三階部分の宿泊施設を廃し、首都圏センターをはじめとする事務所に転用する。そのため本年度予算に五千六百万円を計上する。なお、当案件については、本年七月七日に開催された東京教区の第一回組長会、並びに七月九日に開催された東京教区の第一回教区会議員協議会で了承された議事録(抜粋)が財務特別委員会請求資料として提出されました。
第二点は、築地別院境内駐車場北側に三階建ての新庁舎を建設するとともに、駐車場の一部移設(第一伝道会館裏側に機械式駐車場を設置する)など、境内地の一新をはかる。そのため本年度予算に四億円を計上する。
第三点は、別院の分院である、慈光院の再建計画に連動して職員住宅を併設する。そのため本年度予算に三億五千万円を計上する。
その他、専門委員会開催経費三百万円、調査費等の諸費百万円、合計八億一千万円です。
なお、財務特別委員会において、私から、「首都圏の宗務機能の拡充」に関して、現場となる東京教区の意見を取り入れながら宗務を推進していただきたい旨、また、築地別院の親鸞聖人七百五十回大遠忌法要に関する事業と宗派が推進する親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画に関する事業が混同されることがないよう要望いたしました。
参考までに、財務特別委員会請求資料の中から、「首都圏宗務機能拡充費」に関連して「築地別院整備計画配置図」「首都圏宗務機能拡充整備計画予算」、並びに「ポータルサイト運営・維持費」に関連して「新規教線年度支出累計内訳」のコピーを別添いたします。
上程議案に対する質疑
今般の臨時宗会は当初二日間の予定でしたが、上程議案に対する浅野弘毅議員(四州教区・五期)と武田昭英議員(安芸教区・五期)の質疑で紛糾し、一日会期が延長されました。
浅野議員は、ポータルサイトの運営に関連して、平成十八年六月二十八日起案による、築地別院教化活動の事業見直し及び拡充を図ることを目的として輪番の諮問に答えるために設置された「別院教化拡充委員会」は、「直属寺院規程」第二十一条の「総長の承認」を得ていないので法規違反ではないかと問いました。それに対し総局は「当委員会は直属寺院規程第二十一条の適用されない委員会である」(要旨)と答弁しました。
また、武田議員は、先の第二百八十六回定期宗会最終日の平成二十年二月二十七日に、不二川総長より木下議長へ表明されたというメモの内容を問いました。それに対して不二川総長は、「私は常日頃からいつでも必要があれば重大な政治的決断をするつもりで宗務を行っているとの決意である」(要旨)と答弁しました。
両議員は、総局・総長の答弁に納得せず本会議は紛糾しましたが、臨宗二日目午前の本会議中、門徒宗会議員より動議が提出され、上程議案に対する質疑は打ち切り、上程議案は委員会に付託されました。
なお、私は上程議案に対する質疑の中で、「新門様 教区ご巡回並びに直属寺院ご巡拝大綱(案)」に関して、ご巡回・ご巡拝の「参集者」が、概ね教区内及び直属寺院の「役職者」などであり、提案された「大綱(案)」の通りご巡回・ご巡拝が実施されると参加者は男性ばかりになる可能性があるので、坊守・寺族女性・女性門信徒も参加できるよう充分配慮するよう総局に要望いたしました。関連して、財務議決議案を審議した予算委員会においても同僚議員から、「このたびのご巡回並びにご巡拝に際しては、新裏方さまにもご同行いただくよう、宗会の総意として、総局からその思いを要請していただきたい」、さらに、「参集者について、範囲の拡大や、全体の三分の一以上が女性の参加者となるよう、その対応について必要な措置を講じること」という要望が出されました。
以上、誠に粗略ではございますが、今般の臨時宗会のご報告とさせていただきます。
時節柄、御身くれぐれもご自愛下さいますよう念じあげます。
二〇〇八(平成二十)年八月二十一日
宗会議員 池 田 行 信
東京教区北選挙区
御法中の皆様へ
拝啓 軽暖の候、東京教区北選挙区の御法中の皆様におかれましてはご健勝にて二利ご双行のことと拝察申しあげます。
さて、去る二月十九日から二月二十七日までの九日間、第二百八十六回定期宗会が開催され、通告質問に引き続き、不二川総局より「法規議案」十二件、「財務議決議案」六十六件、「同意案件」二件、並びに「請願」(東京教区中ブロック僧侶有志 代表者荒川智行氏よりの請願)一件が上程され、慎重審議の結果、全議案可決されました。ここにその概要をご報告申し上げます。
総長挨拶
宗会初日の総長挨拶にて不二川総長は、来る四月より新門様が新裏方様と東京にお住まいになられ、本願寺築地別院を拠点に首都圏において多岐にわたるご教導を賜ることになったこと。第二十三代宗主勝如上人(前門様)の七回忌法要を、本年六月十一日より十四日まで四日間にわたり本山総御堂で厳修することが報告されました。
また、基幹運動推進に関して、明年度は組相談員研修会を開催する予定であること。さらに、第五回本願寺派スカウトキャンポリー、第十二回全国布教使大会、第十三回ビハーラ活動全国集会等が開催予定であること。京都府城陽市の特別養護老人ホーム「ビハーラ本願寺」と有床診療所「あそかビハーラクリニック」が、本年四月に開所の予定であるとの報告がありました。
なお、昨年九月の第二百八十四回臨時宗会にて宗門の最高法規である「宗制」が約六十年ぶりに変更され、本年四月より施行されますが、「宗法」の改正については、その期限的な目処について二〇一一(平成二十三)年にお迎えする親鸞聖人七百五十回大遠忌までに実施したいとの意向が示されました。
通告質問要旨
二十日午前より二十一日昼まで五名の議員から総局への通告質問がありました。その概要は、「あんのん医療保険の今後の取り組みについて」「ジッポウに関する件」「超高齢社会の到来と伝道について」「賦課金の見直しについて」「直属寺院の崇教区域について」等です。
毎定期宗会の通告質問は、私が宗会に出席するようになってからでも、毎回、十二名から十五名の通告質問がありましたが、今次定期宗会の通告質問の少なさは近年にないことのようです。
法規議案の主な内容
このたびの定期宗会には十二件(「宗教法人「本願寺」寺法中一部変更案」「山号「龍谷山」制定に関する寺法細則案」「寺院振興対策基本規程宗則案」「寺院振興金庫設置規程宗則案」「浄土真宗本願寺派宗制変更に伴う諸宗則の整備に関する宗則案」「懲戒規程の一部を変更する宗則案」「服制規程の一部を変更する宗則案」「審判規程の一部を変更する宗則案」「直属寺院規程の一部を変更する宗則案」「本願寺御影堂平成大修復推進特別措置規程の一部を変更する宗則案」「総局部門宗務組織規程の一部を変更する宗則案」「賦課金規程の一部を変更する宗則案」)の法規議案が提出され、慎重審査の結果、全議案可決されました。
その中、「宗教法人「本願寺」寺法中一部変更」は宗教法人「本願寺角坊別院」を宗教法人「本願寺」に吸収合併し、「角坊」として本願寺の飛地境内建物に追加するものです。
「山号「龍谷山」制定に関する寺法細則」は、「龍谷山」という本願寺の山号の法的根拠を明らかにするためのものです。
「寺院振興対策基本規程宗則」「寺院振興金庫設置規程宗則」は、寺院の活性化対策及び過疎・過密対策を推進し、伝道教化基盤の充実振興を図るため、必要な運営体制及び財的措置等の基本的指針を定めるものです。
「直属寺院規程の一部を変更する宗則」は、直属寺院に副住職を置くことができるものとし、新門様に本願寺築地別院の副住職にご就任いただくものです。
財務議決議案の主な内容
今次定期宗会は平成二十年度の、いわゆる予算宗会で、財務議決議案六十六件、同意案件二件、合計六十八件が提出されました。
財務議決議案は、平成二十年度各種歳計予算案並びに平成十九年度各種歳計予算追加更正案の五十八件(「浄土真宗本願寺派本願寺歳計予算案」「浄土真宗本願寺派歳計予算案」「門徒講費歳計予算案」「中央仏教学院費歳計予算案」「東京仏教学院費歳計予算案」「本願寺中央幼稚園費歳計予算案」「龍谷学事振興金庫歳計予算案」「出版事業費歳計予算案」「聞法施設費歳計予算案」「大谷本廟無量寿堂推進事業費歳計予算案」「共済制度運用費歳計予算案」「宗門福祉共済閉鎖年金費歳計予算案」「幼児教育振興共済金庫歳計予算案」「百華金庫歳計予算案」「国際伝道推進金庫歳計予算案」「宗務員退職積立金歳計予算案」「平衡資金歳計予算案」「宗門振興推進金庫歳計予算案」「直属寺院振興助成金庫歳計予算案」「宗門社会福祉事業等助成資金歳計予算案」「無量寿堂維持基金歳計予算案」「本願寺重要文化財保護管理基金歳計予算案」「災害対策金庫歳計予算案」「宗門人材育成基金歳計予算案」「本願寺御影堂平成大修復推進費総合収支計画変更案」「本願寺御影堂平成大修復推進費歳計予算案」「ビハーラ活動推進貸付資金歳計予算案」「寺院振興金庫歳計予算案」「浄土真宗本願寺派本願寺歳計予算案」「浄土真宗本願寺派歳計予算追加更正案」「門徒講費歳計予算追加更正案」「中央仏教学院費歳計予算追加更正案」「東京仏教学院費歳計予算更正案」「本願寺中央幼稚園費歳計予算更正案」「通信教育費歳計予算追加更正案」「龍谷学事振興金庫歳計予算追加更正案」「出版事業費歳計予算更正案」「聞法施設費歳計予算追加更正案」「大谷本廟無量寿堂推進事業費歳計予算追加更正案」「共済制度運用費歳計予算追加更正案」「宗門福祉共済閉鎖年金費歳計予算追加更正案」「国内開教振興金庫歳計予算追加更正案」「幼児教育振興金庫歳計予算追加更正案」「百華金庫歳計予算追加更正案」「国際伝道推進金庫歳計予算追加更正案」「宗務員退職積立金歳計予算追加更正案」「平衡資金歳計予算追加案」「宗門振興推進金庫歳計予算追加案」「直属寺院振興助成金庫歳計予算追加案」「宗門社会福祉事業等助成資金歳計予算追加更正案」「無量寿堂維持基金歳計予算追加更正案」「本願寺重要文化財保護管理基金歳計予算追加案」「災害対策金庫歳計予算追加更正案」「宗門人材育成基金歳計予算追加案」「本願寺御影堂平成大修復推進費歳計予算追加更正案」「親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画推進費収支計画変更案」「特別会計親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画推進費歳計予算案」「特別会計親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画推進費歳計予算追加更正案」)、並びに「本願寺境内建物(新参拝施設)新築の件」「本願寺所有地(本願寺同朋センター敷地)無償貸与の件」「本願寺所有建物(本願寺同朋センター)除却の件」「本願寺所有建物(本願寺会館)除却一部変更の件」「本願寺境内建物(御影堂前白洲便所)除却の件」「本願寺境内地模様替(百華園改修工事)の件」「本願寺境内地模様替(式務部棟新築工事等)一部変更の件」「本願寺特別財産及び基本財産変更の件」の八件、さらに「「本願寺」に「本願寺角坊別院」を吸収合併することについて宗会の同意を求める件」「「龍谷ミュージアム」創設事業への助成内容の変更について宗会の同意を求める件」の同意案件二件が提出され、慎重審査の結果、全議案可決されました。
その主な内容は、「平成二十年度浄土真宗本願寺派本願寺歳計予算」で、歳入総計は十九億一千百八十万円を計上し、その歳入のすべてを宗派一般会計に回金いたします。
また、「平成二十年度浄土真宗本願寺派歳計予算」では、経常部・臨時部合わせての歳入総計は、八十億八千万円で、平成十九年度に対して三千万円の増額、率にして約〇・四%の増となります。
