つぶやき | 行田民主商工会 ★7/18 坂口安吾「信長」を読む 学生時代に誰もが一度は手にする坂口安吾であるが、歴史小説を書いていたとは知らなかった。 信長といえば誰もが知る歴史上の英雄である、多くの歴史小説家が書いているものの、桶狭間以前はやや触れている程度であろう。しかしこの物語は桶狭間までである。 多くの人がイメージする青年期の信長であるものの、後年狂気じみたふるまいするとは到底考えられない信長像で、義を重んじ、理に熱いそんな信長で、青年期には、もはやこれまでという瀬戸際に幾度となく追い詰められることの繰り返しであった。 おすすめ度☆☆☆☆ 城山三郎「本当に生きた日」を読む 著者が城山三郎なので読み始めた、これまで何冊か読んだが異質な作品だ。 専業主婦の素子が仕事に就くものの様々な事件に巻き込まれる。 しかし読み進めていくうち単に仕事と家庭に忙殺される女性を描いているだけでつまらないと感じたものの、現実圧に倒的多くの女性の考えと行動が描かれているのかそうした女性へのメッセージなのかなと思えた。 おすすめ度☆☆☆ 吉村昭「蛍」を読む さまざまな人々の何気ない日常を淡々と描いてある。 読み進めるのがとても辛い(平板すぎて)作中の一編が映画化されるらしい。 監督がどう料理してくれるのか、私にはとても想像がつかない。 おすすめ度☆☆ 福岡伸一「生物と無生物のあいだ」を読む 生物とは何かという大きなテーマについて語り、20世紀の生命科学の到達点を記述する。 20世紀の生命科学の発展史、科学的検証の方法など興味深かったが、DNA構造の謎、遺伝子改変による生物学的影響などとくるとチンプンカンプンだ。 しかし特に興味を引いたのは、科学者の科学的態度「見ようとして見えないからといって何もないわけではない」 遺伝子ノックアウト技術によって遺伝子の一つを完全に取り除いても何らの不都合が起きない、いまだ説明のつかない特性が存在している。 おすすめ度☆☆☆ 香納諒一「ハミングで二番まで」を読む 氏の初期短編集、題名のハミングで二番までは若いころの3人組がちょっとした悪事を働く、巡り巡って身に降りかかる。 「あの頃の私たちにとっては、私たち3人以外はすべて敵だった。世界が敵で満ち溢れているように思える時期が、20歳そこそこのガキにはあるのだろう。自分が何者でもない恐怖。このまま何物にもなれずに生きていく恐怖。現状の不満も将来の不安も、すべてが心ささくれだたせる元になった。」 おすすめ度☆☆☆ 今野敏「ビート」を読む 刑事二人の家庭が丹念に描かれていた。 いわゆる刑事ものと違う、青少年を抱える刑事の悩み、家庭や家族とどう向き合い、子供をどう見詰めていくのかそんな本でした。 慶治という仕事の弱点、人に嫌われまいとし、心を隠す、仕事をそつなくこなそうとするあまり周りに気を使う。 最終章事件の収束の仕方は人間的だ。 おすすめ度☆☆☆ 萩原浩「僕たちの戦争」を読む 21世紀の若者と戦中の同年代の少年兵と突如入れ替わる。 それぞれの性格が違い、慣れない環境で自分も周りもあたふたするさまが面白い。 「50年後の日本は、多すぎる物質と欲と音と光と色の世界だった。誰もが自分の姿を見ろ、自分の声を聞けとわめき散らしている。謙虚も羞恥も謙譲も規範も安息もない。」 「未来社会には様々なモノがあふれている。食料、衣服、日用品、家財道具、舶来の品々。最初はただただ瞠目し、度肝を抜かれるばかりであったが、今はもう慣れた。箸、茶碗、歯ブラシ、石鹸……本当に必要なモノは昭和19年とたいして変わらない。後はなくてすむものばかりだ。」 戦時中の軍隊や、現代社会に対しての批判も込められてあり面白いが「バックツーザフィーウーチャー」みたいなところは書き過ぎかも おすすめ度☆☆☆ 篠田節子「ゴサインタン」を読む 旧家の跡取りに嫁いだネパール人のため奇怪な言動により全財産を失う。 「捨てなさい、すべて捨てなさい捨てて楽になりなさい。」と言われなすすべなくすべてを失う。 しかしすべてを失ったのち妻は失踪し、故国に帰る。その後を追ってネパールへ、ゴサインタンのふもとの村まで探しにゆき巡り合えなければこの地に暮らすことを決意する。 ネパール側でゴサインタンとは「神の住むところ」チベット側ではシシャパンマ「家畜が死に絶え、麦も枯れる地」の意味らしい。 ネパールの地理、慣習、風俗については詳しく書かれてある。 おすすめ度☆☆☆ 重松清「トワイライト」を読む 小学生の時クラスの皆とタイムカプセルを埋めた、30年ぶりに仲間とともに掘り返すことになる。 集まった仲間は、リストラにおびえ勇気を持って一歩が踏み出せないもの、家族が家庭が壊れていきつつあるもの、ライバルとの出世競争に敗れて落ち込む者、様々な悩みや重荷を負った面々が集まり短い夏を過ごし、解決はつかぬものの一歩を踏み出す。 タイムカプセルからら出てくる今はなき恩師の手紙の結び 「皆さんの40歳はどうですか あなたたちはいま、しあわせですか・・・」 おすすめ度☆☆☆ 堂場瞬一「帰郷」を読む 刑事鳴沢了シリーズの何作目かわからない、現在何作まで出ているかもわからない。 第1作から読まなくてもいい、何作目から読んでもだんだんわかっていくのもよい。 父との確執から新潟を後にし東京に、父の葬儀のため帰郷する、15年前父の手掛けた事件にかかわり合う、事件を追い、父の残したノートから長きにわたった父と子の確執も氷解して行く。 おすすめ度☆☆☆ 楡周平「再生巨流」を読む 主人公吉野は巨大物流企業で働く、切れ者故窓際に、しかも困難なノルマを課せられる。 しかし困難な中、画期的な物流システムを思いつき、その実現に全力を注ぐ。上司の理解を得られず追い詰められ最後の賭けに出る。 仲間とともに成長していく姿が素晴らしい。 「吉野は、その時始めて企業人として、いや人間としてこれまでの自分に何が欠けていたのかをはっきり悟った。 夢を見させてやること。 そう、どんな人間にでも将来に希望を見出させてやること。それが必要だったのだ。」 おすすめ度☆☆☆☆ 米原万理「必笑小噺のテクニック」を読む 本書を読み進めると思わず微笑んでしまう小噺、爆笑してしまう小噺、何度読み返してもどこが面白いのかわからないものなど満載、小噺とバカにできない、歴史や文化芸術について深い知識がないと笑えない。 巻末に「病気とか、不運な事故とか、人を失ったり裏切られたりする悲しみとか、悔しさとか、理不尽な差別とか、腹立たしい悪政とか、単なる間の悪さとか、窮地に立つと、人は視野が狭くなって、ますます自分を追い詰めてしまいがち。苦しい時こそ、そんな自分や不幸の元を突き放し笑い飛ばしたいものだ。」 応用問題「・・・・」に適当な言葉を入れよ 再婚した父親がむすに尋ねる。 父親「浩、どうだい、新しい母さんには慣れたかな」 ひめし「・・・・・・・・」 男が占い師のところにやってきて、掌を開いて見せた。占い師曰く。 「お子さんが2人いらしゃるわね」 「ふん、のっけからはずれだなあ。子供は3人いますよ」 「・・・・・・・・・・・・・」 おすすめ度☆☆☆ 篠田節子「ゴサインタン」を読む 旧家の跡取りに嫁いだネパール人のため奇怪な言動により全財産を失う。 「捨てなさい、すべて捨てなさい捨てて楽になりなさい。」と言われなすすべなくすべてを失う。 しかしすべてを失ったのち妻は失踪し、故国に帰る。その後を追ってネパールへ、ゴサインタンのふもとの村まで探しにゆき巡り合えなければこの地に暮らすことを決意する。 ネパール側でゴサインタンとは「神の住むところ」チベット側ではシシャパンマ「家畜が死に絶え、麦も枯れる地」の意味らしい。 ネパールの地理、慣習、風俗については詳しく書かれてある。 おすすめ度☆☆☆ 堤 未果「ルポ貧困大国アメリカ」を読む この本を読んで、過去に笑えない笑い話を思い起こす。 「アメリカで救急車を呼ぶと、真っ先に入っている医療保険を聞かれその医療保険の種類によりかかる病院が違うし、その後の取り扱われ方も違う」らしい、しかしここに書かれている事は笑い話どころかもっと深刻な状態だ。 アメリカは皆保険ではない保険料が高くて4700万人の人が無保険だ、公的保険が全くなすわけではなく65歳以上の人が一定保険料(20年間)を払って使えそのうえ一生に60日だけ入院が認められるらしい、出産に日帰りも珍しくなく1日入院の出産では州によって異なるがニューヨークでは240万円ぐらいになるらしい。 病気になったため中流家庭も最貧困層に転落し、ついには自己破産も珍しくない。 教育現場といえば、給食に大手外食産業が参入しマックなどが出されるらしい、最貧困層の児童は皆肥満でその実態が恐ろしい。 90年代市場原理主義が台頭し、2000年に入り歯止めのない市場原理主義は教育や医療をはじめとする社会保障だけでなく戦争までも民営化される実態が明らかにされている。 出口を塞がれた若者たちを兵士にしイラクに派兵するシステムに慄然とする、また貧困国を傭兵としイラクに派兵し戦死したとしてもカウントされない。 「テロとの戦い」「愛国心」のなのもとは真実を報道できないメディアなどそこは映画やテレビで私たちが見るアメリカ「自由と正義」が尊重されあらゆる機会が平等の国には程遠い。 よく日本はアメリカの10後を追っているなどといわれるが10年先これが日本ではたまらない。 おすすめ度☆☆☆☆☆ 松本清張「時間の習俗」を読む 昭和38年ごろの作品らしい、当時の交通機関の様子がよくわかる。 