■ 神社のクリスマス


 一般の家庭と同じである。
日本の多くの子供達にとってクリスマスとはプレゼントを貰い、ケーキを食べる日である。
若いカップルにとっても、プレゼントを交換し一緒に食事する日である。
酒好きの親父にとっては何かの唄にあった様に「十二月はクリスマスだ、酒が飲めるぞ」である。

クリスマスは本来、キリスト教の行事である。
イエス・キリストの生誕を祝い、その意義をかみしめ感謝する日である。
故に敬虔なクリスチャンはクリスマスを静かに過ごす。

クリスマスに宗教的意義を見出している日本人は少ない。敬虔なクリスチャン以外の日本人にとってクリスマスとは、今や宗教行事ではなく年中行事である。
だから、キリスト教系以外の保育園や幼稚園でもクリスマスの行事を行うところは多い。

公立の施設であっても同様である。
例えば公立の保育園でクリスマスの行事を行い、それに対し、政教分離の原則に反する憲法違反だと騒ぐ親はいない。

節分の豆まきや節句、七夕や七五三もその起源をたどると宗教とかかわりが深い。しかし、強く宗教的意義を感じている人は少ない。

日本の多くの行事は、長い歴史と伝統の中で育まれてきた、生活習慣から生まれたものが殆どだ。

その為、本来宗教とかかわりの深い行事であっても、改めて宗教性を感じることなく、生活習慣の中の年中行事としてとらえる事が多い。

だから、七五三のシーズンに金太郎飴を配るキリスト教系の幼稚園があっても不思議ではないのである。

そして、これで良いのである。

「日本人は宗教的に節操がない」と言う外国人もいるが、この節操のなさが大きな宗教戦争を生まなかった。

日本の文化は柔軟である。受け入れる文化である。

クリスマスにケーキを食べて、その一週間後には神社へ初詣に行く、これが日本人である。

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