東京教区並びに本願寺築地別院に関連して、首都圏教線拡充費をめぐり財務特別委員会が紛糾しました。今回上程された「特別会計親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画推進費歳計予算追加更正案」の第二款三項教線拡充対応費において、五億七千七百五十万円の減額理由は何かとの質問がありました。それに対し、主な減額理由としては、「首都圏宗務庁舎」設置計画延期等が理由であるとの回答がありました。この回答に関して委員からは、第二百八十三回定期宗会財務特別委員会委員長報告により、「明確な積算根拠を示すことなく予算化はできないのではないか、内容を早急に提示してほしいとの強い意見があり、この件については、審議未了にすべき」と示してあるが、本年度予算更正において減額更正をもって事業計画の変更を行うことは、許されるべきではなく、議案として提案する前になすべき事があるのではないかとの強い意見がありました。これらのことを受けて、「特別会計親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画推進費歳計予算案」に関して、審議冒頭に第二款三項教線拡充対応費 新規教線開拓推進費中、ポータルサイト運営・維持費ならびに首都圏宗務機能拡充費について総長から特に発言があり、「親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画費に関連致しましては、第二款三項 教線拡充対応費中、首都圏宗務機能拡充費八億一千万円並びにポータルサイト運営・維持費三千百万円につきましては、今後しかるべき時期に、宗会において、説明・報告させていただく所存であります」との答弁がありました。この点に関連して、予算の執行にあたっては、総局の説明終了後に慎重に執行いただきたいとの強い要望がありました。
また、予算委員会において「平成二十年度浄土真宗本願寺派歳計予算案」の臨時部における第一類五款六項「寺族女性教区代表者研修会費」に関しては、研修会に参加する寺族女性からは、研修会の中で男女共同参画の課題を話し合える場の設定が求められており、さらに各教区代表者の選出についても、男女共同参画を推進するうえからの意欲ある者を、代表者に選出できるような方法を検討してほしいとの意見があることから、この主旨をくみ取った措置を講じてほしい旨の要望がありました。
請願は全員賛成で採択
東京教区中ブロック僧侶有志 代表者荒川智行氏よりの「宗会議員選挙における東京教区の選挙について善処を求める請願」は、請願委員会で審査の結果、本会議に上程され全員賛成で採択されました。なお、本会議での請願委員長報告を左に記します。
第二百八十六回定期宗会におきまして、本委員会に付託されました案件は、請願者 東京教区中ブロック僧侶有志 代表 荒川智行氏、紹介議員池田行信議員による、「宗会議員選挙における東京教区の選挙について善処を求める請願」の一件であります。まず、本委員会では、審査の結果、本請願は本会議で採択した後、総局に回付すべきものと全員一致で決定いたしました。本請願書は既に議員の皆さまには配布されておりますが、僧侶宗会議員選挙において、東京教区は広域教区であり、その選挙区は第三北選挙区及び第三南選挙区とに分かれております。その東京教区内で選挙区が分かれることに関して、派生した課題と問題についての善処を求める請願でございます。委員会では、本請願の紹介議員である池田行信議員より、請願の主旨について説明を求め、僧侶宗会議員選挙において東京教区では、選挙区が分かれることにより、同一教区であっても立会演説会や選挙公報の配布が制限されることは、選挙区は違っていても、課題を共有する同一教区内の有権者として、その各々の選挙区候補者の思いや意志が教区全般に周知されないとの思いからの請願である旨の説明を聞きました。本請願は宗会議員の選挙に関することであり、宗門にとっても大切な提言であると思われますので、本請願提出者の思いを尊重し、現場からの提言として採択し、総局に回付することが適当であると決定いたしました。何卒、議員の皆さまにおかれましては、審査の結果を了とされまして満場一致のご協賛をたまわりますようお願い申し上げ、委員長報告とさせていただきます。尚、足らざるところは同僚委員の方々から補足または訂正をいただきたいと存じます。ご清聴ありがとうございました。
以上、誠に粗略ではございますが、今般の定期宗会のご報告とさせていただきます。
時節柄、御身くれぐれもご自愛下さいますよう念じあげます。
二〇〇八(平成二十)年三月十四日
宗会議員 池 田 行 信
東京教区北選挙区
御法中の皆様へ
※私の宗会報告は慈願寺のホームページ( http://park19.wakwak.com/~jiganji/ )でもご覧い ただけます。
※全日本仏教会の機関誌『全仏』三月号に掲載の拙稿を同封いたします。ご一読いただければ幸甚に存じます。なお、機関誌『全仏』は年十回発行、購読料は年千円です。
ご講読の申し込みは、〒一〇五ー〇〇一一 東京都港区芝公園四ー七ー四 明照会館二階 全日本仏教会 電話〇三ー三四三七ー九二七五まで。
全日本仏教会のホームページ( http://www.jbf.ne.jp/index.html )からも申し込みすることが出来ます。
拝啓 暮秋の候、東京教区北選挙区の御法中の皆様におかれましてはご健勝にて二利ご双行のことと拝察申しあげます。
さて、去る十月二十三日から十月三十日までの八日間、第二百八十五回定期宗会が開催され、通告質問に引き続き、不二川総局より「法規議案」三件、「財務承認議案」三十一件、「財務議決議案」三件が上程され、慎重審議の結果、全議案可決されました。ここにその概要をご報告申しあげます。
総長挨拶
宗会初日の総長挨拶にて不二川総長は、先般のミャンマーにおける僧侶・市民のデモに対し軍が発砲し、多くの僧侶が拘束されパゴダ(僧院)が破壊されたことに仏教徒として深い悲しみを覚えるとともに、総長として直ちにミャンマー連邦大使館等に対し「僧侶・市民への殺傷を直ちに中止することを求める声明」を出したとの報告がありました。
また、御影堂のご修復事業の終了は二〇〇九(平成二十一)年三月三十一日でありますが、四月一日にご動座法要を、翌二日に本願寺御影堂平成大修復完成奉告法要を修行し、さらに同年五月二十二日より五日間にわたり本願寺御影堂平成大修復慶讃法要を厳修する予定であるとの報告がありました。
さらに、親鸞聖人七百五十回大遠忌のご懇志は十月二十二日現在、二百十五億四千六百七十五万六千百六十八円のご進納を頂いていることに対して、衷心より御礼申しあげますとの言葉がありました。
最後に、先の第二十一回参議院議員通常選挙に際して「宗門特別推薦」措置を講じた候補者が当選しましたが、今後、総局としては、み教えの繁盛という原点に即して、宗門と国政のあり方について広く意見を頂戴すべく、諮問機関として「宗門の国政選挙への取り組みに関する調査検討委員会」を設置し、審議を開始したところであるとの報告がありました。
総局全面改造
宗会最終日の十月三十日、福永鐵馬副議長の「一身上の都合」による辞職にともない副議長選挙が行われ、岡田満議員(東海・四期)が七十一票、白票一票で副議長に選出されました。翌三十一日には不二川総局の総務が全員退任され、新総局が発足しました。
新総局員は左の通りです。
総長 不二川公勝(備後・四期)
総務 出口湛龍(大阪・五期)、桑羽隆慈(山口・三期)、宮崎憲之(北海道・三期)、藤下恒庸(和歌山・三期)、園城義孝(長崎・二期)
通告質問要旨
二十三日午後より二十五日午後まで、十四名の議員から総局への通告質問がありました。その概要は、「新規教線の開拓に関する件」「あんのん医療保険に関する件」「宗門特別推薦に関する件」「青少年教化活動に関する件」「平成の鏡御影に関する件」「新宗制の件」「真俗二諦についての件」等々です。
その中でも特に問題となりましたのは、次の三点です。
「あんのん医療保険」は宗門を挙げて営利事業に取り組んでいるとの誤解を招くとの意見。さらに「あんのん医療保険」の広告が掲載された『安穏〜京都からのメッセージ〜』について、紙面広告の掲載及び広告料の収益方法、発行元の整合性、予算措置等再検討をすべきであるとの要望があり、第二回目は審議会に諮って進めてまいりたいとの総局答弁がありました。
「鏡御影上村模写」並びに「平成の親鸞聖人オリジナル肖像画」の制作費が上村画伯に未払いであることが明らかとなり、制作業務委託先のラリス株式会社との契約について、金額の内訳等の確認や支払い方法等についての質問があり、この件は契約上、宗派側に瑕疵はないが、道義上、しかるべく対処していきたいとの総局答弁がありました。
また、新規教線の開拓に関連して、宗務首都圏センターでポータルサイトの事業を行ううえでの収支計画(構想)の資料提出がありましたが、この構想については、次回の定期宗会までに、全体計画を策定し、各関係機関に諮った上で取り組んでいくとの総局答弁がありました。
法規議案の主な内容
このたびの定期宗会には三件(「宗会議員選挙規程の一部を変更する宗則案」「門徒総代会規程の一部を変更する宗則案」「親鸞聖人七百五十回大遠忌法要事務所設置規程の一部を変更する宗則案」)の法規議案が提出され、慎重審査の結果、全議案可決されました。
「宗会議員選挙規程の一部を変更する宗則」は、門徒宗会議員選挙制度の改正であります。昭和二十五年に門徒の宗会参画が実現して以来、その選挙制度についての見直しはなされてきませんでした。今回の宗会議員選挙規程の一部変更において、選挙権は、各寺院から一人選出される門徒の組会議員とし、また、被選挙権は、帰敬式を受けた二十五歳以上の門徒となりますが、候補者となる場合には、所属寺院住職の同意とともに、門徒組会議員十人以上の推薦が必要となります。なお、この宗則は、発布の日から起算して四年を経過した後最初に施行される総選挙から施行されます。
「門徒総代会規程の一部を変更する宗則」は、法規上に定めのない任意団体として位置づけられてきた全国門徒総代会を、正式な全国組織、また会議体として法的に位置づけるものです。
「親鸞聖人七百五十回大遠忌法要事務所設置規程の一部を変更する宗則」は、直属寺院が、教区とは別の法要体制において法要事務を推進できるよう措置するものです。
財務承認議案の主な内容
今次定期宗会は平成十八年度の、いわゆる決算宗会で、財務承認議案三十一件、財務議決議案三件の計三十四件が提出されました。
財務承認議案は、平成十八年度各種歳計決算の二十九件(「浄土真宗本願寺派本願寺歳計決算報告」「浄土真宗本願寺派歳計決算報告」「門徒講費歳計決算報告」「中央仏教学院費歳計決算報告」「東京仏教学院費歳計決算報告」「本願寺中央幼稚園費歳計決算報告」「通信教育費歳計決算報告」「龍谷学事振興金庫歳計決算報告」「出版事業費歳計決算報告」「聞法施設費歳計決算報告」「大谷本廟無量寿堂推進事業費歳計決算報告」「共済制度運用費歳計決算報告」「宗門福祉共済閉鎖年金費歳計決算報告」「国内開教振興金庫歳計決算報告」「幼児教育振興共済金庫歳計決算報告」「百華金庫歳計決算報告」「国際伝道推進金庫歳計決算報告」「宗務員退職積立金歳計決算報告」「平衡資金歳計決算報告」「宗門振興推進金庫歳計決算報告」「直属寺院振興助成金庫歳計決算報告」「宗門社会福祉事業等助成資金歳計決算報告」「無量寿堂維持基金歳計決算報告」「本願寺重要文化財保護管理基金歳計決算報告」「災害対策金庫歳計決算報告」「宗門人材育成基金歳計決算報告」「本願寺御影堂平成大修復推進費歳計決算報告」「ビハーラ活動推進貸付資金歳計決算報告」「親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画推進費歳計決算報告」)と、財産目録二件(「本願寺財産目録」「浄土真宗本願寺派財産目録」)の合計三十一件が提出され、慎重審査の結果、全議案可決されました。
その主な内容は、「平成十八年度浄土真宗本願寺派本願寺歳計決算」で、歳入総計は十九億七千四百六十六万三十五円で、予算額に対して、一千二百八十三万九千九百六十五円の減収で、予算達成率は約九十九・四%です。減収の理由は、大谷本廟の永代経懇志や本刹の一般懇志及び一座経懇志が予算を下回ったためです。歳出においては歳入の全額を宗派の経常部・臨時部へ回金しています。
また、「平成十八年度浄土真宗本願寺派歳計決算」では、経常部・臨時部合わせての歳入総計は、八十一億五千二百四十万五千百八十四円で、約九十八・九%の予算達成率となっています。経常部と臨時部の歳出総計は七十六億九百三十九万二千三百四十七円で、約九十二・三%の執行率です。歳入総計から歳出総計を差引ますと、五億四千三百一万二千八百三十七円の余剰が生じましたが、これは歳入減の状況から歳出経費を極力抑制したことや、消費せずに済んだ予備費の未執行等によるものであり、全額平成二十年度へ繰越します。
なお、「平成十八年度浄土真宗本願寺派本願寺歳計決算」「平成十八年度浄土真宗本願寺派歳計決算」並びに財産目録二件を審査した決算委員会で、次のような意見・要望が出されました。