謎解きの面白さから一気に読ませてくれるが主人公三原警部補の被疑者の得意の仕方が強引過ぎるが紙数の制限の中では仕方がないのかも、アリバイを次々崩し犯人にを追い詰めていく過程はさすがに読ませる。 おすすめ度☆☆☆ 小杉健治「絆」を読む 「原島弁護士の愛と悲しみ」を読み再度「絆」を読み返してみた。 初めて読んだ時ほど深い感動はなかったものの、障害のある家庭の内実や障害者への社会的サポート、政策などその背景も丹念に描いていた。 主人公の司法記者の妻の出産と合わせて障害者問題をテーマにした法廷劇は一気に読ませる。 無実の罪と、過去の悲劇と障害のある弟かばう姉の苦しみはわかるもののちょっと無理があるかな それでも おすすめ度☆☆☆☆ 小杉健治「原島弁護士の愛と悲しみ」を読む かつては氏の作品をよく読んでいたが、最近は時代小説をよく書いているようで「○○頭巾」「○○捕り物控え」などというものが多いようである、あまり読みたいとは思わないが、初期作品について書評家から社会派といわれ私もよく読んでいましたし、好きな作家のひとりであった。 小杉健次の初期20年前の作品収録されたものはほとんどテレビドラマ化されたのではないかと思う。 主人公は、弁護士、警察官、刑務官、鑑定医などが事件を単に解決するのでなく背後の真相に迫りその人たちの過去の苦い人間関係を見据えるいい作品です。 おすすめ度☆☆☆☆ 結城昌治「暗い落日」を読む 高校生の頃、氏の「軍旗はためく下に」読んだ記憶がある、確か地元熊谷が描写されていたことが強く心に残っている。 その後氏が熊谷にゆかりのある作家だと知った。 そんな記憶があったためか書店にあった本書を買い求めた。 40年前に書かれたものらしいがそんな時代を感じさせなかったが、異母兄弟の愛は古くからのテーマかもしれないがもう一つ納得がいかなかった。 おすすめ度☆☆☆ 山本周五郎「髪かざり」を読む 戦国時代から幕末まで十数人の女性を描く、短編集 武士の妻、城主の妻、下級武士の妻、幼い子の母、町屋の娘、などさまざまな女性の生き方が描かれている。 夫をひたすら信じる妻、夫にかしづく妻、子供に寄せる並々ならない愛、強く自らの道を生き抜く女性など魅力にあふれている。 忍城にまつわるもの2編あり、笄堀は「のぼうの城」と同時代、城主の妻の奮戦ぶりが描かれてあり、こちらのほうがリアリティーがある。 おすすめ度 ☆☆☆ 宇絵佐真理「憂き世店 松前藩士物語」を読む 相田総八郎は藩が国替えされると士跡を削られ浪人になる。 妻は、国元から、単身江戸に夫を探しにゆき首尾よくめぐり合えたものの裏店なすまい、その日暮らしが続く。 長屋の人情味あふれる触れ合いの中、一人娘も成長する。 14年ひたすら帰封をまち続け、再び士官した。 月日は容赦なく懐かしい景色を変える。 おすすめ度☆☆☆ 重松清編著「教育とはなんだ」を読む 重松清が研究者、政策立案者、実践者の各氏にインタビューし、インビュー後の感想を記し、インタビューを受けた方々のその後が語られていた。 教育論、授業の中身、教育の隙間、教師と職員室、卒業後のことなど多岐にわたっていた。 国語では、活字離れが言われて久しいが今の子供の文章力はあきれるぐらい早熟であるらしい。 親が体験した学校感、子ども観と現実子供がいる学校の実態との違いをなかなか受け入れられない実態。 教師の採用実態と職員室の閉塞感など様々な問題があるらしい。 「課外授業ようこそ先輩」のNHKプロデューサー編で重松が出演した番組で氏はテーマに「身近な人々を取材ベースにした小説づくり」にした。 席替え、視点を変えると世界の見方が変わる。「きっかけさえあれば子供の潜在的力は奔流のように湧き出してくる」 「小学時代の面影を残しながらも、希望に燃える人、すでに風雪を体験した人、これから自分の道を模索する人、とさまざまです。 ちょっと寂しいのは、あれほど瑞々しかった子供たちの多くが、普通の大人になりつつあることです。当たり前といえば当たり前なのでしょうが教育は人間に何を与えるのか、あるいは奪ってゆくのかと考えさせられてしまいます。」 「夢や希望持ちましょう」という信仰の先に何があるのか絶望の先送りかもしれないと語る。 過干渉と過保護、溺愛の考察では私も親として考えさせられた。 私はこれまで何人の先生に学んできただろうか、何を学んで何を学ばなかっただろうか、心を揺り動かされた教師はいただろか、つまずいた時励みになった言葉をくれた教師はいただろうか。 おもいだせない。 おすすめ度☆☆☆☆ 熊谷達也「相剋の森」を読む 氏の「邂逅の森」のその後というか続編なのかなと思う物語です。 主人公美佐子は、仙台のタウン誌の編集長を務めていた折、カメラマンの吉本から「山は半分殺してちょうどいい」と聞かされ、胸にその言葉がずっと引っ掛かる。 新潟と山形県境のマタギ里に取材を敢行する。 自然保護と希少動物の保護運動が言われる中、日本の狩猟文化に強くひかれていく。 しかし、若い人たちは、豊かな都会生活にあこがれ村を棄てていきそこに暮らす村人たちもまた村を守れるかどうかの瀬戸際まで来ている。 熊の習性、動物保護運動の現状ていねいに書かれている。 後半美佐子が岩手の実家を訪ね自分のルーツを手繰り寄せる、「邂逅の森」の松橋富治につながる血縁だと判明する。 美佐子にもまたマタギの血が流れていた。 マタギの里の若い頭領滝沢のその後も気になる。 明治大正時、一度はマタギを捨てた富治がまたマタギとなって森に入る邂逅の物語から クマと人間、自然と人間、保護と狩猟、都会と村との相剋の話になっている。 おすすめ度☆☆☆☆ 茂木健一郎「思考の補助線」を読む 知的探求はあらゆる快楽に勝る。 難解な語句が多いがそれにとらわれず読み飛ばす。 帯に「世界の見え方があざやかに変わる発想」とあるが、あざやかには変わらないがなるほどとは思った。 知的探求の複雑さ、困難さ、無限のふくらみ、一つのことを知るとさらに多くの謎が増える。 宇宙と人間、その意識、現代科学でも納得できる答えを持たないが今ある足元を見、頼りないながら物事の本質を見極めようと努力するしかないのかな。 おすすめ度☆☆☆ 相場英雄「デフォルト 債務不履行」を読む 主人公は大和新聞の経済部記者宮島、その宮島の友人沢田がある日、自殺する。 沢田は協立証券のエコノミストとして投資家に人気絶大であった。 宮島と彼の友人たちが自殺の真相知ったとき、沢田の無念を晴らそうと計画を立て実行する。 日銀や大手銀行のエリートたちの狡猾な行動が暴かれていく。 為替や国際金融の決済などやや難解なころもあるが読みごたえがある。 おすすめ度☆☆☆ 手島龍一「ウルトラダラー」を読む 東京下町の彫刻職人が失踪した。 02年に、ダブリンで偽百ドル札が発見され。 BBCの記者スティーブンはこれを追う、次々に明らかにされていく日本、中国、北朝鮮、米国の情報合戦の中、日本外交の闇までも暴いていく。 最近の外交上の出来事をはさみながら真相なのでは、あるいはモデルになった人がいるのではなどと思わせる。 ニュースとして流れる情報は国家が保有する情報のほんの一握りにすぎず後世それが明らかにされる時には、すでにその有用性を失ったのちのことで、歴史の中で風化してしまっていることとなる。 おすすめ度☆☆☆ 堂場瞬一「雪虫」を読む 刑事鳴沢了シリーズ第1作を読んだ前回は8作目を読んだ。どういう生い立ちか、主人公鳴沢の環境が少しわかった。 湯沢で祈祷師の老婆が殺害された、捜査を進めていくと50年前の新興宗教の存在が浮かび上がる。 そこに家族が絡んでいく、悲しい結末がまつが主人公鳴沢は悩んだ末にある決意をする。 自作もちょっと読ませる気になる、どうしてか、被疑者を追い詰めていくストーリーだけでなく主人公の生活や思考の過程、揺れる心のありようまで描かれているからなのか。 おすすめど☆☆☆ 重松清「オヤジの細道」を読む 夕刊フジに連載されたコラムをまとめ文庫本にした。 これまでの泣かせる重松と違い気軽に読め、なるほど、くだらな、などと好きかつてに思いながら読める。 「憧」「第3」「オヤジの人生訓」の考察など味がある。 おすすめ度☆☆☆ 堂場瞬一「偽装」を読む 刑事鳴沢了シリーズ 西八王子署の鳴沢了がある日日系ブラジルの小学生を保護するも、彼は何もはなさない 病院で保護されているさなか、何者かにさらわれ行方不明になってしまう。 少年の行くへを調査する中で日系ブラジル人コミュニティーと市民、警察との摩擦が浮かび上がる。 派手な立ち回りがあるのでも、ものすごい謎ときがあるのでもないところがいい。 シリーズ第1作も買ってしまった。 おすすめ度☆☆☆ 北森鴻「写楽・考」を読む 東敬大学民俗学教室の助教授蓮条那智が活躍するシリーズ。 世の中には奇祭や奇行の慣習がある、また寺社にまつわる様々な言い伝えがある、そこに調査に赴きそれぞれにまつわる事件に遭遇するものの見事に解決してしまう。 富士見講という講があるらしい、また富士見塚という塚が全国各地にあるらしい、近くにどこかあったような記憶がする。 どこか富士見塚があれば教えてください。 未だ富士山に登ったことのない私は、富士見塚で富士登山を味わいたい。 おすすめ度☆☆☆ 荻原浩「オロオロ畑でつかまえて」を読む 氏の「明日への記憶」は映画化され話題になった。 本書は氏のデビュー作で、もともとユーモア小説を書いていた、過去に同様のユーモア小説「神様からのひとこと」を読んだことがある。 本書は日本の秘境といわれる村での村おこし、人口300人の村の青年会のドタバタ。 ユーモアにあふれ、ノスタルジックにしてくれる。 