S-760 Unofficial Database
Sound Making
ここでは私がS-760を使っている中で、面白いセッティングやサウンドメイキングについて紹介します。
- ◆ 擬似ステレオ
- S-760でステレオサンプルを転送するには左右のチャンネルを別々に送らなければいけません。そのあとSet Stereoコマンドで結合させるわけですが、楽器の音ならともかく環境音(海の音)などはステレオで送っても音は綺麗ですがサンプル時間も長く無駄が多いような気がします。
- このセッティングはモノラルのサンプルをステレオのように見せかけることができます。
- Setting...
[Sample] | モノラルのサンプルを用意して、適当なループ設定をする。 |
[Partial] | Partial SMT画面でパンを左右に分け、それぞれに同じサンプルを設定する。 |
[Patch] | Patch Common画面でAnalog Feelの値を増やす。 |
- たったこれだけでステレオ効果が得られます。
- どうやらAnalog Feelは左右のチャンネルに独立して働くようで、独立してピッチが変更されたサンプルはステレオのような効果を生み出します。
- ◆ サウンドライブラリのCD-ROMを作る
- いまさらと言われそうですが、Roland S-760 sampler info website でも紹介されているライブラリCD-ROMの作り方です。
- 私のCD-Rの書き込み環境はWindowsしかないため、そちらの説明で進めます。
- ● まずはデータの用意から
- CD-Rに書き込むデータは生のウエーブからではなく、現在使用している「ハードディスク」「MO」「Zip」などの大容量デバイスの内容を書き込みます。具体的に言うと、ハードディスクなどに書かれているデータをそっくりそのままCD-Rにコピーすると言った方が分かりやすいかもしれません。
- S-760で扱える最大の記憶領域は600Mバイトなので、540MバイトのMOが一番適していると思います。ちなみに、マニュアルにも書いてありますが、600Mバイト以上のメディアを使った場合でも、600Mバイト分しかフォーマットされないため、残りの分が無駄になってしまいます。CDに書き込むためには、読み出し元のメディアサイズが650Mバイトないし700Mバイト以下でないと当然書き込めないので注意してください。
- 私の環境でMOのイメージを吸い上げるには、MOとWindows PCをつなげるために、SCSI→USB変換インターフェイスを用いています。元々MOはWindows用のものを買っていたので、こういうオプションも同梱されていたわけで、そういう変換ケーブルが無い人はSCSIカードを買う必要が出てくると思いますが、現在新品で扱っている所は少ないでしょう。時代の流れですね。まぁ今時SCSIタイプのMO自体珍しいものですが... MOは先の通り540Mバイトのタイプを使い、中にはぎっしりサウンドデータを詰め込んでおきます。
- そして次にデータの吸出し処理にかかるわけですが、Windows上でファイルシステムとして認識していないメディアを吸い上げるソフトは結構少なく、フリーソフトとなると皆無に等しいわけですが、Windows上でUnixのコマンドラインツールが使えるようにする「Cygwin」と言うソフトで吸出しが可能でした。
- Cygwinは http://www.cygwin.com/ からネットワーク経由でのインストールが可能です。とりあえずインストーラをダウンロードして、ネットワークインストールを選ぶと勝手にインストールが行われます。サイズは60Mバイトと結構なサイズになるのですが、実際に使うソフトは5Mバイトぐらいなんですけどね。
- インストールが終わったら、環境変数を追加します。早い話、吸出しソフトを何処からでも実行できるようにすると言うことです。
- Windows 2000/XPでは「マイコンピュータ」のプロパティを表示させ、「詳細」の中に「環境変数」と言うボタンがあるので、それをクリックします。
- 下の欄の「システム環境変数」の中に「Path」という項目があるので、それを選んで編集します。下の枠の「変数値」と言う所には既に文字が入っているのですが、そこに以下の文字を追加します。(先頭のセミコロンを忘れないように、出来ればカット&ペーストしてください)
;c:\cygwin\bin
- 編集が終わったらOKで全ての画面を閉じてください。
- さて、お待ちかねの吸い出しです。スタートメニューから「プログラム」→「アクセサリ」とたどり、「コマンドプロンプト」を起動してください。真っ黒い画面に拒否反応を起こさないようにしてくださいね。;-)
- まず、吸い出したデータを置く場所ですが、分かりやすいように C ドライブの直下に置くことにします。キーボードから次のように打ち込んでください。
cd \
- そうすると入力待ちの表示が「C:\>」に変わりましたね。
- 次に、吸い出すMOを探すために次のように打ち込みます。
cat /proc/partitions
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- そうすると、接続されているドライブの一覧と容量が表示されます。今回吸い上げるディスクのサイズは540MのMOなので、近いサイズを探すと…「sde」と「sde1」です。吸い上げ作業をするときは数字の入っていない「sd?」を使うので、今回は「sde」になります。
- やっと吸出しです。以下のように入力します。sdeは自分のパソコンに合わせてください。
dd if=/dev/sde of=image.iso bs=1M
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- 数分すると、コピー完了のメッセージと共に C ドライブの直下に「image.iso」というファイルが出力されます。これをCD-Rに焼くわけです。画面では2行目にエラーの表示が出ていますが、きっちり読めているので無視します。(爆
- 最後にCD-Rへの書き込み方法です。吸い出したイメージファイル「image.iso」はライティングソフトでトラックのイメージとして読み込みます。その時に「ディスクアットワンス MODE1 (2048バイト)」になっていることを必ず確認してから書き込みます。
- 書き込みが終わったら、手元にあるCD-ROMドライブに装着してウエーブのロードが出来るかチェックします。あっさり上手く行ったなら絶叫モノです。
- ちなみに、システムのロードは出来ませんでした。
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