出版物購入費において、『宗報』の編集については、広く一般の政治、経済、文化その他の公共的事項を報道し、論議するとした宗報発行条例に基づき、幅広い宗門の英知を結集した内容となるよう、編集および人選について、充実を求める要望が出されました。
さらに、寺族女性教区代表者研修会費において、研修とは別に寺族女性教区代表者会議の開催を求めるとともに、寺族女性関連の費目を、臨時部ではなく経常部に設けるべきとの要望が出されました。
関連して、仏教婦人会総連盟規約第五条第二項の規定にある寺族婦人相互の研修と婦人会の振興をはかるため、寺族婦人の部会を設けることができるとあり、検討すべきではないかとの意見が出されました。
財務議決議案の主な内容
財務議決議案の「本願寺所有地(本願寺会館敷地)無償貸与の件」「本願寺所有建物(本願寺会館)除却の件」は、宗派の関係学校である学校法人龍谷大学において設置・運営を行う「龍谷ミュージアム」の建設地として、本願寺会館敷地を無償にて同大学に貸与するものです。なお、本願寺会館除却にかかる経費は、龍谷大学が全額支出します。
「本願寺境内建物(旧教学助成財団事務所建物)除却の件」は、老朽化した当該建物を除却するものです。
以上、誠に粗略ではございますが、今般の定期宗会のご報告とさせていただきます。
時節柄、御身くれぐれもご自愛下さいますよう念じあげます。
二〇〇七(平成十九)年十一月十二日
宗会議員 池 田 行 信
東京教区北選挙区
御法中の皆様へ
※私の宗会報告は慈願寺のホームページ(http://park19.wakwak.com/~jiganji/)でも御覧いただけます。
(参考)「宗政報告会」のご案内
と き … 二〇〇七(平成十九)年十二月十四日(金)
午後 三時より
ところ … 築地別院 第二伝道会館「瑞鳳」にて
一、宗政報告 宗会議員 池田行信
宗会議員 石上智康
二、記念講演 参議院議員 藤谷光信先生
三、忘年懇親会 孔雀・鳳凰にて 会費 三〇〇〇円
※同封の葉書にて十二月十二日までに、出欠のご返信をいただければ幸甚に存じます。
拝啓 清秋の候 東京教区北選挙区の御法中の皆様におかれましてはご健勝にて二利ご双行のことと拝察申しあげます。
さて、去る九月十三日から二十日までの八日間、第二百八十四回臨時宗会が開催され、不二川総局より「法規議案」三件が上程されました。ここにその概要をご報告申しあげます。
このたびの臨時宗会に提出された法規議案は「浄土真宗本願寺派宗制変更案」、及び宗制変更に付随した関連条文の整備を行う「浄土真宗本願寺派宗法中一部変更案」「宗教法人「浄土真宗本願寺派」宗規中一部変更案」の三件です。
今回の臨時宗会は、昭和二十一年九月十一日に発布されてより六十年間、一度も変更されたことのない宗門の最高法規として位置づけられる「宗制」変更案の審議であることから、「宗制改正等特別委員会」(委員数二十五名)を設置し、慎重に審議を行いました。当初の会期は九月十三日から十五日までの三日間でしたが、「宗制改正等特別委員会」において、多岐にわたる意見・要望等が出され、慎重審議を期するため、会期を五日間延長し(十六日・十七日・十八日の三日間は休日並びに千鳥ケ淵法要のため休会)、一部総局修正が加えられ、全議案可決されました。なお、このたび可決された新宗制につきましては、別添「「浄土真宗本願寺派宗制」新旧対照条文表」をご参照下さい。
宗制改正等特別委員会での主な論点
「宗制改正等特別委員会」での主な論点は二つです。
第一点は、「宗門における門主及び歴代宗主の位置づけ」の問題です。すなわち、「第二章 聖教」で歴代宗主の撰述が、一部を除いて「宗祖の撰述に準ずる」扱いから外されることになり、門主の権限や歴代の善知識としての位置づけ等に問題が生じないかとの懸念が出されました。これに対し総局より、「第四章 歴史」に伝灯相承を述べ、また「浄土真宗本願寺派宗法」に門主の地位や宗意安心の裁断権を定めてある。また、消息の扱いについても「浄土真宗本願寺派宗法」第十一条の2として、「門主は、総局の申達によって、教義の弘通のため、又は或る事項について意旨を宣述するため、消息を発布する。」との一条を加えて、消息の定義と位置づけを明らかにすると提案されました。
第二点は、「真俗二諦の解釈」に関する問題です。すなわち、現行の「浄土真宗本願寺派宗法」第九十九条には「宗制の変更は、あらかじめ勧学寮の同意を経なければならない」と明定されています。しかるに、かつて昭和五十九年度の安居の「真俗二諦」判決において、「仏法の真理」と「世俗の真理」とを並列に掲げ、「仏法」と「世法」の使い分けをそのまま肯定・是認した「真俗二諦」判決が出されたが、それは今回の宗制変更にあたっての基本的理念である真俗二諦の見直しの立場と矛盾するのではないか、との疑問。また、今回の「宗制」変更案に勧学寮が同意したことの意義を問う意見が出されました。これに対し総局より、「真俗二諦」判決と今回の宗制変更の理念とは相容れないものであるとの認識が示されました。また勧学寮でも、「真俗二諦」判決の後に「教義論題研究会真俗二諦研究班」を設けて研究を進めてきたものであり、その研究成果に基づいて宗制変更案に勧学寮は同意した旨の説明がありました。
新宗制について
このたび可決され、平成二十年四月一日から施行される新宗制は、「前文」にて宗門の概要を述べ、「第一章 本尊」にて信仰の対象について、「第二章 聖教」にて信仰の拠りどころとなる聖教について、「第三章 教義」にて教義について、「第四章 歴史」にて本願寺教団の成り立ちについて、「第五章 宗範」にて宗門に集う人々の現実生活の範について、「第六章 補足」にて宗制の変更手続きについて、「附則」にて施行期日を、それぞれ定めています。以下、特に留意すべき点についてご報告申しあげます。
まず、現行宗制の「前文」は「宗祖見真大師親鸞聖人」とありますが、新宗制は「本宗門の宗祖親鸞聖人」と改められました。「宗制改正等特別委員会」において「見真大師」の諡号が削除された件について質問があり、これに対し総局は、「見真大師」の諡号は、宗門の成り立ちに直接関わるものではないことから明記を避けたものであるが、それをもって明治天皇から授けられたという事実がなくなるものではなく、その取り扱い等については、今後、総局として、関係機関とも十分協議するとの説明がありました。
「第一章 本尊」では、「本宗門の本尊は、阿弥陀如来(南無阿弥陀仏)一仏である。」となりました。総局の提案理由説明によりますと、阿弥陀如来とともに救済の法そのものである名号を示すことによって、尊号を本尊とする形式を持つ浄土真宗の特色を表し、しかも最も一般的な六字名号を示すことで、九字、十字名号等、尊号を代表させる意図も含意するものであること。また、「一仏」と示すことによって、ほかに信仰の対象はない、信心に二心ないことも明確にするものであるとの趣旨です。なお、安置する「影像」は、信仰の対象として安置するものではなく、浄土真宗の教法を弘通された恩徳に報謝するために安置し礼拝すべきものとの説明がありました。
「第二章 聖教」に関しては、現行宗制では「宗祖の撰述に準ずるもの」を挙げ、「御文章その他歴代宗主の撰述及び宗祖又は歴代宗主の敬重された聖教」をその対象としています。しかし、新宗制ではこの「歴代宗主の撰述」をすべて「宗祖の撰述に準ずる」とすると、平成十六年五月に、宗門の戦時問題への対応として、「宗門が一九三一(昭和六)年から一九四五(昭和二十)年まで、先の戦争に関して発布した消息や直諭・親示・教示・教諭・垂示などは、これを依用しない」旨を「宗令」で、また、これに関連する当時の一連の宗務的措置が、政治の軍国主義化のもと、国策としての戦争や国体護持に協力する中で発布されたものであって、国の侵略戦争に協力したものであったとの反省に立ち、それらの失効を正式に表明した総局見解を「宗告」で発布したことと齟齬をきたしかねないことから、「上記のほか、宗祖の教えを伝承し、その意義を明らかにされた第三代宗主覚如の撰述及び第八代宗主蓮如の『御文章』等、並びに宗祖や第八代宗主蓮如が信心の鑑として敬重された典籍は聖教に準ずる。」とし、覚如・蓮如上人を除き歴代宗主の撰述を「聖教に準ずる」ことから外しました。
また「宗制改正等特別委員会」において、恵信尼様の存在は宗祖や宗門の歴史において外すことは出来ず、宗制上に明らかに示すべきであるとの強い要望が出され、「第四章 歴史」に総局修正により、恵信尼様が加えられました。なお、宗制上の表記を「恵信」とした理由について、総局より、覚如宗主の『口伝鈔』で「恵信御房」とあるなど、本来的に「恵信」という名称であり、「尼」を付するようになったのは後の歴史であることから、宗制では確実な「恵信」という名称によるとし、それ以外で用いる場合、それぞれの判断によって呼称することに差し支えないとの説明がありました。
なお、総局より新宗制の制定にあたり、その解説書の発行などを予定している旨の報告がありましたことを申し添えます。
以上、誠に粗略ではございますが、今般の臨時宗会のご報告とさせていただきます。
時節柄、御身くれぐれもご自愛下さいますよう念じあげます。
二〇〇七(平成十九)年十月一日
宗会議員 池 田 行 信
東京教区北選挙区
御法中の皆様へ
拝啓 春分のみぎり 東京教区北選挙区の御法中の皆様におかれましてはご健勝にて二利ご双行のことと拝察申しあげます。
さて、去る二月二十日から二十八日までの九日間、第二百八十三回定期宗会が開催され、通告質問に引き続き、不二川総局より「法規議案」二十二件、「同意案件」一件、「財務議決議案」五十九件、「財務承認議案」一件が上程されました。ここにその概要をご報告申しあげます。
通告質問要旨
二十一日午前より二十三日正午まで、十五名の議員から総局への通告質問がありました。
私は二十二日の午後登壇し、親鸞聖人七百五十回大遠忌法要をお迎えする歴史観について、「院号の法的整備」の問題についての、二点について質問いたしました。
一、「親鸞聖人七百五十回大遠忌法要」をお迎えする歴史観について
「親鸞聖人七百五十回大遠忌法要」を、総局はどのような歴史観に立ってお迎えしようとしているのか質問しました。
充分納得いく総局答弁が得られませんでしたので、私は以下の意見を要望として申しあげました。
すなわち、「親鸞聖人七百五十回大遠忌法要」にあたって、そのいわれるところの「親鸞聖人」とは、「宗祖としての親鸞聖人」であり、この「宗祖としての親鸞聖人」を、どう理解すべきかについて、宗門内においてコンセンサスがとれていません。
「宗祖としての親鸞聖人」を、どう理解するかを考えるときに、二つの立場があります。その一つは、「親鸞聖人七百五十回大遠忌法要」を、覚如上人の「三代伝持の血脈」の伝統に立って「宗祖としての親鸞聖人」を讃仰する、いわば《宗祖讃仰の立場》に立ってご法要をお迎えしようとするものであります。そして二つには、親鸞聖人が越後に御流罪になった、その《御流罪の御苦労を国家権力からの弾圧》によるものであるという立場に立ってご法要をお迎えする立場です。「念仏法難八百年法要」や「越後御流罪八百年法要」といった、法要のネーミングは、この《御流罪の御苦労を国家権力による弾圧であった》という、いわば《念仏法難の歴史観》に立った法要のネーミングであります。私は、「親鸞聖人七百五十回大遠忌法要」をお迎えするにあたって、この二つの立場の一方のみに偏ることなく、二つの立場をあわせもってご法要をお勤めすべきであると要望しました。
二、「院号の法的整備」の問題について
二月二十日の総長執務方針演説で不二川総長は「院号の法的整備」について、「このたび院号について、その適正な運用をはかるとともに、宗門の護持発展に資することを目的として、法的に整備いたしたく今宗会でご審議頂くことといたしております」と述べました。
なお、この「院号の法的整備」の問題については、二十三日の「院号授与規程宗則案」等の上程議案に対する質疑、並びに法規特別委員会の委員会審議においても質問をいたしました。その内容は多義にわたりますので、それらの質疑の要点を整理してご報告いたします。
(i)院号授与の権限について