「自分の庭で見つからないものはどこに行っても見つからない」 おすすめ度☆☆☆ 真保祐一「灰色の北壁」を読む 山岳小説というものがあるなら、その3編を収録 1つは、過去山で事故を起こし山岳救助隊員となり今は、ロッジの管理人、近くのサン域で2人の若者がそうなしその救助に向かう、過去の苦い記憶がよみがえってくる。 2つめは、ヒマラヤのピークホワイトタワー北壁を単独登頂する,師弟の疑惑と友情。 3編は、山で亡くなったわが子対話しようと重大な決意を以って、3年後の命日山に向かう「山の上でなら素直な自分になれる」 第1話の舞台は剣の源次郎尾根で、25年ほど前に山の仲間と登った気持のよい晴天だったことを思い出した。 この本を読むと体を鍛えてもう一度チャレンジしたくなってくる。 おすすめ度☆☆☆☆ 海堂尊「チームバチスタの栄光」を読む チームバチスタというとテレビドラマの医龍を想像してしまうがとんでもない勘違い。 バチスタ術という(心停止しないで心臓手術をすることと思っていたが)とんでもない勘違いをしていた。 本書読めばバチスタ術というものがわかるが心臓手術も相当乱暴なものかもしれない。 さて中身は、天才的外科医が大学病院に赴任しバチスタ術を行い次々と成功をおさめ不敗神話を築くが術中死が相次ぎ病院長に命ぜられ主人公が調査にのりだす。 この本が映画化され上映されているらしい。 なんで白鳥役を阿部寛が主人公田口を竹内結子なの、無茶苦茶じゃないの、ラストどうすんのさ。 オフェンシブヒヤリング最終極意・・・・すべての事象をありのままに見つめること。 おすすめ度☆☆☆☆ 「柳家小三治の落語1」を読む 柳家小三治の口演8席が収録されている。 落語は本があってそれを覚えるのでなく師の口伝をおぼえ自分の解釈工夫を入れそれぞれ伝承されていく文化らしい。 落語は江戸時代の話が多いので、当時の文化、慣習、用語等理解できないとそのうちわからなくなるのでは、だから時代感覚にあったように噺家も工夫しているのではないか。 昨今はまたお笑いブームであるが、ここに紹介された噺は、そっと笑わしてくれたり、長屋の人情話であったり、おっちょこちょいの話だったり、劇発する笑いでない上質な笑いを提供している。 しかし、落語を本で読むのは演者の身振り表情が見られないので何とも、合せて生の高座も見たいものだ。 おすすめ度☆☆☆ 大岡昇平「ながい旅」を読む 戦後B級戦犯として起訴され絞首刑に処せられた、岡田資中将の裁判記。 戦時中の軍法軍律など知らないとなかなか読めない。 当時戦犯の多くが自己保身に奔走する中、部下の責任を一身に背負い死に突いたのは見事であるが、やや戦争を肯定する姿にはもう一つ納得がいかない。 おすすめ度☆☆☆ 真保祐一「灰色の北壁」を読む 山岳小説というものがあるなら、その3編を収録 1つは、過去山で事故を起こし山岳救助隊員となり今は、ロッジの管理人、近くのサン域で2人の若者がそうなしその救助に向かう、過去の苦い記憶がよみがえってくる。 2つめは、ヒマラヤのピークホワイトタワー北壁を単独登頂する,師弟の疑惑と友情。 3編は、山で亡くなったわが子対話しようと重大な決意を以って、3年後の命日山に向かう「山の上でなら素直な自分になれる」 第1話の舞台は剣の源次郎尾根で、25年ほど前に山の仲間と登った気持のよい晴天だったことを思い出した。 この本を読むと体を鍛えてもう一度チャレンジしたくなってくる。 おすすめ度☆☆☆☆ 真山仁「虚像の砦」を読む ハゲタカでヒットした真山仁がテレビメディアの陰と陽を描く。 かつてオウム真理教事件で傷を負ったPTBが舞台、数年後、イラクで邦人3人が捕らわれた事件が起きた時、政府や政治家、識者といわれる人たちの対応「自己責任論」と「狂言説」など被害家族のコメントが引き起こしたものすごいバッシング。 PTBの風見プロデューサーがこの闇に迫る。 政府や政治家、官僚が世論操作するさまに恐怖を覚える。 一方バラエティ番組の黒岩プロデューサーは、笑いの本質に迫ろうと苦悩する。 圧倒的な迫力で迫り飽きさせない。 どの放送局がモデルか容易に想像できるが、その後も様々な事件を起こす。 おすすめ度☆☆☆☆ 和田竜「のぼうの城」を読む 物語は天正18年西暦では?忍城城主成田氏長の一族城主の従兄成田長親が急遽城代となり、天下統一をめざす秀吉の軍勢と一戦を交える。 時の総大将石田三成以下、歴史物語にしばしば登場する大谷吉継,長束正家など軍勢おおよそ2万数千を向こうに回しわずか10分の一軍勢でしかも圧倒的多くは農民で抗戦することとなる。 城内はすでに降ることに決していたが、長親の気まぐれで戦うことに決する。 忍城の武将、領民はよく戦い関東方で最後に降城した城として名を成す。 ここで長親は士卒、領民からのぼう様と呼ばれ愛される、のぼう様とは「でくのぼう」のでくを取っただけのこと。 将器とも暗愚ともわからない、掴みどころのない長親をして、明晰で持って知る三成でも最後まで解からずじまいであった。 甲斐姫の記述については古今の女傑として別の物語(東郷隆など)には描かれているが本編では特別に戦国乱世を生きた傑出した女性としては書かれていなかった。 全編、行田市内、近郊の地名や歴史について描かれとても楽しく読めた。 尚、三成の三献茶のはなしなどは司馬遼太郎「関ヶ原」併せてお読みくだされば一層興味がわくでしょう。 ひまなとき「のぼうの城」巡りでもしてみようかなどという気分にさせてくれる一冊でした。 おすすめ度、郷土のことを描いてあるので☆☆☆☆ 真保祐一「真夜中の神話」を読む 薬学を研究している栂原は乗り合わせた飛行機がインドネシア、スマトラ島奥地に墜落し奇跡的に助かる。 墜落時に受けた怪我も驚異的な回復を遂げる、その時聞いた少女の歌に謎があるのではと考え調査し始める。 氏の作品はよく研究されその準備に目を見張らせるものがある。例えば偽札について書かれた作品などしっかり調査され興味をそそられた。 今回もアニマルセラピーや超音波での治癒力がます現在の研究の到達点も書かれている。 「数千年の昔から、土地を追われる人々は後を絶たない。宗教や肌の色の違い、利益の分け前が誤解を生み、人は無益な争いを繰り返してきた。犠牲になるのはいつも力なき者たちであり、森の野生より容赦ない弱肉強食が人の世にはびこって血の歴史を描いてきた。いまも約束の地を求めてさまよう者たちは多く、ここにも迷える人々が集まっていた。」 おすすめ度☆☆☆ 山本一力「辰巳八景」を読む 辰巳は南東の方角,城から南東深川あたりの天保年間のはなし。 長唄に辰巳八景というものがあるらしい、それをモチーフに八編の物語にした。 八編は,ろうそく屋、せんべい屋、芸者、医師、材木屋、とび,雪駄屋など江戸の下町での暮らしぶりと人情、それぞれの仕事への埃、矜持がさわやかに描かれている。 おすすめ度☆☆☆ 吉井妙子「トップアスリートの決断力」を読む 国内の様々な競技のトップアスリート24人の苦悩、転機、再生、考え方などをつづった。 トッブアスリートは周りの競技者と異次元のステージであるためフィールドを共有できないためしばしば「わがまま」というレッテルを貼られるが本書に登場するアスリートたちは私たちとさほど違いがない(本当はものすごく違うのだが)、人間味を見せる。 スピードスケートの清水選手のトレーニングは筋肉を鍛えるだけでなく脳が指令を出す限界を引き上げるまで脳を鍛えるという。 モーグルの上村選手五輪3大会連続出場しいずれもメダルまでもう一歩のところで敗れた。「私の本当の勝負はバンクーバー、これまでの苦しみは、そのための助走期間だった」 ラグビーの大畑選手「二者択一を迫られたときには、迷わず難しい道を選んできた」などこれまで日本では「スポーツバカ」という偏見があるもののここに登場する人々は克服しがたい大きな困難を目の前にしたときどう克服してきたか、挫折をどう糧にしてきたか語られる言葉は哲学者以上に重いその姿は修行僧のようでもある。 学ぶべき知恵の詰まった本であった。 おすすめ度☆☆☆☆ 横山秀夫「看守眼」を読む 苦労の末得難いものを得、大切なものかけがえのないものを大事に守ろうとするが、ちょっとのつまずき、たわいのない不祥事に気が動転し、疑心暗鬼になりとんでもない考え違いをする。 事実に遭遇すると、人周り広く物事が見えてくる。 おすすめ度☆☆☆ 小池靖「テレビ霊能者を斬る」を読む 昨今のメディアのスピリチュアル(霊感、霊的なもの)ブーム(特に江原、細木をめぐって)について分析している。私はほとんどこうしたものを見たことがないので何とも言えないが。 本書読んで 1、日本人が、カルト、超能力、スビリチュアルを受け入れる素地、日本人の宗教観との関係を説いている。 2、江原、細木はこれまでとは異なる単に宿命論運命論でなく運命と努力を説くバランス感覚を持っている、既存の宗教に緩やかな批判と近代科学への部分的懐疑を含んでいる。 ことが受け入れやすく、比較的若い女性に受け入れられている背景も説いている。 3、その時代の空気にマッチし名を変えて登場するが、1970年以降メディアに登場するするこの手の人たちもメディアによって使い捨てにされる。 おすすめ度☆☆☆ 重松清「熱球」を読む 高校時代苦い思いから二度時らぬと誓った故郷に小学生の娘と帰る。 そこで高校時代白球を追いかけていた旧友と再会する。 昔の友はそれぞれ大人になりそれぞれに人生の重荷を背負っている。 親子のきずなや、いじめに主人公のその時その時とるべき姿勢、逃げたからといって誰もも責められない。