源氏九郎・源義経/村上弘明、お蝶/片平なぎさ、織江/斉藤慶子、早川要乃進/大橋吾郎、夢現天山/石橋蓮司、堀田信濃守/江原真二郎、日正/丹波哲郎
原作:柴田錬三郎 脚本:志村正浩 音楽:横山菁児 監督:牧口雄二
文治五(1189)年閏四月、奥州平泉。鎌倉の源頼朝より、義経の首を差し出せとの矢の催促を受けた藤原泰衡は、夜陰に乗じて衣川の館に義経を襲う。天命と諦めた義経は吉次に二振りの剣を渡し、落ち延びてしかるべき寺社に預けるよう命じて自害する。その刀は壇ノ浦の合戦で平家がほろぶ折に義経が敵の総大将平時忠より託された宝刀、火焔剣・水煙剣であった。
弘化元(1844)年。名刀火焔剣を背にして旅の途中の大坪左源太は、刀を狙う謎の侍集団とお蝶たちに山中で襲われ瀕死のところを源義経の血を引く浪人源氏九郎に助けられる。大坪は九郎に刀を渡し、三島神社で自分の代わりに試合をしてくれるよう言い残して息絶える。
狙った火炎剣を九郎に横取りされたことを口惜しがるお蝶と子分の留吉は、街道で女連れの若い侍早川要乃進が火焔剣を背負っているのを見て驚く。火焔剣は偽物が出回っていて、どれが本物か判らない。早川と殺された大坪は、翌日の三島神社の奉納試合でそれぞれの火炎剣をもって戦い、刀の真偽を決することになっていた。
本物の火炎剣の持ち主、早川要乃進役。命を賭けた試合に許婚・織江を連れて来ているが、対戦相手である大坪左源太が江戸一番の使い手で自分が負けるかもしれないという不安にかられ、試合に勝てば織江と結婚できるが「負ければ、この世で真の幸せを得られなかったことになる。だから今宵は・・」と何度もすがるが、大事な試合の前に刀に叱られますと拒絶される。そして案の定翌日、大坪の代理として現れた源氏九郎に敗北する。
直前まで「もし私が負けるのを見たらどうされる」「わたくしも、相果てます」という会話をしていたにも関わらず、ならず者から助けられた途端に許婚の織江は源氏九郎に一目惚れ、試合では刃が折れた九郎を深追いしすぎて火焔剣でない刀で斬り殺されるという(あそこでやめときゃよかったのに・・)、ちょっと哀しい&情けない役柄。