二月二十日の総長執務方針演説で不二川総長は、「院号」の「適正な運用をはかる」と述べました。この「院号」授与の実態としては、今日、二つの形態があると思います。その一つは、参拝志納部・勧励志納部編『二〇〇六(平成十八)年度勧励要綱』の「諸懇志及び門徒講扱一覧表」の、本山への二十万円以上の「永代経扱」の一つとして授与される「院号」です。そして二つには、聞き及ぶところによると、篤信者にして、その所属するお寺の護持発展のために、その功労が顕著であった者に対して、葬儀にあたって住職が付ける、いわゆる「その寺院号」です。今回の「院号の法的整備」においては、今後一切、いわゆる「その寺院号」を許さないということですので、その一切許さないとする法的根拠はどこにあるのか質問しました。それに対して、総局は今まで法的根拠がなかったから今回「院号の法的整備」をするとの答弁でした。
(ii)基幹運動推進上の議論について
法規特別委員会において請求資料として提出された「差別法名・過去帳調査総括書(抜粋)」に、院号の問題性が指摘され、また、院号に関する各教区基幹運動推進委員会からの建議では、教区基推委から、中央推進委員会の採択を経て、基幹運動推進本部、すなわち総局に、院号の問題性を指摘する意見が届けられています。しかし、いまだ、基幹運動推進本部では、その対応措置等について結論を得るに至っていません。にもかかわれず、「院号の法的整備」のみを先行させることは、一般寺院の混乱や宗門や宗会への不信を招くものであり、総局が基幹運動推進本部として結論を出した時点で、はじめて「院号の法的整備」を行うべきであると質問しました。しかし、総局は「院号の授与は、宗門が新たに行うという類のものではなく、現在あるものを法的に整備しようとするものであること、また法整備をすることにより、その課題と共通認識を見出す方向性も明らかになる」との答弁でした。つまり、総局は、基幹運動推進上の議論よりも「院号の法的整備」が先であるとの考えのようであります。
(iii)宗門の護持発展とは
「院号授与規程宗則案」には、「院号は、宗門の護持発展に貢献した者又は宗門若しくは社会に対する功労が顕著であると認められる者に、授与する」「院号は、宗門が授与するものであって、これ以外の院号は用いることができない」とあります。そこで「宗門の護持発展」について議論となりました。『宗法』第二条には「この宗門は、親鸞聖人を宗祖と仰ぎ、門主を中心として、宗制に掲げる浄土真宗の教義、本尊及び聖教を信奉し、並びに宗風を遵奉する個人及び本山、寺院、教会その他の団体を包摂し、その教義をひろめ云々」と明定されています。すなわち、『宗法』第二条の「宗門」のなかには、「個人及び本山、寺院、教会その他の団体」が包摂されています。ということは「宗門」とは「本山」だけではありません。『宗法』第二条にいわれる「宗門」とは「個人及び本山、寺院、教会その他の団体」により構成されるものであり、よって「宗門若しくは社会に対する功労」とは「本山への功労」であるのはもちろんのこと、「寺院への功労」でもあり、よって一般寺院の護持発展に功績のあった者への院号授与の方途はどうするのかと質問しました。総局は、今後、必要な基準や手続きについて検討し、宗達等で措置するとの答弁でした。
私は総局の答弁に納得できず、当該関連法規議案は撤回もしくは継続審議とすべき旨を主張しました。しかし、その後、総局より当初、平成十九年七月一日の施行期日を延長して、平成二十年四月一日からとする当局修正の提案があり、法規特別委員会で賛成多数で諒承され、本会議でも賛成多数で可決されました。
法規議案の主な内容
このたびの定期宗会には二十二件(「浄土真宗本願寺派宗法中一部変更案」「院号授与規定宗則案」「法名授与規定宗則案」「入門式規定宗則案」「仮称「龍谷ミュージアム」創設等助成費設定宗則案(この宗則案は、その後総局が撤回しました)」、「ビハーラ活動推進貸付資金設定宗則案」「教区会議員の任期の調整に関する宗則案」「組長の任期の調整に関する宗則案」「基幹運動推進相談員の任期に関する宗則案」「全国仏教壮年会議の連盟化に伴う移行措置に関する宗則案」「北海道開教事務所規程の廃止に関する宗則案」「僧侶規程の一部を変更する宗則案」「教区会規程の一部を変更する宗則案」「教区規程の一部を変更する宗則案」「服制規程の一部を変更する宗則案」「帰敬式規程の一部を変更する宗則案」「選挙管理委員会規程の一部を変更する宗則案」「本願寺重要文化財保護管理規程の一部を変更する宗則案」「基幹運動推進委員会設置規程の一部を変更する宗則案」「安居規程の一部を変更する宗則案」「親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画基本規程の一部を変更する宗則案」「親鸞聖人七百五十回大遠忌法要事務所設置規程の一部を変更する宗則案」)の法規議案、並びに同意案件一件(「仮称「龍谷ミュージアム」創設事業への助成について宗会の同意を求める件」)が提出され慎重審査の結果、一件当局撤回、六件当局一部修正が加えられ、可決されました。ここではその概要をご説明申しあげます。
「浄土真宗本願寺派宗法中一部変更」「院号授与規定宗則」「法名授与規定宗則」「入門式規定宗則」は、院号及び法名の授与並びに帰敬式受式の奨励等に関する原則を定めるものです。当初平成十九年七月一日から施行とありましたが、平成二十年四月一日より施行と変更になりました。
「教区会議員の任期の調整に関する宗則」「組長の任期の調整に関する宗則」「基幹運動推進相談員の任期に関する宗則」は、いずれも本山における大遠忌法要の修行に合わせ、それぞれの任期を延長するための宗則です。これによって次期、教区会議員・組長・組基幹運動推進相談員の任期は、平成十九年四月一より平成二十四年三月三十一日までの五年間となります。関連して、総局より、任期を二年とする役職者に対する関連措置について、しかるべき時期に対応したい旨の説明がありました。
「教区会規程の一部を変更する宗則」「教区規程の一部を変更する宗則」は、教区会議員選挙及び組長選挙について、各組の実情に柔軟に対応するため、任期満了前三十日以内の選挙の施行を可能とする宗則です。
「服制規程の一部を変更する宗則」は、いわゆるカラー布袍に関する宗則です。当宗則は、現に規定のない布袍の色について、宗達をもって規定するものであります。法規特別委員会の審議においては、法規改正の必要性を問う意見や、いわゆるカラー布袍に関するアンケート調査における僧侶の反対意見、教区基幹運動推進委員会からの建議、あえて黒色以外の布袍の色を規定する明確な理由は見あたらない等々、種々の意見が出されましたが、賛成多数で諒承され、本会議でも賛成多数で可決されました。
なお、総局より提案された布袍の色は?黒色(くろいろ)、?濃樺茶色(こきかばちゃいろ)、?栗赤銅色(くりしゃくどういろ)、?錆萌葱色(さびもえぎいろ)の四色です。
財務議決議案の主な内容
財務議決議案は、「平成十九年度各種会計歳計予算案」「平成十八年度各種会計歳計予算追加・更正案」「親鸞聖人七五〇回大遠忌宗門長期振興計画推進費関係予算案」等、合計五十九件、並びに財務承認議案一件が提出され慎重審査の結果、全議案可決されました。
その主な内容は、「平成十九年度浄土真宗本願寺派本願寺歳計予算」で、歳入総計は十九億一千七百五十万円を計上し、その歳入のすべてを宗派一般会計に回金いたします。
また、「平成十九年度浄土真宗本願寺派歳計予算」では、経常部・臨時部合わせての歳入総計は、八十億五千万円で、平成十八年度に対して一億五千六百万円減額、率にして約一・九%減となります。
有限責任中間法人仏教総合研究所の設立にかかる報告
なお、今宗会には第二百八十二回定期宗会において同意を得た有限責任中間法人仏教総合研究所の設立にかかる登記手続きが完了した旨の報告がありました。今後、主たる事務所が築地本願寺内に置かれ、現代思潮と宗教に関する調査研究を行い、仏教、とくに浄土真宗を基調とした生活文化を振興する活動の展開が図られることになります。
以上、誠に粗略ではございますが、今般の定期宗会のご報告とさせていただきます。
時節柄、御身くれぐれもご自愛下さいますよう念じあげます。
二〇〇七(平成十九)年三月二十日
宗会議員 池 田 行 信
東京教区北選挙区
御法中の皆様へ
拝啓 向寒の候、東京教区北選挙区の御法中の皆様におかれましてはご健勝にて二利ご双行のことと拝察申しあげます。
さて、去る十月二十四日から十一月一日までの九日間、第二百八十二回定期宗会が開催され、通告質問に引き続き、不二川総局より「法規議案」八件、「財務承認議案」三十一件、「財務議決議案」十件、「同意案件」二件が上程され、慎重審議の結果、全議案可決されました。ここにその概要をご報告申しあげます。
第四次不二川総局発足
なお今回の定期宗会は当初十月二十四日から十月三十一日までの八日間の日程でしたが、会期が一日延長され十一月一日に、平成二十三年にお迎えいたします親鸞聖人七百五十回大遠忌法要に向けて「挙宗一致の体制の構築」を理由に不二川総局が総辞職し、ご門主様の総長候補者指名を受けて総長選挙になりました。その結果、不二川公勝議員が四十六票、村永行善議員が七票、菅義成議員が四票、白票が十二票で不二川公勝議員が総長に選出され、十一月二日、第四次不二川総局が発足しました。
総長 不二川公勝(備後・四期)
総務 武田昭英(安芸・五期)、石上智康(東京・五期)、菅義成(兵庫・四期)、
村永行善(鹿児島・四期)、後藤壽邦(安芸・三期)
また、総長選挙後、村橋吉重副議長の「一身上の都合」による辞職にともない副議長選挙が行われ、福永鐵馬議員(安芸・四期)が五十八票、岡田満議員(東海・四期)が二票、中山了議員(鹿児島・四期)が一票、村橋吉重議員(大阪・四期)が一票、白票が五票で福永鐵馬議員が副議長に選出されました。
通告質問要旨
二十四日午後より二十六日夕刻まで、十四名の議員から総局への通告質問がありました。そのなかで、今回の不二川総局総辞職の遠因となったと考えられるのが、出口湛龍議員(大阪・五期)と浅野弘毅議員(四州・五期)の通告質問です。
出口議員は「鏡の御影」の〈模写問題〉を取り上げ、「原画には描かれていない数珠の玉が描かれ、衣のひだの部分にも違いがある。これを果たして〔平成の鏡御影〕として、礼拝の対象としてよいのか」と指摘するとともに、「制作依頼の契約書には模写と明記されており、当然にそっくりに書き写すべきである。事前の文化財管理委員会でも忠実に書き写すことで了承を得ているし、宗会もそれを前提に今回の予算執行を認めたはず」と追求しました。不二川総長らは「復元模写はそのものの描かれた当時の姿を想定して描くもの。上村画伯の目を通して制作当初の姿を想定して描いていただいた。これは近代の美術界でも一定の評価を得ている。今回の事業は後世を見据えた時、宗祖を顕彰する上で大変意義深いことである」と釈明に努めました。
また、浅野議員は、沖縄宗務特別区の賦課基準の護持口数の決定にあたって混乱が生じていることについて質問し、不二川総長は「議員ご指摘の通り対応措置が不十分であったことは事実であり、十分ご理解が得られなかったことについてはお詫び申し上げます」と陳謝し、その後、法規特別委員会の冒頭には「今後は法規を遵守して宗務執行にあたる」と異例の釈明を行いました。
法規議案の主な内容
このたびの定期宗会には八件(「宗門財政審議会規定宗則案」「懲罰規定の一部を変更する宗則案」「宗務員規定の一部を変更する宗則案」「審判規定の一部を変更する宗則案」「宗門基本法規制定調査会規程の一部を変更する宗則案」「賦課金規程の一部を変更する宗則案」「活動拠点設置の届出に関する宗則の一部を変更する宗則案」「沖縄県宗務推進特別措置規程の一部を変更する宗則案」)の法規議案が提出され慎重審査の結果、全議案可決されました。ここではその概要をご説明申しあげます。
「宗門財政審議会規定宗則」は、現在、既存の財政諸課題の点検、総括と、新たな財源確保および財政制度の確立に向けて、「宗門財政諮問会議」で審議がされていますが、「宗門財政諮問会議」は、総局の立案決裁に基づく設置要綱によって組織されているため、その法的位置づけを明確にするべく、宗則に基づく諮問機関とするものです。
「懲罰規定の一部を変更する宗則」および「宗務員規定の一部を変更する宗則」並びに「審判規定の一部を変更する宗則」は、宗務員の懲戒に関する法規を見直し、宗門の綱紀粛正にかかる体制の強化およびこれに必要な法規の改正をはかるものです。
「宗門基本法規制定調査会規程の一部を変更する宗則」は、宗法に関する調査研究をするにあたり、より多くの方々に参画を願い、意見を求めるために、宗門基本法規制定調査会の委員数の上限を、「十一人以内」から「十五人以内」へ増員するものです。
