菜穂子・楡の家 堀辰雄 新潮文庫 ★★★★

 中原中也詩集 中原中也 新潮文庫 ★★★★
 僕の最も好きな詩人の一人。作品も、主要作品が収められている。元々残した数が多くないので。
 しかし、「中原中也全詩集」が角川ソフィア文庫から出版された現在、あえてこれを買う必要性は減った。

 中原中也全詩集 中原中也 角川ソフィア文庫 ★★★★★
 ついに出た。中原中也の詩を全て収めた文庫が。この文庫一冊買うだけで、
 中也の散文・戯曲・小説の習作以外は、全部読めるようになるのだ。
 中原中也の詩を全部読みたい。けれども、全集は高すぎる。
 本書は、そんな悩める中也ファンにとって、まさに痒いところに手が届く一冊となっている。
 若いときの短歌の習作なども残さず収録。
 この本によって、今まで傑作として知られてきた「汚れちまつた悲しみに」以外にも、
 沢山の隠れた傑作があることを、我々は知るだろう。
 巻末には、用語解説だけでなく、生前親交が深かった大岡昇平・小林秀雄両氏の解説も収録。
 中也ファンは、絶対買うべき一冊だ。
 中也は、僕が日本で最も好きな詩人の一人であり、
 いささか感傷的に過ぎる彼の作風は好き嫌いを呼ぶけれども、彼がわずか三十年の生涯に残した、
 その斬新で精練な詩は、日本の詩文学に巨大な足跡を残した。
 詩を愛好するものならば、この夭折の天才詩人を一度は読んでおかねばなるまい。
 たとえその結果、この詩人を嫌う結果になっても、決してその読書は無駄とはいえまい。
 彼の詩のレベルは、ヴェルレーヌやランボーに軽く匹敵する。

 夏の花・心願の国 原民喜 新潮文庫 ★★★★★
 原爆小説。日本文学史上最も美しい散文と言われている。

 楢山節考 深沢七郎 新潮文庫 ★★★★
 この人の、小説はなかなか面白い。エッセイは良くないけど。

  

 新美南吉童話集 新美南吉 岩波文庫 ★★★★★
 新美南吉が本当に素晴らしい作家だということくらい、読んでいればわかるよね?

 にごりえ・たけくらべ 樋口一葉 新潮文庫 ★★★★

 西の魔女が死んだ 梨木香歩 新潮文庫 保留

 二十四の瞳 壺井栄 新潮文庫 ★★★★

 二重人格 ドストエフスキー 小沼文彦:訳 岩波文庫 ★★★
 ドスト氏には、大変珍しい失敗作。訳のせいかもしれないが、とにかく描写が冗長を極め、
 冒頭から、何度も繰り返される同じような文章に辟易してしまう。
 最も、ドスト氏を責める原因にはならない。この作品は、ドスト氏の華々しいデビュー作「貧しき人びと」の次に出た、
 第二作で、彼の初めての三人称小説である。
 「これは、今までの僕の作品の中でも一番の傑作です、『貧しき人びと』の何百倍も凄いものです」
 と、自身に満ち溢れていた当時のドスト氏は語っているが、いざ出版してみると、
 その信じられないような悪文、くどい描写などによって、あっという間に期待の声は失望に変わり、
 「いたずらに冗長で、とても最後まで読み通せる代物ではない」とまで酷評される。
 更に、ドストエフスキーのデビューを後押しした批評家ベリンスキーでさえ、
 その「幻影的色調」をその最大の欠点とし、この作品を失敗作だと認定している。
 かくしてドストエフスキーの「貧しき人びと」で勝ち得た名声は、一夜にして落ち、
 それでも当時は期待の新進作家の新作として読まれたものの、今はよほどの愛好家でない限り、
 書名すら覚えていないという始末。まあ、当然といえば当然だわな。
 「それでも、ドストエフスキーを理解するには避けて通れない作品」と訳者は書いている。
 事実、ドスト氏はこの作品の改訂にこだわり、何度も挑戦して結局それを果たせなかった、というあたり、
 ドスト氏のこの作品に対する、並々ならぬ愛着が見て取れる。
 だが、僕はドスト氏のことを嫌いになってほしくないためにも、この作品は他人にお薦めはしない。触れんでよろしい。
 もっと面白い作品から読んであげましょう。

 二百十日・野分 夏目漱石 新潮文庫 ★★★★
 「二百十日」は、ユーモアたっぷりで面白い。
 「野分」は、漱石にしては珍しく希望を持たせる終わり方で良い(それでもハッピーエンドとは言いがたいが)。
 漱石の意外な秀作。

 日本探偵小説全集6 小栗虫太郎集 小栗虫太郎 創元推理文庫 ★★★★★
 三大奇書のひとつ、「黒死館殺人事件」を収録した小栗虫太郎の傑作集。
 他に「完全犯罪」「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「オフェリヤ殺し」を収録。

 人形の家 イプセン 新潮文庫 ★★★★

 人間ぎらい モリエール 新潮文庫 ★★★★
 ユーモアあふれる古典劇。

 人間だもの 逢 相田みつを 角川文庫 
 俺のように、本当に地獄を見て(イジメを受けて)、不登校になったり、リストカットしたり、自殺を実行しようと思ったり、
 鬱になったりした人間は、一人残らず相田みつをが嫌いである。
 彼のミミズののたくったような書を見るだけでゲロが出そうになるからだ。
 「こいつ、本当に何ひとつわかってねぇな」としか思わない。たとえば、「育てたように子は育つ」という一節がそうだ。
 これを読んで、良いと感じた人とは、悪いが一生俺は友達になれない。
 ケータイ小説、ライトノベル等と共に、人類が共同して焚書にでもしてしまえばいいのにと思う。
 しかしそれにも関わらずこいつの作品を買い続ける勘違い大馬鹿野郎は後を絶たない。

 人間の土地 サン=テグジュペリ 新潮文庫 ★★★★★

  

  

 ねじの回転 ヘンリー・ジェイムズ 新潮文庫 ★★★★
 不可思議で奇妙な幽霊物語。難解なので注意。

  

 野川 古井由吉 講談社 ★★★★★
 悲しい戦争の話。

 野菊の墓 伊藤左千夫 新潮文庫 ★★★★

 野火 大岡昇平 新潮文庫 ★★★★★
 文章が怖かった。戦争の怖さを思い知らされた感じだ。読んでいると、まるで自分が戦場へ放り出されたようだ。



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