■江別市学校適正配置基本計画〈私案〉
今般の江別市学校適正配置基本計画に於ける江小・三小統合改築計に そもそも今回の統合改築計画は「少子化」という大きな社会の流れにその淵源があります。 そして、我々はそれぞれの地域社会に於いて「少子化」と共に「住民の高齢化」という大きな問題も抱えています。 子供の数がどんどん減る一方、地域社会における人間関係の希薄化が高齢者の孤立化を進める事は容易に推知出来、更に独居老人の孤独死や自殺の増加は今後ますます大きな社会問題となる事は顕然としています。 こういった社会環境を迎えて、今回の学校適正配置基本計画を、単に江別小学校・江別第三小学校を統合するか否かという問題だけに捉えず「少子高齢化の大波の中で、これからの町づくりを一体どうするのか?」という地域社会全体の大きなテーマとして取り組むべきではないでしょうか。 「少子化」と「高齢化」という厳しい地域環境の中で、次代を担う子供達にどういう教育を行うべきか、また多くの高齢者達が生き甲斐を感じながら生活するために何が必要か、行政を含めた地域社会全体で大きな「発想の転換」が必要であると考えます。 そこで次のような計画を提言いたします。 この提言が学校適正配置基本計画で最も重視されている、学校の「望ましい規模」に対する直接的解決案、具体的対策となっていない事は承知しております。 近い将来の「少子高齢化が進んだ地域社会の在り方」という立場から立案しています。
江別小学校、江別第三小学校を、それぞれ学校機能と共に高齢者の福祉機能を備えた複合施設として新設する。 学校施設の中に高齢者が毎日通って利用できるサロン、リハビリ施設、あるいは市営のシルバーマンション(有料)等を設け、これらの施設に通うまたは居住する高齢者が子供達の先生代わりとなって、様々な実習を一緒に行なえるような授業プログラムを組み入れる。 例えば、グランド周辺での花壇作りや野菜の栽培、調理室でのそば打ち、魚のおろし方、煮物・漬物作り、工作室等での大工仕事、陶器づくり、裁縫、紐の縛り方、風呂敷のたたみ方、おりがみや竹細工、笹笛作り、体育館で紙飛行機を飛ばす、便所掃除をする、一般教室で地域の歴史や自分史を語る、給食を食べる、施設内のプールや風呂に入るなど、高齢者と子供達とが同じ空間の中で一緒に過ごし、様々な体験を共有し有機的な関係を育む。
小学生と高齢者が恒常的にコミュニケーションを取れる空間を作り、両者が親密に触れ合う事により 1.子供達にとって 「人が生きて、そして老いて行くとはどういうことなのか」高齢者の現実の姿を感じてもらう。 その上で、お爺ちゃんやお婆ちゃんって、凄い!!「いろんな事を知っているんだ」を体験させ「共に学び、共に生きる」共生の心を浸潤させる。 2.高齢者にとって 高齢者自身の経験や知恵を垂示する場を提供し「元気なうちは社会貢献する」を実践して頂く。 3.地域にとって 災害時の避難施設とする。
◎期待できる効果 ・子供達にとっての効果 1.子供達は高齢者から「生きる事とは何か」や「生活の知恵」を学べる。 1.積極的な社会参加により新たな生き甲斐が生まれ、さらに有意義で達成感の大きな人生を歩むことが可能となる。 2.日常生活に程良い緊張が生まれ、ボケ防止や健康保険料の負担軽減に繋がる。 ・地域にとっての効果 1.地域社会に於いて子供達と高齢者達とがお互いの顔や名前を知り、顔見知りが増える事は、 @犯罪の抑止力に繋がる。 A緊急災害時に於いて、行方不明者の確認等に効果を発揮する。 2.この様な企画を全国に先駆けて行う事で、江別市の子供への教育また高齢者への対応が評価され「江別に住みたい人」が増える可能性がある。 |