ただ「ようがんばった、がんばった」と励まそう。 母校の野球部の夏大会を機に再び故郷を去り再出発を決意する。 淡々と物語は進むのに、重松清の本はいつもこうして泣かせてくれる。 おすすめ度☆☆☆☆ 高村薫「照柿」を読む 合田刑事が主人公であるがいわゆる探偵ものでもミステリーでもない。 一人の女性に一目ぼれし、近づくため狡知をめぐらす、その女性の交際相手はかつての旧友。 どうしようもなく落ちていく人は、生い立ち、環境、他人には見えないものがその人には見えてしまう、晴れない霧の中、突然スイッチが入るとすべての歯車が狂う。 照柿とは熟柿が西日に照らされた淡紅色のことらしい、かつての旧友は来る日も来る日もこの色と戦いついにこの色以外に見えなくなってしまう。 人生の道半ばにして 正道を踏外したわたくしは 目が覚めると暗い森の中にいた。 おすすめ度☆☆☆ 12/15ブロックのリタイヤ―組と現役事務局長の交流忘年会があった。 リタイヤ―組は現場を離れますます若々しくなっていく、うらやましい限りだ。 よく、酒は精神を開放させる妙薬であるが毒にもなる、私も酒席で幾度となく舌禍事件を起こしてきた。 そでもなお同じ過ちを繰り返す学習が足りない、自省の能力が足りないと言うしかない。 言葉は一度その口から発せられると元に戻らない、彼我の距離を測れなくなると傲慢と独善になる。 昨年の交流忘年会のコメントを載せ一部の方からは好評得たが、他方当事者から激しい抗議あった。 笑って読み流すぐらいの度量を持ちたいものだ。 それぞれ草創期困難を切り開いてきた先輩たちでありその功績は揺るぐものではないが、現役の私たちの懊悩、リタイヤ―した人たちには時間の経過とともに理解しがたくなるのではと感じた。 次回開催が危ぶまれる一夜であった。 乙川優三郎「むこうだんばら亭」を読む 前回読んださざなみ情話のその後のような物語だった。 宿場女郎のたかを身請けし流れ流れて銚子付近の飯貝根に根を下ろし、いなさ(南東風)屋という居酒屋を営む孝助、居酒屋の傍ら桂庵もする。 この居酒屋にまつわる人々の哀しい話、不幸が故に不幸を重ねる者、かすかな希望に身を任せる者、重い過去を負ってもがく者、 「考えて見ますと、男と女は本当に厄介なものですが、これほど喜びを確かめあえるものもありません、たとえうまくゆかずに傷を負ったとしても、いつか痛みを懐かしむことができたら、その日は輝きを増すでしょう」 乙川優三郎の物語は、最後、いつも希望を持たせてくれる。 おすすめ度☆☆☆ 高杉良「小説ザ・外資」を読む 10年くらい前、料亭の女将に何億も融資しそれが不良債権になってしまったという事件がありその融資銀行が日本長期信用銀行(作中は東長銀となっている)でその後のニュースは、アメリカの投資銀行に資産何千億円のものを10億で売却しそのうえ銀行の債権に政府が瑕疵担保をするという何ともばかげたことになってしまった事件の裏側を、東長銀を退職し世界最大の投資銀行に身を投じ、その後虚業の世界から実業の世界に身を置く主人公に語らせる物語。 破綻寸前の東長銀が外資におもちゃのように蹂躙され日本の金融再生委員会や政治家は全くものが言えず国益を損なうことに全く鈍感になってしまい、財界人は操り人形のように手玉に問われるさまが詳細に書かれている。 乙川優三郎「さざなみ情話」を読む 銚子から江戸まで高瀬舟で荷を運ぶ修次は松戸の遊女屋でちせという遊女と知り合あい、たがいに惹かれあう。 年季明け1年前将来を誓い合うものの、修次は妹と母親の暮らし向きを考えなければならず、そのうえ船の借金もある。 修次は必死に働き、ちせを身請けするのに必要なお金を貯めようとするも、途方もない身請け金は船を処分してもどうにもならない。 「もし神様がいて好きなように生きていいと言われたら、どうする、おれは却って何もできないような気がする、一度は自分を捨ててみたいと思いながら、思い切れずに流されてきたし、案外それが人らしい生き方なのかもしれない」 二人は足抜けしようと決意し高瀬舟で東京湾に、運が良ければ木更津あたりに打ち上げられることに期待し深夜出帆する。 氏の物語は市井の哀しい物語が多いがラスト曙光を見出せたのが救いだ。 佐藤優「国家の罠」をよむ 2002年にあった「鈴木宗男事件」の前後、またその後著者の拘留後を詳細につづった。 事件の概要がつかめ、興味深く、面白い本であったが鼻につく部分も随所に、感想を列記すると 1、 鈴木宗男は実は国際協調路線の愛国者で優れた外交手腕を持っているのでは? 2、 拘置所の正月料理のメニューは我が家以上では? 3、 テレビに出る識者専門家といわれる人にも結構も曲者が多い 4、 筆者の拘留が1年半もの長きにわたったが保釈もせず自己の意志を貫く姿勢は見上げたものだ。 5、 国策捜査というものが現実にあるのか、多分あるのかもしれない、検察官は「時代のけじめ」と語るが おすすめど☆☆☆ 保坂正康「昭和とは何だったのか」を読む 日露戦争から100年昭和の時代語り継ぐべき時代を無視し続けた。 そしてまたこの時代過去の歴史を学ばず歴史化しようとしている。 日本と中国には過去の歴史とどう向き合うのかの姿勢に差異がある。 加害国は早く歴史にしようとしひたすら忘れようとし、被害国は反日の感情を孕み語り継いでいる、にもかかわらずここ数年教科書問題、靖国問題などまじめに取り組もうとしていない、どころか戦後60年たつ、いまだに歴史的に解決されていないがごとき論争に終始している。 ここ数年自衛隊の海外派兵など歴史に学んだと到底思えない。 今この時代の政治の錯誤はこの時代ににすぐ結果として表れない、次の世代にその清算をせざるを得ないこと自覚し、日常の瑣末なな現象の中に将来の禍根が宿り、それに気づいた時はその揺り戻しのきかないところまで来ていると考えるべきだ。 おすすめ度☆☆☆ 雫井脩介「犯人に告ぐ」を読む 神奈川県警の巻島は六年前幼児誘拐事件の捜査指揮を取り、犯人を取り逃がし、記者会見で大失態を演じ、田舎の署に左遷される。 六年後、県内で四件の連続幼児殺害事件が発生するが何らの手がかりがないまま時間だけが過ぎ、再び巻島に捜査指揮の任務が与えられるものの、県警本部長は当時の上司無理な注文を次々と出す。 深夜のニュースショウから犯人に呼びかけわずかな手掛かりを頼りに犯人を追いつめる。 ニュースショウの内幕も数字取りの競争の果て、なりふり構わないところや警察組織の醜さなどうまく書かれている、どんな失敗をしてもキャリヤは傷つかない仕組みなど事実かどうか知らないがありえそうだ。 とにかく楽しめる。 おすすめ度☆☆☆ 佐藤愛子「大黒柱の孤独」を読む 収録されている短編の中の「戦いすんで日が暮れて」の瀬木作三は無類のお人好しながら頑固で優柔不断、妻に問い詰められると抗弁することなく沈黙を守る。 私のように悲しい性格、でもこんなこともありかな。 「私は当然の権利のように、彼らを憎んだ。私は生きねばならなかった。そのためには怒りが必要だった。それは私を守る唯一の武器だった。」 おすすめ度☆☆☆ 今野敏「慎治」を読む 渋沢慎治は中学二年生、クラスの三人にいじめられている。 いじめもエスカレートし万引きを強要され、担任の教師に目撃されるが、その教師は学校では無気力教師といわれ生徒に関心をあまり示さないが万引きを目撃し、面倒なものを見てしまった、何とかしなければとおもう。 教師と慎治の会話がいい 「俺は、別におまえを助けたいわけじゃない、誰も助けてくれない」 「自殺すればすべてが終わります」 「冗談だんじゃない。そんな迷惑なことはやめてほしいね」 「どうして死ぬことばかり考えるんだ、相手を殺しゃいいじゃないか」 「いじめってのはな、自分たちの社会を守るためにやるんだ。いじめられる奴というのは健全な社会のためのスケープゴートなんだよ」 「だから、いじめは絶対なくならない」 「どうやって」 「さあな。戦うのが一番。言ったろ。それで相手を殺しちまっても仕方がないって。」 「それもできなければ逃げるんだ」 「学校なんて来なくていい」 「でも、親がうるさいし」 「だからな。そうやって、あっちもこつちも立てようとするから追い詰められるんだ。死ぬつもりだったんだろう。なら親が何いおがいいじゃないか」 教師は慎治を別の世界にさそう、慎治は次第に自信を持つ殴られてもダーメージの大部分が心理的なものであることを知った。恐怖が痛みを作り出しているのだ。そして、怒りは、恐怖に勝つための妙薬であることに気付く。 なお、ガンダムやプラモデルの世界について私は知らないのでその部分はちょと。 おすすめ度☆☆☆☆ 高村薫「作家的時評集2000-2007」を読む 氏が2000年からつい最近まで新聞雑誌に書いてきた小文をつづったもの、この間の様々な事件事故時事問題につて氏の思いが語られる。 えひめ丸事件に際し 「どうして私たちは怒らないのだろうかと胸に手をあてみると、結局わたくしたちはそれほど悲しんでいないのだと、と気づかされます。...............なぜ9人もの命が奪われて、胸がはりさけないのだろうか。なぜ怒りを噴き出させることができないのだろうか。このことは、まず人間として今、それぞれに自問しなければならないだろう」 情報が瞬時にとびかう社会にあって 「あらゆる距離感の喪失は、結果的に微妙なもの、見えないもの、深く見つめるべき物を失わせ、感性と想像力の貧困を招いて入るのだと思う。たとえば感動などというものは本来、1個の精神が己の経験と自負を乗り越える一大事のはずだが、一国の首相が臆面もなく軽々と、感動した!