「賦課金規程の一部を変更する宗則」は、現行の賦課金審議会、賦課制度調査検討委員会および中央護持口数調整委員会における所掌事項を賦課金審議会に統括し、一本化するものです。
「活動拠点設置の届出に関する宗則の一部を変更する宗則」は、活動拠点を設置した寺院が届出手続きを行う際に、教務所長は総局へ進達するために必要な調査を行うこととし、届出を受けた総局は、その周知にとどまらず、必要な対応措置を講じるよう宗務機関に指示することとするものです。特に首都圏においては、数多くの活動拠点が存在し、現場の寺院や都市開教施策との関係においても、その問題性が指摘されてきました。そうした問題を改善するための方策です。
「沖縄県宗務推進特別措置規程の一部を変更する宗則」は、「沖縄県宗務推進会議」の構成と所掌事項に関するものです。
財務承認議案の主な内容
財務承認議案は、平成十七年度各種歳計決算の二十九件(「浄土真宗本願寺派本願寺歳計決算報告」「浄土真宗本願寺派歳計決算報告」「門徒講費歳計決算報告」「中央仏教学院費歳計決算報告」「東京仏教学院費歳計決算報告」「本願寺中央幼稚園費歳計決算報告」「通信教育費歳計決算報告」「龍谷学事振興金庫歳計決算報告」「出版事業費歳計決算報告」「聞法施設費歳計決算報告」「大谷本廟無量寿堂推進事業費歳計決算報告」「共済制度運用費歳計決算報告」「宗門福祉共済閉鎖年金費歳計決算報告」「国内開教振興金庫歳計決算報告」「幼児教育振興共済金庫歳計決算報告」「百華金庫歳計決算報告」「国際伝道推進金庫歳計決算報告」「宗務員退職積立金歳計決算報告」「平衡資金歳計決算報告」「宗門振興推進金庫歳計決算報告」「直属寺院振興助成金庫歳計決算報告」「宗門社会福祉事業等助成資金歳計決算報告」「無量寿堂維持基金歳計決算報告」「本願寺重要文化財保護管理基金歳計決算報告」「災害対策金庫歳計決算報告」「宗門人材育成基金歳計決算報告」「本願寺御影堂平成大修復推進費歳計決算報告」「親鸞聖人七百五十回大遠忌法要準備費歳計決算報告」「親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画推進費歳計決算報告」)と、財産目録二件(「本願寺財産目録」「浄土真宗本願寺派財産目録」)の合計三十一件が提出され慎重審査の結果、全議案可決されました。
その主な内容は、「平成十七年度浄土真宗本願寺派本願寺の歳計決算」で、歳入総計は十八億四千二百九十八万四千三十七円で、予算額に対して、二千八百九十八万四千三十七円の増収で、予算達成率は約百一・六%です。歳出においては歳入の全額を宗派の経常部・臨時部へ回金しています。
また、「平成十七年度浄土真宗本願寺派歳計決算」では、経常部・臨時部合わせての歳入総計は、七十九億一千七百十四万三千二百二十三円で、約九十八・一%の予算達成率となっています。経常部と臨時部の歳出総計は七十四億五千六百五十九万三千百六十九円で、約九十二・四%の執行率です。歳入総計から歳出総計を差引ますと、四億六千五十五万五十四円の余剰が生じましたが、これは歳入減の状況から歳出経費を極力抑制したことや、消費せずに済んだ予備費の未執行等によるものであり、全額平成十九年度へ繰越します。
財務議決議案の主な内容
財務議決議案は「平成十八年度浄土真宗本願寺派歳計予算更正案」「本願寺境内建物(旧参拝志納部分室)除却の件」「本願寺境内建物(旧監正局)除却の件」「本願寺境内建物(総御堂前白洲便所)除却の件」「本願寺境内建物(防災センター〈仮称〉新築の件」「本願寺所有地(城陽グランド)一部無償貸与・地上権設定の件」「本願寺所有地隣接不動産(城陽グランド里道)購入の件」「本願寺所有建物(城陽グランド構築物等)除却の件」「本願寺所有(本願寺道後教堂管理建物)一部除却の件」「本願寺所有地隣接不動産(土地)購入の件」の十件が提出され慎重審議の結果、全議案可決されました。
その主な内容は、親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画において、本願寺境内地および施設等の整備事業を推進するためと、いわゆる城陽グランドに「特別養護老人ホーム ビハーラ本願寺」を建設・運営するためのものです。
同意案件の主な内容
「有限責任中間法人の設立について宗会の同意を求める件」は、第二百八十一回定期宗会にて可決された「仮称『財団法人仏教総合研究所』設立準備規程宗則」にもとづき本年四月一日付けにて仮称「財団法人仏教総合研究所」設立準備室を設置し、財団法人設立に向けて準備をしています。しかし、本年五月二十六日に「公益法人制度改革関連三法案」が国会で成立したことにより、法律の施行(平成二十年秋頃)まで最短二年間の時間を要すること、その間に雑誌の刊行をはじめとする諸事業を行うことを考慮し、また、公益認定を受けるための準備事業という意味においても、まず、経過措置として「有限責任中間法人」を設立するものであります。
「中央選挙管理委員会予備委員の任命について宗会の同意を求める件」は、中央選挙管理委員の死去にともなう欠員の補充に関するものです。
以上、誠に粗略ではございますが、今般の定期宗会のご報告とさせていただきます。
時節柄、御身くれぐれもご自愛下さいますよう念じあげます。
二〇〇六(平成十八)年十一月二十五日
宗会議員 池 田 行 信
東京教区北選挙区
御法中の皆様へ
拝啓 早春の候、東京教区北選挙区の御法中の皆様におかれましてはご健勝にて二利ご双行のことと拝察申しあげます。
さる二月二十二日から三月二日までの九日間、第二百八十一回定期宗会が招集され、通告質問に引き続き、不二川総局より「法規議案」九件、「財務議決議案」(予算議案五十六件、財産処分等議案六件)六十二件、「新門さまご成婚祝賀の決議案」一件が上程され可決されました。ここにその概要をご報告申しあげます。
ご門主様ご教辞
定期宗会の開会式でご門主様は、「現在、日本では、一部かもしれませんが、お金さえあれば何でもできる、お金をもうけることだけが目的であるかのように見える生き方、それをもてはやす風潮も感じされる今日であります。私たちが親鸞聖人のみ教えをいただいてお念仏に生きる、その生き方をそうした中にあらわしていくことの大切さを痛感する今日でございます」と述べられました。
開会式に引き続いて、去る一月十九日死去された上島弘宗会副議長(東京教区門徒宗会議員)の後任を選ぶ副議長選挙が行われ、大阪教区選出の村橋吉重議員(門徒宗会議員・四期目)が、投票総数七十一票中、六十二票を獲得し新副議長に選出されました。
新門様御慶事について
大谷光淳新門様はこのたび古川流豆美様と三月二十五日に御結婚の式を総御堂で行われます。なお、不二川総長より結婚式への参拝等につきましては、『本願寺新報』(三月十日号)で呼びかけていく意向を示されました。
通告質問要旨
二十三日午前より二十七日午後まで、十五名の議員から総局への通告質問がありました。私は二十七日午前に登壇し、左の諸点について質問しました。
一、門徒講普通講金二百円増額の理由とは
二十二日の財務方針演説において財務担当総務は、「平成十七年度に親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画が施行され、本年度同様明年度もまた募財の影響が多大になるものと見込んでおり、その対応として特別会計宗門振興推進金庫、平衡資金を充当して宗派一般会計の事業を執行していくことでありますが、今後の宗門運営を考慮いたしますと、増収策を講じなければ、経常の事業自体に支障を来すことであり、安定財源の増額が一番望ましいため、この度は、準安定財源である門徒講普通講金を二百円増額いたしたいとするものであります」と述べられました。
この件について、私は過去の事例を取り上げ、蓮如上人五百回遠忌法要の時も、「増収策」は講じられているが、その「増収策」は単年度に、一挙にではなく、平成六年度から平成九年度にかけて、四ヶ年度にわけて「増収策」が講じられていることを、具体的な事例をもって示しました。そして、今回のように、「冥加金」も「願記冥加」も「門徒講普通講金」も、一挙に増額するような、乱暴ともいえる「増収策」には反対する。もし、平成十八年度に、一挙に、「冥加金」も「願記冥加」も「門徒講普通講金」も増額しなければならないというならば、その理由を、具体的な資料に基づいて説明するよう質問しました。
二、門徒講普通講金二百円増額は撤回すべき
もし平成十八年度、門徒講普通講金が二百円増額となりますと、東京教区においては、一ヶ寺平均、門徒講普通講金が一万三千三百二十四円増額になるだけでなく、賦課金もまた、一ヶ寺平均二万千七百八十円増額になりますから、合計、一ヶ寺平均三万五千百四円の増額となります。しかも、平成十八年度は親鸞聖人七百五十回大遠忌のご懇志の進納が集中する年です。大遠忌での巨額のご懇志依頼だけでなく、門徒講普通講金も、各種冥加金四十五種類も一挙に上げる。このような、過去の「増収策」をも無視した、いささか強引な姿勢は、妥当な宗務の推進とは思えない。ゆえに門徒講普通講金二百増額は撤回すべきであると総局に質問しました。
三、門徒講普通講金の進納状況について
門徒講普通講金の依頼について質問しました。
現在執行されています『平成十七年度各種会計歳計予算書』の「平成十七年度特別会計門徒講費歳計予算」の一款一項、「本年度講金」の「説明」欄に、「一般寺院、一戸当たり1000円×届出門徒戸数、843000000円」が計上されています。二十三日、A議員の通告質問の答弁で担当総務は、「門徒講普通講金」は「届出門徒戸数」に、平成十七年度ならば単価千円をかけて算出されると説明されました。また、同じく二十三日のB議員の質問に対し担当総務は、平成十八年二月二十二日現在の「届出門徒戸数」は八十七万五千三百三十一戸と報告されました。浄土真宗本願寺派が出している、最新の『宗勢要覧』(二〇〇三〔平成十五〕年度版)の「届出門徒戸数の推移表」によりますと、平成元年度から平成十五年度までの届出門徒戸数の推移の幅は、最大で五百三十九戸、最小で四十九戸の増減で、平均しますと年間二百四十戸の増減幅です。そうすると、かりに平成十八年二月二十二日現在の八十七万五千三百三十一戸の門徒戸数に単価千円をかけると、八億七千五百三十三万一千円となり、平成十七年度予算書に計上されている数字、八億四千三百万円と、本来あるべき数字、八億七千五百三十三万一千円との差額が三千二百三十三万一千円となり、門徒戸数にしますと三万二千三百三十一戸分が予算書から消えています。
この数字がどこに消えたかは、同じ二〇〇三年度版の『宗勢要覧』から判明しました。すなわち、同『宗勢要覧』の「門徒講金収納額教区別一覧表」を精査しますと、たとえば平成十五年度のC教区に対する門徒講普通講金依頼額は四千三百三十万円です。しかし、同『宗勢要覧』の「門徒戸数・護持口数一覧表」で、C教区の門徒戸数と護持口数をみますと、門徒戸数が六万五千三百六十八で、護持口数が四万三千三百二十四です。C教区の門徒講普通講金の依頼額は門徒戸数ではなく、護持口数に単価千円をかけた数字となっています。同様に、D教区、E教区の門徒講普通講金の依頼額も門徒戸数ではなく、護持口数に単価千円をかけた数字です。そしてこのC、D、Eの三教区の、門徒戸数から護持口数を引いた差の総計が三万三千六百七十六で、この三万三千六百七十六に単価千円をかけると三千三百六十七万六千円となります。この数字は、先に「平成十七年度特別会計門徒講費歳計予算」の一款一項、本年度講金の説明欄から消えた数字と、ほぼ同額となります。
以上のことから、門徒講普通講金の依頼が適正に行われているのか、どうかという、重大な疑念がうかびあがってきました。よって、この疑念をはらすよう総局に質問しました。
この三教区への特例措置に関連して、財務特別委員会において総局は、「三十年来の経緯がありながら有効的方策がとれなかったことに鑑み、平成十八年度の門徒講の依頼に際しては、三教区に対し門徒講金依頼戸数として、平成十七年度同様の予算編成とさせていただき、今後は早急に本件解決に向けて専門家も交え委員会を設置、対応する」との答弁がありました。なお、委員会の設置に際して、「総論としてどのように財政を組み財源を確保していくのか、各般にわたる対策について研究、議論を行っていただきたい」との強い要望があり、さらに、三教区に対する特例措置を行ってきたことについて、広く宗門内の「住職や門信徒に対して現状についての適切なる説明を行い、かつ理解と協力を得るため最大限の努力をしていただきたい」との意見がありました。
