社の役割とまつり


神社とは祭りを司るところである
では、祭とは何か。

祭とは日本そのものであり、日本人そのものである。
最近の横文字を使って表現すると「祭とは日本の、日本人のアイデンテテー」という事か。

近年、地球環境の悪化、自然破壊などから「自然との共生」という言葉がもてはやされているが、神道思想の根元は元々「自然との共生」なのである。
そして、それが祭の精神であり、祭の本質である。

当ホームページの「日本人の神観念」で述べている通り、人間は大自然を
構成する自然の一部であり、自然界の万物に神の魂を見出している。
と言う事は、自然の一部たる人間にも神の魂が宿っている、のである。

そう、我々の身体には神の魂が宿っているのである。
故に祭が近づくと血が騒ぐ。

人間が自然の一部であると言う事は、草木等のいわゆる自然と
人間との共生であり、人間と人間との共生でもある。
そして人間たる自然と草木たる自然に宿る神々との共生である。

祭は日本の悠久の歴史の中で育まれてきた。
祭は日本人の信念や思想、感性や美意識といったものを具現化した
ものだ。

人間が大自然の恵みから頂いたもの、食物や織物、木工品、陶器、金属
工芸品に至るまでその恩恵の全てを供え、感謝の誠を捧げ、共生を誓うので
ある。


神社の祭りは日本国中津々浦々、あらゆる町や村で執り行われている、
我が民族の行事である。

この観点からすると祭は一宗教行事を超えて、日本の、日本人の伝統と
文化に支えられた民族行事と言える。

日本国中で繰り広げられる、この安定した精神文化の粋たる祭を、守り伝える中心的存在が神社である。

神社の役割は今も昔も、これからも変わらない。

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