とのたまう今日である。世界や他者への微妙な距離を失ったとき、人はかくも鈍感で傲慢になる。」 情報化社会にあって 「語彙は確実に少なく、言葉は短くなっています。言葉の減少は、世界を捉えることの放棄だと思います。世界は言葉になるものとなりにくいものの両方で成り立っていますが、まず、地動説やクォークなど誰も見たことがないものを何とか理解し、表現しょうという試みが失われつつあります。さらに、言葉への無頓着は、見えているものをより正確に見ようとする営みさえ衰退させます。」 自由主義経済が効率のよい社会か すべの政治課題を2進法で分割してしまってよいのか などの問題についても考えさせられる、ゆとり教育問題についても独自の考えを展開していてなるほどと感心する。 07年になると、耐震偽装、食品メーカーの偽装、投資家の不正「コストやモラルの負担を嫌う現実に、成熟した自由主義経済への道は、いまだ遠い。」 最終章は阿倍首相の辞任と首相に据えたことに救いがたい政治の劣化意味するとしめた。 おすすめ度☆☆☆☆ 井上靖「風と雲と砦」を読む 戦国時代、特に長篠の戦の前後、若い男女3人の物語 時代の中で散りじりになったりまた再会したりの繰り返しの中、夫々がそれぞれの方法で思う道を進むが、土にかえるもの新たな道を探し求めるものと別れてゆく。 おすすめ度☆☆☆ 笹本稜平「時の渚」を読む 主人公茜沢圭は、死期の迫った老人から35年前に生き別れた息子の消息調べる仕事を依頼される。 手がかりがまるでない中、徐々に細い糸を手繰り寄せる。 それと並行し主人公の過去の事件やそれに関連する容疑者を追い詰めるがミステリーも先が読めるとつまらない感じた直後アッと思わせる展開に納得するも、もう一度物語でしか楽しめないラストに、ミステリーありながら親子の情愛というか絆というかそんなものも主題に書かれていておすすめ おすすめ度☆☆☆☆ 浅田二郎編「見上げれば星は天に満ちて」を読む サブタイトル「心に残る物語、日本文学秀作選」 森鴎外、谷崎、芥川、川端ら文豪大家といわれる作家たちの小品集であるが、どうして文豪大家といわれる作家の作品は私には難しい。 しかし、中島敦「山月記」はリズムがある教科書にも出てくるような作品、集録中山本周五郎「ひとごろし」、井上靖「補陀落渡海記」、松本清張「西郷札」おすすめであった。 荒崎一海「闇を斬る」「霖雨蕭蕭」を読む シリーズの1作と5作目を読む、いずれにしても刺客との意味のない死闘の場面ばかりで飽きる。 おすすめ度☆☆ 横山秀夫 「臨場」を読む デビュー当時は警察組織内部の小説が多かった、またテレビドラマや映画化されたものも多いし映画もヒットしている。 氏の作品のほとんどを読んでいるが、「クライマーズハイ」、「出口のない海」など警察ものでないものも秀逸だ。 本編は終身検視官と異名をとる「検視官」倉石が事件現場に臨み死者からのメセージを読み取り事件性を吟味する。 事件当時の気象、植物やペット、ちり、ほこりその現場にあるありとあらゆるものを注意深く観察する。 見えなかった空白の時間が埋まる、それは2時間であったり10数年間であったりする。 倉石の飾らない言葉、現象の背後にある事実を一言で表現するため読み飛ばしするとわからなくなることもある。 倉石は部下に慕われはすれ上司に媚びない、ただ現場を丹念に観察し、予断を持たずただあるがままの情報積み上げる。 おすすめ度☆☆☆☆ 山本周五郎「柳橋物語、むかしも今も」を読む 山本周五郎は外れがない。 いつも、勇気だったり希望だったり、無償の愛だったり純粋な友情だったりをくれる。 本編は、ひたすら尽くす愛を描いている。「柳橋物語」の、おせんはひたすら愛する人をまつものの些細な誤解がもとであっけない破局を迎えるものの真実の愛を知る。 「むかしも今も」の主人公直吉いじらしいほど愚直にまっすぐに愛する人を静かに守る。 「男が悪いのでもなく女に罪があるわけでもない。好く好かないというごく単純な、しかも自分ではどうしようもない愛情の哀しさなのだ。それは人を生かしもするが、あるばあい愛はこのように殺しもするのである。 泣くのも笑うのもこのためだ、そして誰も彼もそれなしには生きられないし、またそれから逃げることもできない、人間というものは悲しいもんだ。」 おすすめ度☆☆☆☆ 藤沢周平「ささやく河」を読む 帯に「どういうわけか、キラキラ光っているものはきらいなんです。」とかかれていた、何となくうなずける。 珍しく時代小説中の探偵ものであった。 妻子を悲惨ななくし方をし、加害者を20年もの間、恨み復讐する。 復讐を終えるとともに自分の命も終える。事件を追う元岡っ引き伊之助が活躍する。 おすすめ度☆☆☆ 乙川優三郎 「夜の小紋」を読む 人生の多くの部分を、金や家族仕事に費やして後自分の時間をどう過ごすか、何物にもとらわれず再出発する人の物語、作陶に、小紋の形彫り、染付に等、半生にやり残したことに心血を注ぐ。 おすすめ度☆☆☆ 奥田英郎 「サウスバンド」を読む 八重山の秘密の楽園「パイパティーローマ」を家族五人がめざす物語 僕は上原二郎小学6年生中野の小学校に通う、家族は同じ小学校に通う妹、姉は21歳すでに働いている。謎だらけの母は、自宅で喫茶店を経営、父は元過激派現在作家を目指しているものの毎日家でブラブラしている。 父と父の友達の騒動に巻き込まれ僕たち家族は東京にいられなくなり、父の生まれ故郷の西表島に帰るがふたたび騒動がもちあがり父と母は「パイパティーローマ」を目指す。 温かいがどうしようもない家族がそれぞれの体験を通じ結ばれていく、父の破天荒な性格も捨てたものじゃない。 おすすめ度☆☆☆☆ 北森鴻 「蛍坂」を読む シリーズになっている、知っている人には、ご存じのビアーバー「香菜里屋」集う人々の様々な人間模様。 マスターの工藤が供する料理と、4種類の度数の違うビールでもてなしてくれる。 料理の説明がいい食欲をそそられる。 お客の悩みや事件、複雑な人間関係等々さりげなく工藤が解き明かしてくれはげます。 こんなお店が近くにあれば私も毎晩通いたい、ふと、定年後こんなお店でもしてみようかなどと不埒なことを思う お進め度☆☆☆
村上龍 「半島を出でよ」を読む
★8/31
2,3年前出版されたとき各メディアで高い評価得、文庫化されたので買い求めた。 半島の統一の機運が盛り上がりこれをつぶすため、また、朝鮮半島に緊張が生じた時のためは米、中,北の緩衝地帯を作るとの作戦の下、北朝鮮の反乱兵と名乗る緒戦兵が2011年4月プロ野球の開幕日福岡ドームを占拠し、観客を人質にとる。 その数時間後にさらに500名の反乱兵が福岡に降り立ち、福岡は北朝鮮兵の支配下にはいる。 日本政府は何もできないままただ傍観する。福岡の北朝鮮軍は12万の反乱兵がさらに福岡に来る攻撃しないことを求めてくる。 しかし、突然500名の北朝鮮軍は壊滅する。 登場人物が多くその人たちの生活や生い立ち説明が長い、北朝鮮軍が壊滅するのは荒唐無稽だ。 しかし、極度の危機に無能ぶりを見せる政府とは何だろうと考えさせられる。 おすすめ度☆☆☆
藤沢周平 「夜の橋」を読む
★8/31
たわいのない出来事しかしその背後には懊悩する人々の姿がある。人にとってどうしようもないやり場のない出来事の当事者は目の前の事象にとらわれてしまうが周りに秘かに支えてくれる人々がいる。 おすすめ度 ☆☆☆
あさのあつこ 「福音の少年」を読む
★8/24
シリーズ全6巻のバッテリーの著者が書いていることから読んでみようと思い買い求めたが結果は? 高校生の陽,明帆はふとしたことから友達となり友人の女生徒藍子がアパートの火災で家族全員が焼死する。 陽と明帆は焼死に疑問を持ちその真相に迫るが意外な事実に遭遇する。 「言葉はいつも曖昧で、この身の内に生まれてくる思いそのものを伝えるには脆弱すぎる。口からこぼれる言葉の数々は、それが華美であればあるだけ装飾を纏い、本当の姿を隠してしまう。ずっとずっとそんな言葉にさらされ、使い続けてきた。本当に言いたいことも本当に言わねばならないことも、本当の自分の姿も模糊ままだ。だから、せめて今だけは、飾ることも隠すこともはぎ取って、俺が抱えている思いのぎりぎり至近距離から言葉を放ってみよう。」 おすすめ度 ☆☆☆
沢木冬吾 「愛こそすべて、と愚か者は言った」を読む
★8/23
別れた息子がある日誘拐され、現金の受け渡しに実の父(主人公久瀬雅彦)が指定された。 その直後子供の両親が失そうする。この背後に町を支配する朋園一族と敵対する暴力団との抗争があり、警察内部の腐敗等のサブストーリがあり読み手は若干混乱する。 最後真相は思わぬ展開をする。 タイトルに惹かれて買ったが、タイトルと物語はどう関係するのかさっぱりだ。 おすすめど ☆☆☆ お進め度☆☆☆
斉藤貴男 「非国民」のすすめを読む
★8/21
10年前、政治、司法、教育、医療など様々な分野で起こった事件について氏が取材を重ねてまとめたもの 住基ネット反対のデモに参加した折のこと、歩道から指さして会話する親子連れ 「パパあの人達何しているの」 「ああ、あの人達はね、世の中が便利になることに反対している変な人達なんだよ」 ごく普通の人までもそんな風に考える、考えることをやめてしまった日本人、何故こんなことになってしまったか? 政治家や識者の発する低次元の手前勝手な言い分も許してしまう今の風潮、これをメディアも批判どころか隠蔽をかってでるありさま なら「非国民に」 お進め度☆☆☆
鳥海山、渓流つりは快適そのものの夜は寒い??