法規議案の主な内容
このたびの定期宗会には九件(「仮称『財団法人仏教総合研究所』設立準備室規程宗則案」「賦課金規程の施行に関する特例措置規程宗則案」「冥加金規程の一部を変更する宗則案」「宗務員冥加金規程の一部を変更する宗則案」「布教講会規程の一部を変更する宗則案」「総局部門宗務組織規程の一部を変更する宗則案」「賦課金規程の一部を変更する宗則案」「親鸞聖人七五〇回大遠忌宗門長期振興計画基本規程の一部を変更する宗則案」「本願寺の衆徒に関する特例法案」)の法規議案が提出され慎重審査の結果、全議案可決されました。ここでは特に東京教区とこのたびの御慶事に関連する法規に関してご報告いたします。
「仮称『財団法人仏教総合研究所』設立準備室規程宗則」
親鸞聖人七五〇回大遠忌宗門長期振興計画の重点項目である「教学・伝道の振興、新たな門徒の誕生」を推進していくにあたり、首都圏を中心として、現代思潮と宗教に関する多角的な調査研究を行い、また定期的に出版物を刊行するほか、インターネット・ホームページによる情報の受発信、その他セミナーの開催といった活動によって、あらゆる人々の生活や文化に働きかけていくという趣旨のもとで、新たな財団法人を設立するため、その準備体制について定めるものです。なお、事務局より、この財団法人が、宗門のみならず、その外郭にある研究分野や宗教領域の成果も採り入れながら、開教や研究を行うことが、また、いわゆる団塊の世代をターゲットとし、「人生」をテーマとした出版活動によって、その生活に訴えかけていくことで、浄土真宗のみ教えに触れたことのない人々、あるいは宗教そのものに抵抗感を持つ無宗教層の人々にも対応するものであることが述べられました。
「賦課金規程の一部を変更する宗則」
宗教法人法では、一般的に、その寺院が所在するところの事務所を「主たる事務所」として位置付けますが、これ以外にも「従たる事務所」の設置が可能であり、事実、宗派と被包括関係にある寺院においても、従たる事務所を設置して、寺院活動をしている実態が認められます。その中で、主たる事務所が所在する教区以外に、従たる事務所を設置する場合には、それを護持するご門徒が存在するという実態もあります。しかしながら、現行の賦課金規程では、護持口数の決定は、各寺院、いわゆる主たる事務所にかかる護持口数の申告を規程するのみであり、従たる事務所において、ご門徒の教化活動をされている寺院が、その護持口数をどのように申告するのかは、法的な定めがありません。したがって、このたびの「賦課金規程」の一部変更において、従たる事務所は、その所在する教区において、独自にご門徒の護持をいただいており、これにかかる応分の申告は、当該教区において行うことができるように措置すべきであるとのことから、「主たる事務所」と「従たる事務所」の護持口数を区分して、それぞれの事務所が所在する教区を通じて申告いただき、またこれが納付できるようにするものであります。なお、この区分申告は、寺院にそれ自体を義務付けるものではなく、あくまでも寺院の自由な意思により、決定いただくものであります。
なお、総局よりは、「従たる事務所」がその「主たる事務所」と不可分の関係にある以上、教区や組画への編入は現時点で困難であるが、その活動実態において、所在する教区、組との連携体制を確立していくための糸口と考えており、将来的には教区費の納付や活動への参画も視野に入れたものであるとの説明がありました。また、関連して、総局より、現に教区や組が編入を認めないという実情も一方で存在する中で、宗派が申告や編入を強制していくことは困難であって、自らの申告により、周辺地域へ認めてもらう筋道をつくるものであるとの説明がありました。
「本願寺の衆徒に関する特例法」
大谷光淳新門様と古川流豆美様との御結婚にあたり、現在の「宗教法人『本願寺』寺法」(第十六条の三)では「住職の二親等以内の血族」でなければ本願寺の衆徒となることができません。よって、今回の特例法をもって、新門夫人となる流豆美様を「寺法第十六条の三の規定にかかわらず、住職の認許を得て、本願寺の衆徒に相当する待遇を受けることができる」とするものであります。
財務議決議案の主な内容
その主な内容は、「平成十八年度浄土真宗本願寺派本願寺歳計予算」で、歳入総計は十九億一千四百万円を計上し、その歳入のすべてを宗派一般会計に回金いたします。
また、「平成十八年度浄土真宗本願寺派歳計予算」では、経常部・臨時部合わせての歳入総計は、八十二億六百万円で、平成十七年度より一億四千六百万円増額、率にして約一・八%増の予算計上です。同じく歳出総計は八十二億六百万円で、平成十七年度に対して一億四千六百万円の増額、率にして約一・八%増となります。
さらに、本願寺の北境内地の東南角地に所在する不動産を購入する予算、本願寺境内地模様替(式務部棟新築工事、築地塀・御影堂門等修復、大谷本廟諸建物修復並びに境内地整備)、本願寺所有建物(城陽グランド寄宿舎)除却などにかかる予算も可決されました。
請願と決議について
なお、宗会最終日に、西郷和生議員ほか六名より「門徒宗会議員選挙制度の改正を求める請願」が提出され本会議にて採択され、総局に回付されました。また同日、不二川総局より上程された「新門さまご成婚祝賀の決議案」も全員賛成で可決されました。
以上、誠に粗略ではございますが、今般の定期宗会のご報告とさせていただきます。
時節柄、御身くれぐれもご自愛下さいますよう念じあげます。
合 掌
二〇〇六(平成十八)年三月十一日
宗会議員 池 田 行 信
東京教区北選挙区
御法中の皆様へ
光寿無量 年頭にあたりご挨拶を申しあげます。
東京教区北選挙区の御法中の皆様におかれましては、旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
本年もなにとぞご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申しあげます。
さる十二月二十日・二十一日の両日、第二百八十回臨時宗会が招集され、同意案件「新社会福祉法人の設立及び介護老人福祉施設の建設について宗会の同意を求める件」の議案一件が不二川総局より提出され、慎重審査の結果、同意案件は原案の通り可決されました。ここにその概要をご報告申しあげます。
同意案件の内容
今回、総局より提出された同意案件は、昨年八月一日より実働をみております「親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画」の二十七の推進事項の中の一つであります、「社会的活動の展開」における「ビハーラ活動の充実」の具体的な取り組みに関する案件であります。
すなわち宗門におきましては、一九八七(昭和六十二)年より基幹運動の重点的な取り組みとしてビハーラ活動に取り組んできました。このビハーラ活動の取り組みにおいては人材の育成に力を注ぎ、現在、活動の実践を目指す教区ビハーラに三千人を超える会員を擁し、宗門の活動者養成研修会修了者も一千名近く誕生しています。しかし、ビハーラ活動の実習等に当たって、その受け入れ施設には限りがあることから、かねてより宗派独自の中心拠点となる施設が切望されていました。
不二川総局においては、当初よりビハーラ活動の中心施設となる社会福祉施設の建設を視野に入れて、その構想など種々検討を重ね、準備等を進めてきましたが、このたびその具体化のはこびとなりました。
その概要は、宗派が設立母体となって新たな社会福祉法人を設立した上で、京都府城陽市の本願寺所有地、所謂「城陽グランド」を活用して、社会福祉事業である「介護老人福祉施設」(ショートステイ八人を含む百八人規模、総事業費約十五億六千万円、宗派からの寄付金をもってあてる自己資金約五億円、京都府補助金〔国庫交付金相当〕約三億七千万円、福祉医療機構借入金約六億九千万円)を建設し運営するものです。
そのため、建設地を管轄する城陽市とその所轄である京都府と、従前より事前協議を重ねつつ行政指導を得、今般、その諸要件が相整い、二〇〇六(平成十八)年度事業として補助金の交付を受けるべく、新社会福祉法人設立申請と施設整備の補助金交付申請を行うため、臨時宗会を開催し宗会の同意を得るはこびとなりました。
なお、総局より今回の計画は、「城陽グランド」に建設される施設をビハーラ総合ゾーンと位置づけるとともに、本年八十周年を迎える「あそか診療所」を本刹地域にてターミナルケア(緩和ケア)等も行える二十床未満の有床診療所に拡充し、研究機関を併設して「本刹ゾーン」とする、「城陽」「本刹」の「2ゾーン化」案なども検討課題とするトータルプランであり、教学伝道研究センターや龍谷大学との連携も踏まえ、宗門の進めるビハーラ活動推進のための総合拠点としていくため、今後十分に検討を重ね、単なる介護施設とはしない旨の方針が示されました。
以上、誠に粗略ではございますが、今般の臨時宗会のご報告とさせていただきます。
時節柄、御身くれぐれもご自愛下さいますよう念じあげます。
合 掌
二〇〇六(平成十八)年一月一日
宗会議員 池 田 行 信
東京教区北選挙区
御法中の皆様へ
拝啓 深秋の候、東京教区北選挙区の御法中の皆様におかれましてはご健勝にて二利ご双行のことと拝察申しあげます。
さて、さる十月二十六日から十一月二日までの八日間、第二百七十九回定期宗会が招集され、通告質問に引き続き、不二川総局より「法規議案」十一件、「財務承認議案」三十件が上程され、慎重審議の結果、全議案可決されました。ここにその概要をご報告申しあげます。
定期宗会の開会式でご門主様は、「先月初め発生いたしました総御堂乱入事件は、一大痛恨事でありました。予見できないことであり、広く人びとに公開された場でありますから、未然に防ぐことの難しさは申すまでもありませんが、まことに悲しいことであります。宗教が紛争や戦争の原因ではないかと厳しい目が向けられている今日、宗教界にとっても残念な事件でありました」と述べられました。
開会式に引き続いて全員協議会が開催され、総局より九月二日に発生した「総御堂不審者乱入事件」についての報告がありました。
その後、不二川総長より、このたびの大谷光淳新門様のご婚約相整われ明春めでたくご結婚の運びとなられたことが報告されるとともに、九月二日に発生した「総御堂不審者乱入事件」につき、「痛恨の極みであります」と深謝し、ご門主様の身辺警護を含め、再発防止のため警備態勢等に万全を期す意向が示されました。
二十六日午後より二十八日午後まで、十二名の議員から総局への通告質問がありました。
私は二十七日午前、初登壇し、左の諸点につき質問しました。
一、「宗門長期振興計画」について
「宗門長期振興計画」は総予算二百六十億円でありますが、教区や組や寺院などへの教化助成費や大遠忌法要事務所、その他職員人件費等々の宗務推進費と予備費を引くと、実際、計画に使える予算は二百億円に満たない現状です。さらに、先の第二百七十八回臨時宗会で可決された十五の重点項目も、五つの部会へ提示された資料では法要関連以外だけでも五十項目にわたり、これでは「総花的計画であり、お金のばらまきにならないか」と危惧します。ゆえに、十五の重点項目と二十七の推進事項をより精査し、宗門にとり特に必要な最重点事項を絞り込み、実効性のある骨太の「宗門長期振興計画」に形を整えていくべきである、と質問しました。これに対し総局は、各部会で計画の濃淡をはっきりさせ、常任委員会で検討したいとの答弁がありました。
二、宗会議員選挙制度の見直しについて
(1)期日前投票について
「僧侶規程」第二条の改定により、本年四月一日より「宗務所備付の僧籍台帳」に僧侶の「現住所」が記載されることになったのにあわせて、公職選挙法で実施されている「期日前投票」を適用する時期にきているのではないかと質問しました。
(2)立ち会い演説会への入場制限の撤廃について
これまで宗会議員選挙は、全国三十一選挙区が、一教区一選挙区でしたが、本年四月の宗会議員選挙から広域選挙区ということで、第一選挙区・第三選挙区・第二十選挙区の三選挙区が、一教区一選挙区から、一教区二選挙区に分区されました。しかし、三選挙区は教区における教区会や教区基幹運動推進委員会を構成する議員や委員は南北二つの選挙区をあわせて一教区として選出されています。また、東京教区は全域が本願寺築地別院の崇敬教区になっており、南北選挙区の区別はありません。ゆえに、立会演説会の入場は教区内有権者全員に認めるべきではないかと質問しました。
