MY BEST CAT〜ギャオス〜

享年推定2才♀。彼女との出会いはいまから8年前の夏。以前住んでいたアパートの駐車場に車で帰ってきたとき、アスファルトの上にちょこんと座っていた。まだ若猫らしく、私が「にぃやー」と妙な猫語(?)で呼ぶと、いちもくさんに駆け寄ってきた猫。足元に絡みつく彼女がいとおしくなり。主人が帰宅前のを良い事に、ご飯をあげちゃったのです。あまりいっぱい食べなかったので、「のらちゃんじゃないんだなぁ」とちょっとがっかり?していたところに主人が帰宅。彼女も満足したようでそのままどっかにいっちゃったんです。何事もななかったように、さっきであった「若猫」の話をしながら、そのまま布団に入ったのです。しばらくすると。。。いきなり「ばりばり」という音がして、目が覚めました。そこで見たものは!!!「網戸に張り付く猫1頭!」。そう、さっきの若猫です。元来猫好きの私たち、そこは賃貸のアパート。でもその猫は網戸のそとで「にゃお、ニャオ」しまいには「ぎゃお、ぎゃお」と、、、まさに「入れてよ〜。はやくぅ!」と叫び出したのです。あまりの衝撃に2人とも飛び起きて、家に入れました。初めて彼女にしてあげた?ことは、真夜中のシャンプー。普通猫って水が嫌いなようですが、彼女はとってもおとなしく、人間用のシャンプーでぴかぴかになりました。その晩から一緒の布団に入り、肩に乗り。まるで我が家??名前はそのしゃがれ声から「ギャオス」、ぎーちゃん。って呼んでました。これでめでたく我が家の猫になったわけです。もちろんアパートで内緒に飼っていることと、もしかしたら?およその飼い猫かもしれない。という重大な事実以外は平凡な毎日でした。
 
ギャオスはとってもかしこい猫でした。日中わたしたちが出かけていると10センチほど開けておいた出窓から自由にで入りし、駐車場でのびのび日光浴。私たちの車の音を聞き分け、車止めのところでちょこんとお出迎えします。ごはんをつくっているときは、私の肩にのって、、、でも、いつまでもアパートで内緒飼いは無理だろうと。。思い切って家を建てることに!しました。親の持つ敷地に2階建て3LDKの二人と1頭のSWEET HOME.もちろんギャオス用の専用出入り出窓つき。計画は着々と進んでいました。
 
或る日、来客の少ない我が家のチャイムがなり。違和感?を覚えたわたしはあわててギャオスを奥の部屋へ、ドアを開けたら見知らぬ女性が立っていました。「ここに猫が迷い込んでいませんか?」。私が一番恐れていたことが!そうです。この女性がギャオスの飼い主だったのです。私は心の中で「いいえ、・・。」と。やはりここでは正直に話すことにしました。とてもいい子で我が家でいることをお伝えしました。飼い主さんに怒られることを覚悟しながら、、、しかし、その女性は怒ることもなく淡々と話しはじめたのです。飼い主と私が(勝手に)思い込んでいた方は、近所に住む猫好きの方で、捨て猫(悲しい呼びかたですね。)や迷い猫を保護して育てている方でした。。ギャオスもその中の1頭。ギャオスは新入りでほか猫となじめずに最近いなくなったそうです。その女性は私たちの移住計画をきき、快くギャオスをわたしたちに託してくれました。彼女がドアを閉めた瞬間、部屋にもどりおもいっきりギャオスを抱き締めました。これで名実ともに我が家の猫「ギャオス」の誕生です!

二人と1頭のたのしい毎日は長続きしませんでした。ある晩、わたしたちがコンビ二いくために車に乗ろうとしたときに、ギャオスがいっしょに乗ってきたのです。いつでも一緒にいたい気持ちと彼女をひとり駐車場に残すことができなくて、そのまま車を走らせました。コンビニについて、わたしがドアをあけた瞬間ギャオスが車道に飛び出してしまったのです。そして、真っ赤なセダンが彼女を宙高くはねてしまったのです。跳ねた場所から少しさきでその車は、停止しましたが、そのまま何もなかったように走りさりました。わたしたちは動路の中央にはじき飛ばされたギャオスを抱え、そのまま病院に走りました。涙交じりの声で、「ギャオス、ギャオス」と何度も話かけながら。。。彼女は主人の腕に抱かれ最初は「みゃご、みゃご」と鳴いていましたが、病院に着くころには動かなくなってしまいました。彼女は主人の腕の中で息絶えたのです。それでも獣医さんは夜遅い時間にもかかわらず、そんなギャオスを診察してくださいました。そしていくつかの動物霊園を紹介してくださいました。我が家に冷たくなったギャオスを連れ帰り、最後の晩をいつもの「川の字」で過ごしました。朝が明けるころには、私たちの中から「動物霊園」のことはなくなっていました。計画どおりSWEET HOMEの庭の一角に彼女を休ませることにしました。早朝、親に連絡をして承諾をしてもらいました。わたしも主人も会社を休んで彼女のお弔いをしたのです。顔中を涙と鼻水でぐしゃぐしゃにしながら。。。家ができるまでの間は工事の方にも、この場にギャオスが眠っていることを伝え、杭とロープで立ち入り禁止のエリアをつくりました。

その日、以来「ギャオスには可愛そうなことをしてしまった・・絶対に猫は飼わない」と言いながら、ギャオスがいなくなってしまった我が家は空虚なものでした。彼女が使っていた食器、シャンプー、おもちゃ、封のあいた猫フード。何をみても涙が溢れてきます。とても重い日々でした。
そんなとき主人が「猫図鑑」を買ってきたのです。わたしもなにげなくTOPのページからめくってみたのです。そして!表紙を開けてすぐにあったABYSSINIANに魅了されてしまったのです。そして、ギャオスの四十九日を過ぎたころには「ABYちゃんといっしょに暮らしたい!」と切望するようになったのです。そして二人の中では「絶対、完全室内飼いで。。。」という誓いがありました。それから近くのペットショップを走り回り、やっとの思いで巡り合えたのが現在のママ猫ABYです。そのABYも今年で7才になりました。パパ猫KIKIもとっても元気。可愛らしい仔猫にも恵まれました。もし、ギャオスがいたら9才か10才。本当に短い猫生でした。
 
今回、このMY BEST CATを書きはじめてすでに3週間が経過しました。書き進めるうちに涙があふれてくるのです。書いては涙でキーを打つ手が止まり、止まり。それでも3週間をかけて書き進めたのは、ギャオスのことを書けば、私たちのギャオスへの心からの愛情・感謝と謝罪、そして今一緒に過ぎしているアビシニアンに対する愛情を再認識できると思ったからです。残念ながらギャオスの写真はたった一枚あるだけです。ピンボケで、輪郭があまり分からないほどのこの写真だから、見るたびに彼女との短い時間がとても長く感じられるのかもしれませんね。これからもたくさんの猫ちゃんとの出会いがあると思うのですが、やはりMY BEST CATは、あの夏の夜中に網戸ごしに「入れてよ〜。早くぅ!」と叫んだギャオス。彼女です。
 
《とむ》
 
この長いつたない文章にお付き合い頂きましてありがとうございました。