★8/1
8月10日夜、熊谷民商会計のH君、副会長のT君とともに鳥海山に向け出発、皆一睡もせず鳥海山麓の目指す沢へ。 現地に早朝5時に到着朝食もそこそこに沢に降り立ちH君は一投目から掛ける。 その後それぞれ釣果もだし3時間ほどつり昇る下山はそま道も踏み跡もないので沢通しに下る、 昼食に軽くビールを飲んだものの昨夜来の疲れか皆昼寝、宿に帰ってもすることもなく、馬鹿話、話を引っ張るのは例によってH君(昔から変わらない) 2日目は小さな沢を2本これもしっかり釣果が出た、沢は涼しいものだがこの沢は格別だ この日は4時頃から飲み出し昨夜からの話の続き、民商の将来や展望を話し合うが、鳥海山の朝夕のように寒いし、前日の沢のようにそま道も踏み跡もない茨のような道かもしれないと3人とも納得、然し、3人で一番若いT君が熊谷を担っていくこととなるようで、明るい。 話は関係ないが鳥海山はなぜ鳥海山というか宿のポスターを見て、春さき雪田というか雪代というかわからないが山肌の残雪が鳥の群舞ように見えるところから名付けられたのではと勝手に解釈してみた。 ともかく久しぶりの釣りと昔の友人と話し合えとてもリフレシュできた3日間でした。 来年は深谷のM君も誘って行きましょう。
加藤仁 「宿澤広朗、運を支配した男」をよむ
★7/30
熊谷高校、早稲田ラグビーの名スクラムハーフ日本代表、日本代表監督として強豪スコットランドを破った、唯一の監督として名をなし昨年6月55才で急逝した。 また、バンカーとして三井住友の頂点に立つ寸前で病死してしまう、氏のエピソードで綴られた本。 楕円のボールがどのように弾み偶然のように懐に収まったかのように見えても、その背後には必然にさせるまでの練習があるといってのける。 「努力は運を支配する」タイトルの通りである。 宿澤の著の中に「絶対に勝て、とか、死ぬ気で頑張れとかいうのは比較的優しい。そのような言葉で選手の気力を向上させることも容易な場合がある、しかし、本当に必要なことは絶対に勝てということより“どうやって”勝つのかを考えて指導することであり、ガンバレというなら“どこで、どのように”具体的にかつ理論的に頑張るのか指導することではないだろうか?」と記している。日の当たるところをずうっと歩いて回りから羨望や嫉妬もあるが「努力が運を支配する。」表題の通りである。 同世代の者としては二つの道でそれぞれ頂き寸前まで登り詰めた氏の言葉をもう一度考えてみたい。 お進め度 ☆☆☆☆
夏目漱石 「こころ」をよむ
★7/30
いわゆる名作というものを読んでみた。名作は「たいくつ」で「つかれる」ものだと思った。 現在と明治時代は価値観も思想も異なるが、 お笑いのピン芸人のゼクシードールになぞらえば、 「ひと言いってもいいですか。こんな長い本みたいな手紙と、恋愛関係で二人の男が自殺するのが不満だ。」 10代に読んでおきたい本などととんでもない。 お進め度 ☆☆
黒井千次 「カーテン コール」をよむ
★7/13
舞台の台本作家寺脇滋有の作の「森下家の沈黙」の初演が失敗に終わり、その後10年を経て劇団Bの赤坂絢子によって再演され高評価を得た。 寺脇の次作は大手劇団のため作られるものの赤坂が主役に抜擢されるものの、その作品と同様の結末をむかえる。 お進め度 ☆☆☆
北森 鴻 「孔雀狂想曲」をよむ
★7/13
この間 氏の本は民族学者が主人公になったものや、美術工芸品の贋作を担うものなどが多い。 今回は得意の連作。美術、工芸品を扱う骨董店を営む越名集治が活躍する。 美術工芸品に関する含蓄。その工芸品にまつわる事件の謎解きなど面白い。 お進め度 ☆☆☆
寺山修司 「ポケットに名言を」をよむ
★7/12
学生の頃、氏の「書を捨て町に出よう」を回りの友達がみんな持っていた記憶がある。 言葉を友人に持ちたいと思うことがある。 それは旅路の途中で自分がたった一人だと言うことに気づいたときである。から始まる歌謡曲、映画のセリフからマルクスまでの名言集。 花に嵐のたとえもあるさ さようならだけが人生だ………井伏鱒二 英雄のいない時代は不幸だが 英雄を必要とする時代はもっと不幸だ………ブレヒト もし世界の終わりが明日だとしても私は今日林檎の種子を蒔くだろう………ゲオルギウ お進め度 ☆☆☆
阿曽山大噴火 「裁判狂時代」を読む
★7/7
こんな事があってよいのかと思うほどの中身です。 社会経験のない純粋培養の人々のこっいさが見事。 お進め度 ☆☆
今野紀雄 「微分・積分を楽しむ本」をよむ
★7/5
初歩の初歩、入門書を読む。 高校大学でとても難解なもので分からなかった。 入門書は何冊か読んだが、それ以上は進まない。 社会の様々な分野で微積分が使われている。 「瞬間変化率」は未来を予測するとすれば、運動にも役立つのかな? お進め度 ☆☆
水原秀策 「サウスポー・キラー」をよむ
★7/5
書店で何気なしに手にとって買った。 第3回「このミステリーがすごい」大賞受賞作だそうだが、賞そのものの価値観がいまひとつわからない。 本書はミステリーとうたっているものの、殺人も死体もないのが面白い。 プロの人気球団のピッチャーがある日事件に巻き込まれてゆく。 プロ球団のあり方、コーチの無能さ、ピッチャーの心理など、けっこう読ませる。 お進め度 ☆☆☆☆
遠藤周作 「海と毒薬」をよむ
★7/4
戦時中、九州大学医学部の生体解剖事件をモデルにした小説。 軍事医学の実験材料にされた米兵を生体解剖する。戦時中の軍の命令とはいえ大学教授以下医学生を含め、いわば当時の日本のトップレベルの頭脳も思考停止してしまうほど恐ろしい。 お進め度 ☆☆☆
重松 清 「くちぶえ番長」をよむ
★6/19
小学四年の時、転校生が来て進級直前に転校していく友達に作家になった氏が会いたいと綴った作品。 だれでも小学校の時にこんな経験をしているのではと思わせる。 温かく、そして、うるうるしてさわやかな風に包まれるそんな作品でした。 「きみたちのクラスにくちぶえの上手い女の子はいないだろうか。弱いものいじめが大嫌いでぶっきらぼうだけど、優しいそんな女の子が夕陽を見つめて一人でくちぶえを吹いていたらーーーーきっとその子がマコトだよ。」 お進め度 ☆☆☆☆ 雫井脩介 「虚貌」を読む 運送業を営む家族が3人の従業員に襲われる。 難を逃れた幼子征彦が20数年後3人それぞれに復讐していく 定年間際のガンに冒された老刑事が真相に迫る者のラストはどう理解すればよいのか お進め度☆☆☆
あさのあつこ 「バッテリーY」完結編をよむ
★6/7
都会から中国地方の新田町へ引っ越してきた原田家 家族のつながり、新しい中学での友達との出会い、となりまちの全国屈指の横手中野球部との試合へと話は進む。 今編は卒業してゆく3年生中心のチームが自主的に試合を計画しその試合に臨む 中学生離れしたピッチャー巧を取り巻く個性豊かなチームメイト、相手チームのメンバーそれに祖父、弟青波とそれぞれに顔が浮かんで来る。 中学生時代が心の揺れや葛藤、悩みや嫉妬もかかれており共感できた。 巧みは、豪に向かいゆっくりと頷いた。 「投げられる」 投げられるものでありたい。何一つ条件を付けることなく、最高のピッチングを為す者でありたい。誰からも何からも、自由でありたい。 囚われない、囲われない、縛られないつなぎ止められない。 お進め度 ☆☆☆☆
浅田次郎 「椿山課長の七日間」を読む
★6/7
浅田次郎得意の幽霊もの。 不運にして亡くなった、3人が死後訪れる中陰役所で現世逆送を願い出、認められ、 現世逆送における厳守事項「復讐の禁止。正体の秘匿、制限時間の厳守」をいわれ、 現世にやり残したことを済ませるため、3日間奮闘する。 物語は荒唐無稽であるが、地上では見えなかったことが次々見えてくる。悲しくて温かい話し。 お勧め度☆☆☆☆
新潮社編 「鼓動」を読む
★5/21
5人の作者の競作。 白川道が入っていたので買い求めた。 警察官を退職した主人公の娘が少年達に暴行を受け死亡する。 同じような被害者家族を捜しあて、同じ悲惨な境遇を語り合ううち、被害者家族の老父が主人公の娘を殺した少年達に復讐をするよう教唆、吹聴する。 少年法と被害者家族の物語。 お勧め度☆☆☆ 城山三郎 「落日燃ゆ」 戦前戦中外相、首相を勤め、東京裁判で7人の死刑の内、唯一文官の広田弘毅の物語 学生時代に読み、感動した記憶があり、作者がこのほど亡くなり、改めて読んでみました。 冒頭死刑判決を受けた7つの遺骸が荼毘に付され骨灰を7等分したが広田の家族のみ引取を断った。ところから物語は始まる。 福岡の田舎の石屋の子供として育ち苦学して外務省に入省(同期に吉田茂などがいる)する。 「自ら計らず」を信条に仕事に取り組むものの時代は、軍の侵攻政策は廬溝橋事件,柳条湖事件と拡大していく、紛争回避に力を注ぐが、ことごとく軍の妨害に合う。 家族との語らいの中で「生まれてくるのが50年早すぎてしまった」とはなす。 東京裁判で裁かれる犯罪人が自己の弁護に奔走するなか、何も語らず「戦争をくい止められなかった責任があると」従容として刑を受け入れる。 絞首台に臨む4人が「天皇陛下万歳」「大日本帝国万歳」を三唱するが、広田が「今、マンザイをやってたんでしょう」と最後に痛烈な批判をする。 お進め度 ☆☆☆☆
ジェームス三木 「憲法はまだか」を読む
★5/14
戦後まもなく憲法制定過程と成立直後の改正論が出てくるまでを描いている。 連合国総司令部(GHQ)し指示のもと憲法改正を政府に指示するものの政府の憲法問題調査委員会(日本の憲法学者で構成されるも、いずれの委員も高齢の人ばかり)は作業が進まず明治憲法と同趣旨のものを作成する。 GHQは、当代一流の若い学者実務家総勢20数名で世界に類を見ない最良の憲法を作ろうと情熱を燃やす。 作成作業に加わったシロタ・ゴートンは「この憲法は世界の最良の部分を集めたものです。もし作者がいるとすればそれは歴史と国境を越えた世界の良心じゃないかしら」と語る。 GHQの素案は政府との交渉で若干の修正をし、議会で可決した。 当時、国民や政党メディアもこぞって大歓迎したようである。 本書を読んで初めて憲法9条2項はもともと「陸海空軍その他の戦力は、これを永久に保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」であったものを交渉の過程でそっと次のような文言を現憲法いれた「前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」 これが自衛のための戦力まで否定していない根拠になっているらしい。 憲法が施行され5年の後には警察予備隊が創設され、今や改憲へのスケジュールが政治日程に上ってくる緊迫した状況です。 お勧め度☆☆☆☆☆
荻原浩 「神様からのひと言」を読む
★5/8
大手広告会社をある理由から退職し 食品会社の販売促進課に転職したものの早速失敗しお客様相談室という窓際へ左遷。 サラリーマン社会の滑稽なくらい悲しく、哀れで、自分の保身のみ汲々とする姿が書かれている。 実際こんなことはないなと、でもありそうだなと思えるから不思議だ。 「手の中に握っているものが、たいしたもんじゃないことを知っているのに、手のひらを開くのが怖いんだ。全部こぼれ出ちまうのが。本当にたいしたもんじゃなかったってことを知っちゃうのをさ。誰も彼も、俺も」 お勧め度☆☆☆☆
藤沢 周平 「漆の実のみのる国」 を読む
★5/2
藤沢周平が文芸春秋に連載し、亡くなる直前まで執筆し、さらに物語が続くものだということが解説でふれていた。 上杉治憲(鷹山)の物語り。 数年前、上杉鷹山ものの本が並んだことがあった。 バブル崩壊後の再生に手がかりがあるのではと、治憲ものが並んだようだ。 100年以上も貧富にあえいだ米沢藩が再生にとりかかろうとするまでを描いている。 治憲執政者の目は領民の安寧に心配る。国の礎であるとの信念のもとに政治を行う。 藩主たるもの苦難にあって最後まで後ろを見せないのが藩主である。 お奨め度 ☆ ☆ ☆
志水 辰夫 「行きずりの街」 を読む
★4/20
都会に出た教え子を探しに行き、かつて教師をしていた学園の不祥事に関わっていく。 描写が細かく、私には少し疲れる。 お奨め度 ☆ ☆ 夏樹 静子 「蒸発」 を読む 主人公、新聞記者、各木の愛する女性の失踪から、その行方を探すなかで、殺人事件に遭遇し、謎を解決していくが、謎解きに時間がかかりすぎかな? お奨め度 ☆ ☆ ☆
真山 仁 「ハゲタカU」 上下を読む
★4/16
NHK土曜ドラマを見ておもしろそうであったので、早速読んでみた。 ドラマより原作のほうがいけた。 ハゲタカというと、不良化した会社や債権を買いたたき、上手く料理して売却するものと思っていたが、ここでは主人公、鷲津が魅力的に描かれている。 ・モデルとなった企業はどこか。 ・会社は誰の物か。 ・企業買収の内実やその方法 ・企業のトップがその組織を愛しすぎるゆえ、そのトップの座についたとたん、腐敗して様など、興味がつきなかった。 お奨め度 ☆ ☆ ☆
曽原にあるかたくりの群生地を鑑賞した。
★4/6
かたくりの花は山里の日陰にひっそりと咲き「早春の妖精」「春の女王」などと呼ばれ、紅紫色の花を咲かせる。 しかし、私には花弁大きく反り返っているためか、なんだか仕事に忙殺され振り返ることのない日々をしかっているように見えた。 かたくりの群生地を見たのは初めてでしたが、なかなかのものであった。時期的にまだ早かったようです。近くは佐野、寄居あたりにもあるようで是非暇を見つけてごらんになってはいかがですか?