(3)選挙公報の開示
『浄土真宗本願寺派宗会議員選挙の手引』(中央選挙管理委員会発行、平成十七年三月)においては、「選挙公報の他選挙区への開示については、選挙終了時まで公開しないものとする」となっています。情報化社会と言われる今日、宗門内外の多くの人に、宗会議員選挙に関心をもっていただく意味においても、選挙公報を選挙区内の有権者へ配布するだけでなく、宗門内外からの問い合わせにも応じられるよう、選挙期間中、選挙公報は必要に応じて公開すべきものではないかと質問しました。
右記三点の質問に対し、総局は今後、「法制審議会」で審議したいとの旨の答弁がありました。
三、宗門における男女共同参画推進の取り組みについて
坊守・寺族代表者研修の見直しとその組織化について
第二百七十三回定期宗会において『浄土真宗本願寺派宗法』の第二条が改定され、宗門の構成員を「僧侶、門徒その他の信者」から、新たに「僧侶、寺族及び門徒その他の信者」と、「寺族」が明定されました。それにともない寺族代表者が住職より本山に届けられ、本年八月十日現在、寺族代表者としての登録状況が、男性で四百二名、女性で八千七百八十名、男性坊守も四十一名登録されています。また『宗法』第二十六条第二項が改定され、「坊守とは、前条の規定による寺族であって、第二条の目的を遵奉し、当該寺院の坊守名簿に登録された者をいう」と改められ、性別と婚姻の有無にかかわりなく、坊守や寺族代表者になれるシステムになりました。にもかかわらず、坊守・寺族代表者の研修体制は、これまで通り、性別と婚姻によって規定された研修体制にありますので、その研修体制を見直すとともに、「全国坊守・寺族代表者会議」の組織化を早急に検討・準備するよう要望しました。
(1)「全国区で女性(坊守・寺族)の議員」を選出すべきとの要望について
本年八月十日付、「全国坊守・寺族女性連絡会」よりの「本山への要望」、並びに十月十日付「宗会議員の皆様へ」の要望について、特に僧侶議員・門徒議員の他に「全国区で女性(坊守・寺族)の議員」を選出すべきとの要望について、総局の見解を尋ねました。
この「全国区で女性(坊守・寺族)の議員」を選出すべきとの要望については、昭和三十六年二月、第百四十二回定期宗会において、総数二百六十四名から構成される「宗門総会」を実施すべく、「宗門総会運営規程宗則案」が提出され、同宗則案に「特選の寺族議員」が提案されていましたが、同宗則案は審議未了で廃案になりました。また、本年三月十七日付で、宗会議長に提出された「基本法規調査会答申」にも、「現在の宗門の組織形態は、基本的には、議員内閣制型といわれているが、この制度は、健全な二大政党制が確立していないところでは、うまく機能しない。与党が存在しないと、執行権の不安定化をもたらし、政局が流動化する。現実問題として、宗門に厳しい規律を有する組織政党の存在を前提とする現行制度はなじまない。事実、政策中心の競争原理ははたらかず、宗政は、主として人間関係、教区や個人的利害、風評、人事などに支配され、問題の抜本的対処はあいまいとなり、しかも常に問題が政局化する危険をはらんだ教団運営となる」と指摘し、そして「宗会の改組」として、「これからの宗門にとって、構成員である住職・坊守・寺族・門信徒の宗門への帰属意識を高めることは緊急かつ重大な課題である。また多様化するニーズに対応するためには、宗門内の各種の要素が反映される場所の設定が必要である。この課題を克服するには、なにより宗門構成員の宗政参画意識の高揚をはかり、民主主義の原則を強化することが必要である。そのために、現在の僧侶議員・門徒議員の他、宗門内各界の代表を議員として加え、宗会の規模を拡大する」と提言しています。よって、総局としても、これらの提言を踏まえて、「全国区で女性(坊守・寺族)の議員」を選出すべきとの要望について、「法制審議会」に「専門委員会」を設置して、直接、坊守・寺族女性の皆様の意見を聴取して検討するよう要望しました。
(2)女性宗務員の職務輪袈裟の貸与について
現在宗務所へ入所時、男性職員にして僧侶には職務輪袈裟(宗務員輪袈裟)が貸与され、女性職員には制服と式章が貸与されます。しかし、女性職員の中にも得度している者、また、入所後、得度した者もありますが、女性職員で得度した者に無条件で職務輪袈裟を貸与すべきです。二〇〇一年三月に「男女共同参画を考える委員会」から『提言書〜教団の男女共同参画をすすめるために〜』が発行され、その提言書の中で、具体的な取り組みの一つに「宗務所、教務所の職階における、性差による不均等の是正」がうたわれています。この提言は、まさに宗門内に色濃く残る、男女の役割に関する固定的な考えかたに基づいた慣習や慣行の見直しを要請するものであります。宗務員で男性僧侶には無条件で貸与される職務輪袈裟が女性僧侶には無条件で貸与されていないのは、まさに性別による固定的役割分担の意識を反映するものであり、宗門における男女共同参画を阻害するものであります。こうした慣習・慣行は早急に改善するよう要望しました。
(3)女性室の開設
宗門において『提言書〜教団の男女共同参画をすすめるために〜』が発行されて以来、男女共同参画推進への取り組みが、各種委員会に女性メンバーを増やすという点に焦点がしぼられて、男女共同参画の大切な理念とか方向性とかが、いまだ明確に提示されていません。その意味においても、「女性室」というような常設の担当部署の開設が必要です。真宗大谷派の「女性室」を例に取り上げ開設を要望しましたが、充分な答弁を得ることができず、しかるべき時に再質問するとして、この件については保留としました。
四、教学の振興について
『日本国憲法』や『教育基本法』の改定問題、国立追悼施設新設問題、「信教の自由」「政教分離」問題など、課題山積にもかかわらず、「宗門として、今後いかなる事態が生じようとも、即時即応の体制をもって、これに応えるべきであるとの方針から」、第二百六十五回定期宗会で設置した「教学振興評議会」が、これまで二度しか開催されていないのは、宗則上の義務を怠っているとしかいえません。早急に「教学振興評議会」の委員を人選し、評議会を開催するよう要望しました。
このたびの定期宗会には十一件(「浄土真宗本願寺派宗法中一部変更案」「宗教法人「浄土真宗本願寺派」宗規中一部変更案」「非法人教会の設立等に関する宗則案」「活動拠点設置の届出に関する宗則案」「沖縄県宗務推進特別措置規程宗則案」「僧侶規程の一部を変更する宗則案」「学階規程の一部を変更する宗則案」「宗務員勤務規程の一部を変更する宗則案」「本願寺宗務首都圏センター設置規程の一部を変更する宗則案」「総局部門宗務組織規程の一部を変更する宗則案」「得度式規程の一部を変更する宗則案」)の法規議案が提出され慎重審査の結果、全議案可決されました。ここでは特に東京教区に関連する法規に関してご報告いたします。
「浄土真宗本願寺派宗法中一部変更」「宗教法人「浄土真宗本願寺派」宗規中一変更」「非 法人教会の設立等に関する宗則」
これまで宗教法人格を有しない教会、いわゆる「非法人教会」は、その運営実態および賦課金納付義務など、一般寺院と同等でありながら、その義務に対して応分の権利が保障されていませんでした。したがって今回の法規の改定によって、非法人教会で活動する僧侶に、その実質的活動に基づいた拠点への所属を認め、所在の教区および組における役職への就任、地方宗務参画などの権利が付与され、平成十八年四月一日より、教区会および組会の議員、並びに組長などの組の役職等に就任することも可能となりました。
「活動拠点設置の届出に関する宗則」
現在、非法人教会や宗派認定による国内開教拠点以外で、寺院が任意に、その寺院所在地のほかに新たな活動拠点を設け、寺院活動、開教活動を行っている事例が、首都圏を中心に見られます。宗派としてこれらの寺院活動の実態を把握し、宗門組織への編入を進めるためにも、新たに活動拠点を設置した場合には、設置寺院の住職が、所属教区および設置先の教区の教務所長を経て、総長に届け出る旨を定め、また、総長は、この届け出に伴い、活動拠点が設置されたことを関係教区や組に通知するなど、周知や受け容れのための必要な措置を講ずることになりました。
財務承認議案は、平成十六年度各種歳計決算の二十八件(「浄土真宗本願寺派本願寺歳計決算報告」「浄土真宗本願寺派歳計決算報告」「門徒講費歳計決算報告」「中央仏教学院費歳計決算報告」「東京仏教学院費歳計決算報告」「本願寺中央幼稚園費歳計決算報告」「通信教育費歳計決算報告」「龍谷学事振興金庫歳計決算報告」「出版事業費歳計決算報告」「聞法施設費歳計決算報告」「大谷本廟無量寿堂推進事業費歳計決算報告」「共済制度運用費歳計決算報告」「宗門福祉共済閉鎖年金費歳計決算報告」「国内開教振興金庫歳計決算報告」「幼児教育振興共済金庫歳計決算報告」「百華金庫歳計決算報告」「国際伝道推進金庫歳計決算報告」「宗務員退職積立金歳計決算報告」「平衡資金歳計決算報告」「宗門振興推進金庫歳計決算報告」「直属寺院振興助成金庫歳計決算報告」「宗門社会福祉事業等助成資金歳計決算報告」「無量寿堂維持基金歳計決算報告」「本願寺重要文化財保護管理基金歳計決算報告」「災害対策金庫歳計決算報告」「宗門人材育成基金歳計決算報告」「本願寺御影堂平成大修復推進費歳計決算報告」「親鸞聖人七百五十回大遠忌法要準備費歳計決算報告」)と、財産目録二件(「本願寺財産目録」「浄土真宗本願寺派財産目録」)の合計三十件が提出され慎重審査の結果、全議案可決されました。
その主な内容は、「平成十六年度浄土真宗本願寺派本願寺の歳計決算」で、歳入総計は十八億六千七百七十七万八千五百九十三円で、予算額に対して、二千九十二万二千四百七円の減収で、予算達成額は約九十八・九%です。歳出においては歳入の全額を宗派の経常部・臨時部へ回金しています。
また、「平成十六年度浄土真宗本願寺派歳計決算」では、経常部・臨時部合わせての歳入総計は、八十三億三千五百三十一万二千八百二十一円で、約九十七・三%の予算達成率となっています。経常部と臨時部の歳出総計は七十八億八千五百二十六万八千百七十四円で、歳入総計から歳出総計を差引ますと、四億五千四万四千六百四十七円の余剰が生じましたが、これは歳入減の状況から歳出経費を極力抑制したことや、消費せずに済んだ予備費の未執行等によるものであり、全額平成十八年度へ繰越します。
なお、本年三月に御影堂屋根工事終了式を行い屋根工事が完了し、本年十一月中旬より素屋根解体工事が実施されます。また、大谷本廟の駐車場について、来春より春秋彼岸会・盂蘭盆会期間中、交通渋滞緩和のために駐車場を閉鎖するため、北境内地発着のシャトルバスをご利用いただきたい旨の報告がありました。
以上、誠に粗略ではございますが、今般の定期宗会のご報告とさせていただきます。
時節柄、御身くれぐれもご自愛下さいますよう念じあげます。
合 掌
二〇〇五(平成十七)年十一月十六日
宗会議員 池 田 行 信
東京教区北選挙区
御法中の皆様へ
新緑の候第三(東京)北選挙区のご法中の皆様におかれましては、ご健勝にて二利 ご双行のことと存じます。
平素よりの格別のご教導お育てに衷心より御礼を申しあげます。
さて、四月二十七・二十八日の両日、第二百七十六回特別宗会が招集されました。 ここにその概要をご報告申しあげます。
二十七日、議長・副議長選挙が行われ木下慶心議員(熊本)が議長に、東京教区選 出の上島弘議員が副議長に選出されました。上島議員の副議長就任を心からお祝い申 しあげます。
二十七日夕刻、ご門主様は不二川公勝議員(備後)と宮崎憲之議員(北海道)の二 人を総長候補者として指名されました。翌28日、総長選挙が実施され、不二川議員 六十三票、宮崎議員六票、白票五票で、不二川議員が総長に選出されました。
新総局は、総長・不二川公勝議員(備後)、総務・武田昭英議員(安芸)、桑羽隆 慈議員(山口)、宮崎憲之議員(北海道)、後藤寿邦議員(安芸)、橘正信議員(岐阜) となりました。
以上、第二百七十六回特別宗会の概略をご報告申しあげます。
〒324-0608 栃木県那須郡馬頭町大字健武1220
池田行信 TEL 0287−92−2326