東野圭吾 「幻夜」を読む
★4/4
白夜行の続編ないし、第2部と思われる。 「幻夜」は白夜行の主人公とそれを守る男が悪事を重ねていく。人物プロットが酷似している。また、ラストも主人公を守ろうとする男が死んで、その後の悪女がどうなるか謎のまま終わるところもよく似ている。 おすすめ度 ☆☆☆
陳舜臣 「中国傑物伝」を読む
★4/3
紀元前1000年から20世紀までの16人の傑物の物語。 蜚鳥尽きて良弓蔵せられ、狡兎死して走狗烹らる。 高樹、悲風多 人生楽在相知心 人生訓のような言葉でつづられている。 おすすめ度 ☆☆☆
野沢 尚 「烈火の月」を読む
★3/15
北野武監督映画の原作と思われるが、映画を見ていないので分からない。 これまでの氏の作品にはない、ハードな物であった。テレビドラマや、映画化された物が数多くあったが、2006年6月に亡くなってしまった。 おすすめ度 ☆☆☆
横山秀夫 「影踏み」を読む
★3/15
プロの侵入盗を「ノビ師」というらしい。 主人公、真壁修一はプロのノビ師で二人子の兄。弟は父母と共に火災で亡くなっている。その弟が中耳から影のようにささやく。 おすすめ度 ☆☆☆ テレビ東京の報道で「スポーツメディアが伝えなかったもの」を見た。 アスリート達を大会前に持ち上げるだけ持ち上げ、成績が振るわなかったらメディアからのバッシングを受ける選手。スノーボードの今井選手など。私はスポーツ選手というのはストイックに打ち込む物と思っていたからバッシングを受けるのは当然と思っていたのが恥ずかしくなった。 自分の考えていることが正しく伝わらない寡黙になる。インタビューを受けないと生意気だと言われる。フィギアの荒川選手などメディアと上手くつきあえることもまた一つの能力かもしれない。 卓球の全日本選手権ベスト4入りした中学生の石川選手のスケジュールは連日の取材。メディアに潰されなければいいなと思った。
細谷正光編 「江戸の満腹力」を読む
★3/9
帯に蕎麦、初鰹、おでん、等々 多彩な献立で、描かれる江戸の世に生きる、人々の悲喜交々、美食家も大食漢も大満足とあったので、食に関する含蓄が語られるのかと思ったが、それぞれの食にまつわる物語。 酒とみかんについては読む価値あり。 おすすめ度 ☆☆☆
平岩弓枝監修 「武士道春秋」を読む
★2/28
武士社会の組織の中で、気詰まりな生活を送る ただ家名だけを守ることを窮々とする。 おすすめ度 ☆☆☆
司馬遼太郎 「大阪侍」を読む
★2/25
5編の短編。 ひたすら、侍の信念に基づいて生きるものの状況・時勢をわからないと滑稽にも哀れにも又、独りよがりになる。 残念ではあるが、人は自分の足下を見ているつもりが、なかなか、見つめられない。 おすすめ度 ☆☆☆
白川 通 「終着駅」を読む
★2/9
やくざの幹部が盲目の娘を愛してしまう。 やくざの社会から足を洗おうとするものの、まわりがそれを許さない。 「くものある日 くもはかなしい」 「くものない日 そらはさびしい」 氏の「海は渇いていた」は泣ける本であった。一読を薦める。 おすすめ度 ☆☆☆ 姜尚中(カンサンジュ) 「日本人はどこへ行くのか」を読む 昨年、2016年オリンピックの国内候補地決定のプレゼンの日、石原都知事は姜尚中(福岡候補地の推薦の弁にたった)について「いかがわしい学者」と言い捨てた。 石原知事から「いいかげんな学者」と名指しされるなら、本物の学者であろう。 テレビメディアで護憲、平和の立場でコメントしている氏の10年前の論文。 明治からの歴史は自民族中心の歴史観に終始している。キーワードは「戦後パラダイム」と「歴史の忘却」であった。戦争の悲惨さを語るさい家族を失ったり、戦災での出来ごとを語るが周辺国からの目で語られていない。同様もしくはそれ以上の惨禍があったはずである。 戦後の歴史が精算されないまま、新たな戦争準備をしている日本に危うさを感じる。 おすすめ度 ☆☆☆ 澤田ふじ子 「陸奥甲冑記」を読む 中学生の歴史教科書に「坂上の田村麻呂が征夷大将軍となって東北地方を平定する」というような記述があったと思う(表現は不確かであるが)物語は蝦夷の連合体の長、阿弖流為(アテルイ)と天皇の命を受けた征討昔、学校で学んだことが何かとてもうすぺらく感じ、歴史は勝者の側からしか、書かれない。蝦夷をさげすまれた地方にも生活や家族があることを教えている。 おすすめ度 ☆☆☆ 山本一力 「深川黄表紙掛取帳」を読む 本の帯に「元禄バブル厄介事を若い4人がスカッと解決」とあった。 バブル長者の悪徳商人を知恵でこらしめる。 幕府の改鋳(小判の質を落とし2枚の小判から3枚の小判を作る)政策は正にバブルだ。 おすすめ度 ☆☆☆
藤原伊織 「シリウスの道」を読む
★2/5
シリウス−冬空で真っ先に目に入る連星。(二つの星が釣り合ってグルグル回っている。極端に大きさが異なるが、重さは同じ) 広告マンとそれをとりまく仲間。部下の成長に心を砕く、ストーリーと25年前の幼友達との秘密と再会。2つのストーリーも連星なのかな。 藤原伊織の作中の登場人物、とりわけ主人公のセリフは知的だ。(前回は都会的といったが。) おすすめ度 ☆☆☆☆
浅田次郎 「地下鉄に乗って」を読む
★1/31
大会社社長の父の生き方に反発し家を出る、真次。 ある日地下鉄に乗ると過去にたどり着く。そこで、父の過去、戦前、戦中、戦後の父の生きてきた姿を垣間見る。現実の世界に戻ると思いがけない結末が。 最後まで父と和解出来ないが、父の生き方に理解を示す。 人はその表面だけではとうてい理解できない過去を背負っている。 おすすめ度 ☆☆☆
火坂雅志 「利休椿」を読む
★1/29
桃山時代に生きた能楽師・喜多七太夫、連歌師・里村紹巴、庖丁人・風間三十郎、咄家・安楽庵策伝、染め師・義一、花作り・又左、それぞれ、その道に力を注ぐ物語。しかし、その道で力をつくそうとする心を突き動かすものとは、嫉妬、恋慕、憎悪、地位、名声、など俗にすぎていないか。 人を何かに駆り立てるものがこれだけでは? おすすめ度 ☆☆☆
重松 清 「送り火」を読む
★1/26
昨日書店に寄ったら、氏の「卒業」が文庫化され平積みになっていた。 私の好きな作家の好きな作品です。是非ご一読を。さて、本書は、壊れかけた家族、親子、人間関係を綴りラスト勇気を持ってもう一歩踏み出そうと予感させる。 家族には「さようなら」っていう挨拶はないんです。別れる時はいつも「行ってきます」と「行ってらっしゃい」それを言ったらちゃんと帰らなきゃ。約束を破って子供に「さようなら」なんて言わせてしまったら駄目ですよ。 おすすめ度 ☆☆☆
斎藤貴男 「報道されない重大事」を読む
★1/20
02〜03年 新聞雑誌のコラムに掲載された氏の発言。事件とその背景にある危険な方向を報道しない、政府や政治家にすりよる報道、メディアとジャーナリストの右傾化していく姿に慄然とする。 新自由主義と社会ダーウィニズムのもと、教育、司法、労働、政治、経済、様々な改革が一つの方向に収斂していく。 今日、教育基本法が改悪され、改憲手続法が審議されようとしている状況の中、たぶん氏は「自分の生命は自分で守ろう。もはやだれの助けも得られない。暗夜だ。私はたとえ最後の一人になっとしてもジャーナリストとして闘う。」とでも言ってくれると思う。 おすすめ度 ☆☆☆
谷村志穂 「海猫」を読む
★1/16
函館から小さな漁村に一人の若い女性が嫁ぐところから始まり、異夫姉妹の話へと転回する。 何がテーマか何を訴えたかったのか、私には理解しがたかった。 おすすめ度 ☆☆
熊谷達也 「邂逅の森」を読む
★1/15
物語は明治後半と大正年間。秋田のマタギの次男として生まれ、村の長者の娘と恋に落ち、山を追われ鉱夫となる。ふとしたことから狩猟の血がさわぐ。 マタギの生活が忘れられず、再びマタギの生活へ。よその村で狩猟組を作る。富治半生を描く。 「山のことは山に聞け」 富治のマタギの頭領(スカリ)が語る。それを実践するべく山に入り、山のヌシと闘う。 おすすめ度 ☆☆☆☆
重松 清 「哀愁的東京」を読む
★1/11
数年前、子供の国語の模試をチラと見たとき同氏の「エイジ」の一文があり、幾つか設問があったが、作者自身がその問いに答えて満点とれるのだろうかと、少し不思議に思った。 本書は絵本が書けなくなったフリーライターが峠を過ぎてしまった8人それぞれをスケッチしていく物語。 「ボウ」という読み方の漢字。 で、最初に何を思い浮かびますか? 妻と娘と分かれるラストがせつない。 おすすめ度 ☆☆☆
三崎亜記 「となり町の戦争」 を読む
★1/6
市の広報に市勢があり、転入転出の後に死亡(うち戦死者○○名)と掲載される。 主人公の市から委託される業務を通してとなり町との戦争をえがくが、読後、何も残らなかった。 本年度直木賞候補に「失われた町」が上がっている。新聞書評欄でかなり取り上げられ評価が高いので読んでみようと思うが、本書は? おすすめ度 ☆☆
山本一力「蒼龍」を読む
★12/27
商人のあり方、武家社会のあり方、いずれもラストに希望を抱かせる。 本年、赤旗日曜版に氏の連載が始まる。大いに期待します。 おすすめ度 ☆☆☆
12/23「全国高校駅伝」が開催された
★12/26
熊谷女子高校は力を十分発揮できずに終わってしまった。試合後の監督の短いコメントが新聞に掲載されていた。 「県予選を勝ち残るための練習をし、全国を見据えて闘うものになっていなかった。」というもので、より高いステージで闘うためにはより高い目的意識を持っていないと闘えない。地区予選でバーニングアウトして、次の戦いの準備が十分でなかったのか。 何か私たちの運動とも通ずるものがあるのでは?