拝啓薄暑のみぎり、東京教区北選挙区の御法中の皆様におかれましてはご健勝にて 二利ご双行のことと拝察申しあげます。
さる五月二十五日・二十六日と二日間にわたり臨時宗会が開催されました。ここに その概要をご報告申しあげます。
五月二十五日・二十六日の両日、第二百七十七回臨時宗会が開催され、不二川総局 より「賦課金規程宗則案」と同宗則案の実施にともなう「平成十七年度浄土真宗本願 寺派歳計予算追加案」の二件が提案され、可決されました。
現行の「賦課手続規程」によりますと、総局は、毎年五月三十一日までに各寺院へ その年度の賦課金額などを表示した通知書(賦課金告知書)を送付しなければなりま せん。そのため、総局は、臨時宗会を開催して、「宗門及び本山の予算」を議決する 宗会に新賦課制度の実施に関する案件を提案しました。
賦課制度は宗門の財源確保を目的とした制度です。宗派一般会計の財源は、寺院や 僧侶への賦課金をはじめ懇志、冥加金、本願寺からの回金などによっています。懇志 や本願寺からの回金は社会的・経済的事情によって影響を受け、流動的かつ不安定な 要素があります。
こうしたなか宗派における唯一の確定財源が、寺院や僧侶への賦課金です。二〇〇 五(平成十七)年度の一般会計予算は総額で八十億五千万円計上されていますが、賦 課金の予算額は十億八千二百万円、約十三%です。
現行の賦課制度は一九七〇(昭和四十五)年に実施されてより三十五年を経過し、 その間の人口移動や経済格差などの社会情勢の変化により、公平性を欠いたものと指 摘されてきました。また、各寺院の門徒による本山・宗門の護持の懇念を、各寺院住 職の申告に基づいて数値としてあらわした護持口数も、寺院・教区により申告数のバ ラツキがありました。
このバラツキを是正し、賦課制度の公平性を確保するため、蓮如上人五百回遠忌総 合計画推進規程(平成五年宗則第六号)および蓮如上人五百回遠忌総合計画推進規程 ( ) 施行条例平成五年宗達第十号により「賦課制度等専門委員会」が設置されました。
その「総括報告」(平成十二年三月三十一日)で、「護持口数」とは「当該寺院の門 徒(檀徒及び信徒)の負担する懇念を口数で表示」したものと定義され、一九七三(昭 和四十八)年以降一度も見直しのされていない護持口数の調整が急務であると答申さ れました。
その後、この護持口数の調整を実施するため、護持口数調整委員会条例(平成十二 年宗達第八号)により「中央護持口数調整委員会」が設置され、その答申を受け、二 〇〇三(平成十五)年三月三十一日付で総長通達として各教区に目標護持口数が通知 されました。
また、賦課制度調査検討委員会規程(平成十五年宗則第十五号)に基づき「賦課制 度調査検討委員会」が設置され、新たな賦課制度のあるべき姿について総合的に調査 研究し、護持口数、僧侶僧班、寺院役職と均等割を新たな賦課金の算定要素とし、そ れぞれの割合をほぼ三分の一ずつにするとの答申が出されました。
東京教区におきましても、東京教区護持口数調整委員会設置規則(平成十五年区令 第一号)により「東京教区護持口数調整委員会」を設置し、中央護持口数調整委員会 が提示した教区目標護持口数(現行の護持口数の二百二%増)について、教区内ご寺 院ご住職様、組長様、教区会議員様などのご尽力により、組および寺院間の調整を行 い、本年三月末日までに、教区目標護持口数の九十八・八%の達成をみました。
しかし、本年五月二十五日現在、全国三十一教区中、滋賀(四組未調整)・京都(全 組未調整)・奈良(全組未調整)・大阪(六組未調整)・兵庫(七組未調整)の五教区 は調整が完了しませんでした。
今回の臨時宗会で成立した「賦課金規程宗則」では、賦課金の種類はこれまでと同 様に普通賦課金と特別賦課金の二種類ですが、普通賦課金は現行の寺院賦課金と人別 賦課金に替えて、第一種、第二種、第三種の三種類に区分されます。
第一種賦課金は、寺院に対して賦課されるものですが、これまでと違い寺班は賦課 要素から除外されました。法規特別委員会の審議のなかで、寺班が賦課要素から除外 されるにあたって、将来的な寺班制度の方向性が問われ、総局からは「基幹運動の理 念や法規実態上も様々な問題を有し、今後の検討課題である」との答弁がありました。 新たな賦課要素として寺院役職という概念が導入され、住職には八点、副住職と住 職代務には六点、教師には四点のそれぞれ賦課点数が課せられることになります。 また、寺院の護持口数に〇・一七点を乗じた点数と均等割二点を合算した賦課点数 を算出し賦課金が課せられることになります。
さらに、これまでは宗教法人でない非法人教会に対しては、均等割額(一・五点) のみの賦課でしたが、今後は一般寺院と同様に第一種賦課金が課されることになりま す。
非法人教会への賦課については法規特別委員会の審議のなかで、「法規的に一般寺 院と同等の位置づけが行われていない状況で、義務的な規程のみを先行すべきではな く、教会主管者の寺院所属などの法的整備を同時に行うべきではないか」との意見が 出されましたが、総局は「非法人教会に対し、新制度による賦課を前提とした各種調 整や依頼を行っている現状にあり、今後の法整備についても、当然に研究、検討の上、 取り組む」との答弁がありました。
第二種賦課金は、僧侶の僧班ごとに点数を設定し算出されますが、列座、本座につ きましては、その席次にかかわらず賦課点数が列座は三点、本座は四点にそれぞれ統 一されました。ただし得度後二十五年を経られた七十五歳以上の僧侶の方々への賦課 は免除されます。
第三種賦課金は直属寺院に対する賦課金です。
なお、賦課点数は一点が三千七百円から二千六百円に減額されます。
特別措置として、平成十七年度賦課金の各賦課要素の調査期日は「今年七月一日現 在」、賦課金告知書の送付期限は「同八月三十一日」とされ、賦課金の納付期限も前 期が「同九月一日から十月三十一日」、後期が「同十一月一日から十二月三十一日」 とされました。
近畿地方の五教区が未調整段階での新賦課制度導入であることから多くの意見が出 されましたが、総局は「調整に努力された皆様のご努力は充分に承知している」「本 来は護持口数の調整が完了したうえで新賦課制度を導入する方法が理想ではあるが、 現在未調整の教区もあり、新賦課制度を導入することによって護持口数の調整を確実 に推進していきたい」等と答弁、未調整の教区については総長はじめ総務らが直接出 向いて「十分に主旨を説明し、ご理解・ご協力をいただくよう、精一杯努力する」と し、平成十八年度からは調整護持口数を用いる意向を明確に示しました。
要約しますと、今年度より新賦課制度を実施する。しかし、今年度の賦課要素とし ての護持口数については現行の護持口数を用い、平成十八年度より新たに調整した調 整護持口数で賦課するというものです。
以上、誠に粗略ではございますが、今般の臨時宗会のご報告とさせていただきます。
合掌
二〇〇五(平成十七)年六月十三日
宗会議員 池田行信
東京教区北選挙区
御法中の皆様へ

拝啓残夏の候、東京教区北選挙区の御法中の皆様におかれましてはご健勝にて二利 ご双行のことと拝察申しあげます。
さる七月二十七日から二十九日までの三日間、第二百七十八回臨時宗会が招集され、 不二川総局より「法規議案」二件、「財務議決議案」三件が提案され、可決されまし た。ここにその概要をご報告申しあげます。
すでにご承知の通り、本年一月九日にご門主様は「親鸞聖人七百五十回大遠忌につ いてのご消息」を発布され、大遠忌のご法要を二〇一一(平成二十三)年四月より二 〇一二(平成二十四)年一月までご修行になる旨をご治定下されました。
親鸞聖人七百五十回大遠忌法要を中間点とする二〇〇五(平成十七)年度から二〇 一六(平成二十八)年度までの三期十二会計年度にわたる「親鸞聖人七百五十回大遠 忌宗門長期振興計画案」(以下「宗門長期振興計画案」)の実施にかかる議案の審議 が、今回の臨時宗会招集の理由です。
「宗門長期振興計画案」は二〇〇三(平成十五)年八月、全国五百三十三組の組長 様にご意見・ご提言を依頼し、二〇〇四(平成十六)年二月十日までに提出された三 百二十三組分のご意見・ご提言をもとに、全宗会議員からなる「親鸞聖人七百五十回 大遠忌準備委員会」で計五十九回の協議を重ね、二〇〇四(平成十六)年八月三十日 に「最終答申」が不二川総長に提出されました。その後、「最終答申」を踏まえて、 総局としての「宗門長期振興計画大綱案」が取りまとめられ、本年二月にはご消息披 露総局巡回を実施し、今回提案された「宗門長期振興計画案」として最終的に取りま とめられました。
今回の臨時宗会で可決された「法規議案」二件、「財務議決議案」三件の内容につ きまして、概略ご説明申しあげます。
「法規議案」第一号、「親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画基本規程宗則」 は、「親鸞聖人七百五十回大遠忌法要」を契機として、三期十二会計年度にわたって 取り組まれる「宗門長期振興計画」の実施のための体制と枠組みを定める宗則です。 「新たな始まり〜明日の宗門の基盤作り〜」という基本コンセプトのもと、六分野、 十五の重点項目への取り組みが計画されています。六分野、十五の重点項目とその計 画額(予算)は次の通りです。
「法規議案」第二号、「親鸞聖人七百五十回大遠忌法要事務所設置規程宗則」は、 二〇一一(平成二十三)年四月から二〇一二(平成二十四)年一月までご修行になる 「親鸞聖人七百五十回大遠忌法要」の円成を期し、宗門として、諸般の関連宗務を処 理するに必要な体制を確立するため、宗務所及び各教区・直属寺院に法要事務所を、 また重要事項の諮問機関として、総局および教務所長のもとに法要委員会を設置する というものです。
「財務議決議案」第一号、「親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画推進費収 支計画」は、三期十二会計年度にわたる「宗門長期振興計画」の推進にかかる、総額 二百六十億円からなる収支計画(予算)です。歳入は、懇志(募財)が二百四十億円、 宗門推進金庫からの回金が十五億円、雑収入が五億円です。支出は六分野、十五の重 点項目への配分の他、寺院振興費(教化助成費)三十億円、宗務推進費(大遠忌法要 事務所・その他職員人件費等)十八億円、予備費二十七億円です。
「財務議決議案」第二号、「平成十七年度特別会計親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門 長期振興計画推進費歳計予算」は、「宗門長期振興計画」の平成十七年度の歳計予算 です。平成十七年度の一般寺院懇志予算額を三十億円とし、および宗門振興推進金庫 より五億円を回金するものです。
「財務議決議案」第三号、「平成十七年度特別会計宗門振興推進金庫歳計予算更正」 は、平成十七年度に、「親鸞聖人七百五十回大遠忌宗門長期振興計画推進費」として、 宗門振興推進金庫から五億円を回金するための歳計予算更正です。
なお、予算委員会の審議のなかで、収入の部の一般寺院懇志(二百二十六億円)の 依頼の配分・収納方法について質問があり、総局は僧侶懇志十四億円については、住 職一人につき七万円、衆徒一人につき三万五千円、門徒懇志二百十二億円については、 各教区の寺院数等を基準に均等割として依頼する教区均等割額は二十五%(五十三億 円)、残り百五十九億円については、蓮如上人五百回遠忌法要時の各教区の当初依頼 額が全体に占めた比率に応じてお願いするとの答弁がありました。
なお、これまでの慣例に倣い、第一次・二〇〇五(平成十七)年八月一日から二〇 〇七(平成十九)年三月三十一日までに依頼額を完納された寺院には十五%、第二次 ・二〇〇七(平成十九)年四月一から二〇〇九(平成二十一)年三月三十一日までに 依頼額を完納された寺院には十%、第三次・二〇〇九(平成二十一)年四月一日から 二〇一一(平成二十三)年三月三十一日までに依頼額を完納された寺院には五%が、 教化助成費として還付される勧励措置がとられます。
以上、誠に粗略ではございますが、今般の臨時宗会のご報告とさせていただきます。 時節柄、御身くれぐれもご自愛下さいますよう念じあげます。
合掌
二〇〇五(平成十七)年八月十六日
宗会議員 池田 行信
東京教区北選挙区
御法中の皆様へ