本年度読んで、おすすめの本
★12/25
あさのあつこ 「バッテリー」 山本周五郎 「ながい坂」 横山 秀夫 「出口のない海」「真相」 小川 元彦 「オシムの言葉」 斎藤 貴雄 「空疎な小皇帝−石原慎太郎という問題−」 宮城谷昌光 「管仲」
宮部みゆき「ぼんくら」を読む
★12/18
鉄瓶長屋から次々と店子が家移りする。読み進めながら予想する話しの筋が幾度か裏切られる。 おすすめ度 ☆☆☆
昨夜、泊まりでブロックの事務局長と退職した事務局長の忘年会がありました。
★12/15
現役組はそれぞれ公私に様々な悩みを持っているのに拘わらず、退職者の皆さんの元気のあること。とはいえ、話題といえば病気と年金のことに集約される。 然し、北部で強烈なキャラクターの持ち主の二人、TさんとKさんはどうしてこうも大人げないのだろうか。たがいに吼えまくり、相手の話を封じるがごときふるまいにも唖然とした。
昨日婦人部の誕生日プレゼント配りをした。行く先々で心からの感謝をされ(私が送るわけではないが。)とても気持ちいい一日でした。
★12/13
婦人部の役員さん、担当事務局がプレゼントを受け取る会員さんのことを思い、少ない予算の中でいかに腐心しているか思うと、本当に大切な活動だなと思う。
内橋克人「もうひとつの日本は可能だ」を読む
★12/11
数年前、事務局員交流会で講演を開いたことがあり、テレビでの討論会でも、人が人と尊重される温かい視線で常に発言されている。 本書は「社会に生きる人との間に分断と対立を煽り競争一本槍が社会を活性化する道だなどと唱える、もっともらしい改革論の虚妄を見破り、人々の連帯、参加、共生が何より社会を支える人間精神の基本だ。」と説いています。 本書中にある作家が還暦を祝う会で送る言葉が美しい。「野に咲く花は、自分の美しさを知らない。だからいっそう美しい。」 おすすめ度 ☆☆☆☆
立原正秋「冬の旅」を読む
★12/6
若い頃一度読んだ記憶がある。「お前は生きていてもしょうがないんだ。こんなに堕落してまで生きていく必要があるのか」と義兄を刺すところだけは覚えていた。 非行に傾斜していく少年の心のありよう。壊れた心が描かれていた。哀しいがもがいてもそこから抜け出せない子供もいる。 少年院での生活や非行家庭、障害のあるなし、とてもリアルであった。 若い日、主人公のように哀しい苦しい人生を追ってみたいなどと夢想したことがあった。 おすすめ度 ☆☆☆☆
12月2日に立正大学公開講座「消費税課税の展望」と題するパネルディスカッションを聴講した。パネラーは元国税庁長官大武氏、連合副事務局長逢見氏、立正大学法学部教授浦野氏、立正大学助教授山本氏の4氏でした。
★12/4
始めに日本の財政について、4氏とも現在の財政状況が非常に危機的な状態になっていると語られた。 郵政が民営化にともないこれまで引き受けていた国債に変わり、外国債になるかもしれず、金利上昇に向かうかもしれない。そうなれば一層財政状況破滅的方向に向かう。 税制のあり方については 金融資産課税の強化に向かうべきである。との点で若干ニュアンスが違うものの4氏とも一致していた。 消費税については様々な意見が出た。 1.一般消費税は廃止。個別消費税とすべきパネラーが2氏いた。 1.減税を廃止したのち、法人税はこれ以上減税すべきではないし、高齢者への課税強化もやめるべき。なおまた、益税問題を言うパネラーもいたのはおどろいた。 フロアーの質問より 大企業の輸出戻し税について、ひとり大企業へ還付はすべきではない。その企業と取引のある下請け企業の納付した消費税であるから、制度的に見直すべきであるとの点は一つの見識であったと思う。 藤沢周平「隠し剣、秋風抄」を読み、映画「武士の一分」を観た。 「一分」とは新明解第4版(貴重らしい)によれば「1人前の存在として傷つけられてはならない最小限の威厳」とあった。原作には「武士の一分」と書かれた部分はなかったように思うが、映画はキムタクが3度「ただの武士の一分としか申し上げられたい」というセリフがあった。 藤沢周平の他の作品のどこかに「武士の一分がたちもうさぬ」というセリフがあったと記憶している。 ストーリーは小説も映画、概ね同じであったが作品は全く別のもののようであった。少し泣けた。 映画のおすすめ度 ☆☆☆☆ 本のおすすめ度 ☆☆☆
ピーコ 「片目を失って見えてきたこと」 を読む。
★12/2
仕事はいやな仕事は後回しにしない。後回しにすればするほど、ストレスがたまる。 いやなことはすぐかたづけよう。 おすすめ度 ☆☆
手嶋龍一 「外交敗戦」 を読む。
★11/30
サブタイトル〜130億ドルは砂に消えた〜 15年前湾岸戦争時、日本が多国籍軍に拠出した1兆2千億円の援助がどう決まったかを豊富な資料と大勢の人へのインタビューで語られている。 日本の大蔵省と外務省の省益に奔走し国民を省みない官僚たち。(真摯な外交官もいるが)その人達に操られる日本の政治指導者の無能ぶりにも驚く。 国民に増税を課してまで多額のお金を拠出したのにも拘わらず、国際的にさげすまれる日本のあり方がとわれる。 つい先頃アメリカ軍の基地移転費用として3兆円との報道があった。これも又、同様のしかけの中で決められていくのかと思うと暗たる気持ちになる。 おすすめ度 ☆☆☆☆
今日は某所で昼食を頂いた。
★11/29
メニューはカラつき生ガキ、焼肉、魚のソテー、焼き魚、凍り豆腐、イクラの醤油漬け、水菜おひたし風サラダ、納豆のわかめあえ、香の物、ご飯、みそ汁。なんとこれでしめて800円!!(税込)驚愕の安さ! お店を知りたい方はご一報ください。
11/25に例年、行っている「なんでも相談会」を開催した。昨年と比べると相談者は10名とやや少なかった。
★11/27
準備が遅れ市の広報に間に合わなかったものの、朝日新聞は掲載してくれた。 チラシも会員の名刺広告で作れた。引き続き計画していこう。どうして春の相談会では相談者が少ないの?商工新聞が増えないのは残念だ。応対者にしっかり購読の訴えをお願いしたい。
藤沢周平「雪明り」を読む
★11/22
ほんの少しの親切、家庭を省みない父に寄せる娘の愛。 哀しいくらいほのかな愛を寄せる人達が死をかけるとき おすすめ度 ☆☆☆
地元県立熊谷女子高校が全国高校女子駅伝大会を決めた。
★11/20
あらゆる分野で県内高校スポーツ界に君臨する埼玉栄高校を下した。 埼玉栄は県高校駅伝13連覇中とのこと。熊谷女子高校の全国大会での活躍を期待したい。 最近の高校スポーツの県内上位校は進学校とスポーツ選手を擁する私学に集中している。 県立高校も学区がゆるやかになったので選手が集まるかもしれないが、それにしても快挙だ。
山本周五郎「日日平安」読む
★11/20
短編5題。人生の岐路に立ち、名声、財貨、愛、家庭などを思い悩みながらどう選択するか問う。 おすすめ度 ☆☆☆☆
不破哲三対談集「自然の秘密をさぐる」を読む。
★11/15
難解であった。自然科学の基礎的知識があればもう少し理解できたかも。然し、46億年の地球を1日におきかえると、人類が地球上に誕生したのは最後の30秒となるらしい。であるなら宇宙誕生からでは、最後の8秒ということであろうか。素粒子の追求が宇宙の解明に道を開くなどという、なんとも理解しがたい。「対談を終えて」の部分は一読されたい。 おすすめ度 ??? 尚この本は十数年前の対談なので今日、科学の最前線はどうなっているのか興味がわく。
11/11〜12に商工新聞全国交流会に参加した。
★11/14
「商工新聞の魅力と役割」の講演「報告と問題提起」がありその後分散会に参加した。全体を通じて @商工新聞は私達が感じている以上に注目され問題解決に力を発揮している。 A若い人達が新聞を読めない(読まないでなく)?必要な情報は別のメディアに求めている。これとどう接触するか検討している。 B一方通行のメディアの中で会員が作り、会員が手渡しというつながりがあり、このつながりこそますます大事になっている。 C還元金の活用でも様々な議論があった。 D配達集金と班、支部活動の強化は軌を一つにするもので、事務局配達は未収が多くなる。 E商工新聞中心の活動ということから、会費、紙代の区分の考え方があったが納得いかなかった。 分散会で人の揚げ足をとったり見下すような言い方は気持ちが良くない。
会員さん10名とゴルフを楽しみました。帰り寄った居酒屋さんで商工新聞をとってもらうことも忘れない、林さんに頭が下がる。今回のゴルフは絶好調だ。
★11/13
山崎豊子 花のれんを読む
★11/10
吉本興業の創業者をモデルとした物語。女性の主人公の大正から終戦直後、亡くなるまでの一生。戦争は芸人も笑いも殺してしまう。 2つの祖国、大地の子、沈まぬ太陽から比べれば残念。 おすすめ度☆☆☆(最高5つ)
藤原伊織 てのひらの闇を読む
★11/9(木)
暗い過去を背負った主人公が飲料会社に入り、会社の会長から仕事を依頼されたことから事件が広がる。 なにはともかく主人公の都会的台詞が恰好いい。 おすすめ度☆☆☆(最高5つ)
東野圭吾『手紙』を読む。
★11/8(水)
現在、映画化され上映されているとの事。殺人者の兄をもつことから、人生を狂わされた弟の話し。刑務所から送られ続ける、兄からの手紙に反発を覚え、返事を書かず過ごす。ラスト、自らの子供が犯罪被害者となることから、兄の犯した被害者家族を訪ね、加害と被害について向き合う。主人公の勤務する会社の社長の言葉が重い。 おすすめ度 ☆☆☆ (最高5つ)
昨晩、県の会議がありました。商工新聞拡大を中心とする課題と国会要請を始めとする行事日程が詰まっています。
★11/6
1つ1つ大事に取り組み、当面11/25に開催するなんでも相談会を成功させるため頑張ろう。
ながらくぶりに更新しました。かつ、リニューアルです。
ぼちぼち、更新していきたいと思います。どうぞおつきあい下さい。 |